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15話

「………ふぅー、緊張する………」


 時は少し流れ三時間後。声優さん達のフリートークが終わり、殺戮兵器僕達さんのチャレンジも終え、ついに俺たちの出番。


 殺僕のみんなとハイタッチをし、頑張ってとの激励も貰ったため、俺としては元気&やる気は150倍。


 しかし、やはり大きなステージに上がるので、緊張はしてしまう。やっべー…付けてるマスクが息で湿る。


 ちなみに全員マスク着用済みである。顔バレ防止対策である。シルバさんはグラサンを装備していた。


 呼ばれる時は全員一緒に登場ということになっている。


「君たち」


 ハナミさんの声にみんなが視線を向ける。全員の目には、やはり緊張の色が浮かんでいた。シルバさんはグラサンしてて分からないけど。


「緊張するな………なんては言わない。私だって緊張しているからな」


 一人一人の目を見ながら、力強い瞳が、皆の目に映る。


「だがーーー心配することは何も無い。皆はただ、私の後ろを着いてこい」


 悠然と堂々とステージへ歩いていくハナミさん。それに感化され、一人、また一人とハナミさんの後を着いていく。なんだこのカリスマ性。


 この人に着いていけば大丈夫だ。自然とそう思わされてしまう。


『次はメイーーーンゲスト!スレイプニールのご登場だぁ!!』


 ステージに出る瞬間に霧が激しく舞い、一瞬だか俺達の姿を隠す。しかし、次の瞬間にはハナミさんに続いた俺たちがステージ上に姿を現した。


 ーーーーーすげぇ熱気だ。


 思わず足を止めてしまい、周りを眺めてしまう。色とりどりのサイリウムが観客席を照らし、まるでそれは一つのアートのようだった。


 次の瞬間、俺の左手に熱が来る。そちらを見ると、メリィちゃんが俺の左手を繋いでいた。


「いこっ」


 クイっ、と俺の手を引っ張るメリィちゃん。何やら観客から物凄いどよめきが起きた。


 俺達は横に1列に並ぶ。ハナミさんが1歩前に歩いてからMCの人からマイクを受け取った。


「………コホン、どうもスティックヒューマン・オンラインゲーマーの皆さん。スレイプニール『明鏡』のハナミだ。よろしく頼む」


 次の瞬間、会場が物凄い歓声で包まれ、思わず耳を塞いでしまった。


 しかし自己紹介だけでこの盛り上がりよう……恐ろしいハナミさん。


「おっと……次は俺?……あー、『一刀』のシルバだ。マスクとグラサン越しだが、まぁよろしく頼むぜ!」


 スレイプニール全員の自己紹介をし、ゴランさんからマイクを受け取るーーーーーと思ったらメリィちゃんにマイクを持つ手をグイッと引っ張られた。


「………………?」


 あの………何してるんですか?メリィさん。俺今から自己紹介なんすけど。


「……………!」


 ブンブン!と何やらジェスチャーをして俺に何かを伝えたい模様。


 なになに……二人……一緒?


 ……あぁ、はいはい。自己紹介ね。なんで二人一緒にするの?まぁいいけど。


「……えー、どうも。双棒のみぃと」


「メリィです!皆さんよろしくお願いします!」


 一瞬だけシーンとなった後に、今度は怒号やら黄色い悲鳴などが飛んできた。うん、こんな所でイチャコラすなってね。聞こえてる。うん、聞こえてるよ前列の男性さん………。


『はい、双棒の夫婦芸も見れたことですし!早速今回のメインイベントに移らせてもらいます!こちらのパソコンがありますので、ご自分の名前が書いてある所へ座ってください』


 床が下から上がってきて、そこには8台のノートパソコンがある。近づくと、そこには『みぃ』と紙にデカデカも書いてあった。


『観客の皆さんは上のモニターにご注目下さい』


 チラッと俺もむく。どデカいモニターには、画面が八分割されており、それぞれの俺らのモニターが見れるようになっていた。


『これから、スレイプニールの皆さんには、第六弾アップデート後に実装されるギルド戦をお試しプレイという形で今回はやってもらいたいと思います!』


 コントローラーを握り、ゲームをログインすると、いきなり見たことの無い画面になり、そこには八人の棒人間がいた。当然、俺たちである。


 なるほど、ここが待機画面ね。ふむふむ。


『この新コンテンツに向けての意気込みを、代表してハナミさんに聞きたいと思います。ハナミさん!そのヘッドセットマイクはピンマイクも兼ねてますので、それを付けて喋ってください!』


「…………ふむ、大丈夫そう……だな。意気込みか……まぁ言えることは、我々であればクリアすることは充分に可能だ」


『ありがとうございました!彼女の自信満々な発言は叶うのか!それとも運営が折るのか!』


 ヘッドセットを取り付ける。マイクの位置も微妙に調整して汗で濡れた手をズボンで拭いてから、しっかりとコントローラーを握る。


『それではーーーーギルド戦!大陸の侵略者、開始!』




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