イルの朝
「まぁ、クリスマスのときにも行ったかもしれないが、金を稼ぐために、比較的食われる部位を中心に売っていたから、残ったものはいつも特殊な部位だったよ。鹿でも猪でも。一度だけ熊をナターシャが狩ったこともあったな」
熊……ですか。
やはり、スノードロップの皆様は、行うことが私たちの想像を何倍も超えてきます……。
クリスマス記念の休暇で、皆様の故郷に連れて行ってもらった時も、現地にあったアジトの広さにも驚き、内装も同じことに驚き、なおかつ、エルトゥーヤ様に抱っこされながら移動したのも驚きでした。
抱っこされたのはさすがに恥ずかしかったのですが……。
それに、食料を買い込んでいても、数日するとなくなってしまい、自給自足だ。と言わんばかりにエルトゥーヤ様とレベッカ様が猪を狩り、アジトに持ち込み4人で解体。しかも、そのなれた手つきにさらに驚かされるという、もう、まさに驚きの連続でした。
これで今度、クマを狩ってきた。なんていわれてしまうと、私はもちろん、トリキさんもフォーミンさんも驚きで動けなくなってしまわれるかもしれませんね。
ただでさえ、年度末に狩ってきた猪を見て「襲われる~!」なんておっしゃっていたくらいですから。
そう考えると、猪を見て同時亡くなった私は、少し強くなったのでしょうか?
「まぁ、熊なんてそうそう狩るもんじゃないけどな。さすがに私たちも熊の解体経験が少ないから、解体が面倒なだけだ。ただ、襲われちゃ、食料にするしかなかったな、あのときは」
そう回想されるエルトゥーヤ様は、懐かしそうによだれを垂らしておられます。
おそらく、戦闘魂に火がついてしまわれてるのかもしれません。
「そんな話は置いておくか。とりあえず、今は食べさせてもらって、着替えるとするか」
エルトゥーヤ様は、私がお出しした朝食を召し上がられると、そのままフィッティングルームへ向かわれ、お着替えになられるようです。
そのあと、レベッカ様とムーナ様も起床され、エルトゥーヤ様と同じように、朝食を召し上がられ、フィッティングルームでお着替えになられました。
そして最後にナターシャ様が時間ギリギリに起きてこられ、時計をちらちらと見ながら朝食を召し上がられ、走ってフィッティングルームへ向かわれました。
さて。そんな皆さまを見送った後は、トリキさんとフォーミンさんの分の朝食も用意して、先にスノードロップの皆様が召し上がられたものを片付けるといたしましょう。




