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マサル・ヒースヒルの冒険記  作者: 大石次郎


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10話 霧のゾンビ村 5

中に突入しここも扉を閉め、ユーレアがいつの間にか盗ってきていた祠の外の扉を閉じた跡の物らしき錆びた鎖を、扉の持ち手にササッと巻き付けて簡単な封をした。


スケルトンはゾンビほどの物量やパワー無かったからしばらくは持つ、と期待する!


「箱・・あれだな」


ヤポポを部屋の端に降ろした調査部員に銅の穂先の槍を投げ渡しながら、俺は古びた歪な台座の上の奇怪な小箱を見据えた。霧を垂れ流してる。


「っ!」


小箱が揺れ、派手に口が空くと、気体のような古風なローブを纏い悪趣味な仮面を付けた魔法使いが飛び出してきた。


「ほっほぉ~~っっ!!! せっかく増やしたゾンビどもを減らしてくれたなっ?! ワタシの崇高なっっ! 死の祝福をっ、下らぬ知性からの解放をっっ、あまねくこの地域全体に公正公平にぃぃっっっ」


「・・ダル過ぎ」


三白眼気味の目で凝視しながら途中までは聞いていたユーレアが、光り玉1つと癇癪玉2つを投げ付けて炸裂させた!


「ほぼぅっ?」


話せるなら一応会話したいところだったがこの流れ!


「途中でも反省するなら話は聞くかんな!!」


言うだけ言って間合いを詰め、まずは重ね斬りで様子を伺うっ。

ガガッ! 銅の小剣にも魔力を込めているが、仮面以外は手応えが薄く物理だとダメージは通り難い感触があった。


「ほっほぉ、アイスショットぉっ!」


氷の弾を連打してきたが動き大きいので避けられた。仲間も回避できたようだ。

ヤポポは改めて調査部員の人(いい加減、名前聞いときゃ良かったとは思ってる!)が小脇に抱えて避けてる。


喰らったらヤバいがこれくらいならいける、と思った側から流動する身体の端から急に左手を実体化させて殴り付けてきたっ。しかも中々の剛力!

盾で受けたが体勢を崩されちまった。


「アイスショ」


追い打ちが唱え終わる前にユーレアが癇癪玉を投げ付けて止めてくれた。危なっ。


「こんにゃろっ、トリッキーだろうが!」


こっからは詰め合いになったっ。


調査部員の人はヤポポのフォローがあるから注意を逸らすくらいしかできなかったが、1人前衛の俺は全身霜焼けになり盾の鱗も半分は剥がされながらも、ユーレアの援護とディフェンドの護り頼りで霧のソーサラーの仮面をかなりヒビを入れ、姿をだいぶ薄くさせた。


だが、ユーレアの光り玉と癇癪玉がそろそろなくなる!


どうする? どっちも最後の、霊木の灰か魔法石の欠片で畳みに入るか? コイツと繋がってる感が凄い霧を吐く小箱を先にどうにかした方がいいのか? いや仲間とさらに連携も・・等と考えていると、


「ほっほぉーーーっっっ!!!!」


ソーサラーは絶叫しっ、呼応して小箱から悪霊達が噴出! それらは数体ずつ合体して10体の霊体モンスター、幽鬼(ゴースト)に変化したっ! 最悪っっっ。


「悪足掻きすんなよっ、迷惑!」


「ワタシの義務感っっ!! 努力は惜しまないっっっ」


んんーーーっっ、このぅぅっ。


ゴーストが乱舞して生命力を吸い取るドレインタッチを連打してくるっ。ディフェンドの魔力障壁がなかったら速攻詰んでたっ。始末に負えない!


「マサルっ!」


最後の光り玉と癇癪玉でソーサラーを抑えつつ促してくるユーレアっ。


く! ちょっと視界入り乱れて調査部員の人が見当たら・・て、凄い端っこにヤポポが置きっぱなしになってるっ。いや霊木の灰は掛けてはあるけどっっ。


ええいっ、何かする気だよな? マントあるし、期待しちゃうぜっ?

俺はポーションを被ってから、


「そりゃあ!」


最後の霊木の灰をばら撒きっ、ゴースト達を焼いて大きく怯ませ、俺はソーサラーに突進した。アイスショットは盾スキル鉄亀(てつがめ)で魔力を盾に集中させて受け切る!

こっから片手剣スキル砲突(ほうづ)きでトドメを・・ガッ! 両足を掴まれ、動きを止められた! はっ?


両手だ! ヤツは霧と乱戦に紛れて『身体を先を伸ばし』をいきなり足元で両手を実体化させて掴んできていたっ。


「ほっほ」


仮面越しに嗤ってるのがわかるっ。

ユーレアはドレインタッチで座り込んでポーションを取り出したところだ。

冷気を集め魔法式を組み上げるソーサラー。ゴースト達も浄めの火を振り払い始めてる。マズい・・だが、


「そらっ」


突然霧の中から隠れ身マントを翻して姿を表した調査部員の人がっ、槍で正確にソーサラーの仮面に打ち込み3割程仮面を砕いた!


魔法の発動も解かれる。俺は掴んだ冷たい両手を切り払い駆け出した。


「ほっ?!」


位置が変わって突き技は当たらないとみて俺は飛び上がり、魔法石の欠片で魔力を増したスキル猟犬斬りで仮面を完全に叩き割った!


「ぼぅうううううっっっ?????」


倒したかと思ったら膨れ上がるように形状が曖昧になり、逆巻いてゴースト達を巻き込み、錯乱しているらしく部屋をめちゃくちゃに荒らし始めやがったっっ。


「何だそりゃっ?!」


幸いまともに狙えなくなったようだが、俺も調査部員の人もユーレアも大慌てに逃げ回った。


どうする? 致命傷は与えた気がする。一旦引くか? にしても出入口鎖で閉じてんだよなっ。

う~。ヤポポも回収しないと、ヤポポ・・ヤポポ? 立ち上がってる!


「ターンアンデッド、でぇす!!!」


浄化の光で逆巻く死霊達は半ば打ち消されっ、勢いは衰えたがまだ滅びきってはいない! ヤポポは今のでへたり込んだ。


「箱です! 蓋を閉じてっ」


ユーレアはスキル速駆けで速攻箱に取り付くが、蓋が抵抗するらしくすぐには閉ざせないっ。

気付いた死霊群が大きな顔になってユーレアを喰いに掛かった!


「だぁっ」


俺は銅剣の残りの魔力を込めて投げ付け、死霊の顔を霧散させるっ。


「粘り過ぎ何だよっ、お・ま・えぇーーっっっ!!!」


ユーレアは魍魎の蓋を閉じた。

霧は晴れ、


「ほっほぅ、死。避け難い祝福」


死霊達は消滅していった。


「あー疲れたっ、マサル隊。追加で報償金出るぞ? 俺が報告書盛っとくからな!」


調査部員の人はニッと笑ってきて、俺達は脱力した。


スケルトンゴブリンは霧のソーサラーと共に滅び、ゾンビ達は弱体化し、外にいた個体は全て霧が晴れて降り注いだ日光に当たって崩れ去ったようだった。



・・・後処理と回収した魍魎の箱はギルドの後続隊と領の正規兵達に任せ、俺達は一先ず温泉で休養する事にした。


男風呂の薬湯に男子メンバーとハリソンさん(調査部員の人)でのんびり浸かる。


仕切り壁の向こうには女風呂がある。


「そっちどうだぁ~?」


「最高ですぅ~」


「癒され過ぎだわ・・」


いい感じらしい。


「マサル、今回は災難だったな」


「そっちこそね」


いやホントに。


「相棒の方はどうです?」


「しばらく掛かるそうだが回復できそうだ。まぁでも休職だろう・・」


「2人の調査のお陰で解決できたような物である。感謝したい。ありがとぉう!」


「ははっ、まぁお互い死なない程度に、また縁があったらよろしくな」


「うッスっ」


湯治のついでのつもりが大仕事になったが『霧のゾンビ村クエスト』は湯煙に包まれ、これにて解決。


ふぅ~、ババンバ湯、最高~~っ。

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