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11話

 その後、俺たちに招集を掛けた神崎さんがやってきて、出演者全員の顔合わせが始まった。


「うぃーす。どうも、フヨでーす」


 殺戮兵器僕達で1番好きなフヨさんと出会えてほんと良かった。サインも貰えたし、握手もできた。2日間くらい洗わねぇ。


 それと、どうやらフヨさんも俺のことは覚えていたらしく、今度一緒にコラボしない?って言われたから絶対する。L○NEも交換してもらったもんね!


 声優さんからは、七海沙織さん、松山禎丞さん、梶正樹さんなどなどの七名の有名声優さんだった。少しでも気を抜くと気絶しそうだった。


 軽い自己紹介と、当日の流れについての打ち合わせ。


 最初はトークとの事で、声優さんが、次にプレイヤー達のプレゼント企画ということで、とあるミッションに挑んでもらうために殺戮兵器僕達さんが、ラストに俺たち運営の使徒(スレイプニール)が出てくることになっている。しかし、内容はまだ内緒らしい。


 軽く親睦を深めあってから今日は解散とのこと。とりあえず、俺とメリィちゃんは気が持ちそうではなかったため、一足早く皆さんよりも解散した。


「………し、心臓が持たねぇ……」


 ファンのゲーム実況者さんに、好きな声優さんなどなど、本当に持たない。


「わ、私も………」


 とか言いながらメリィちゃん。俺が手を繋いでる反対側の手にはしっかりと、声優さんである伊藤花苗さんのサイン入り色紙がちゃっかりと持っている。


「とりあえず、今日はもうホテルに行こう……嬉しかったけど疲れた、精神的に」


「さんせー……」


 余談だが、神崎さんには、俺とメリィちゃんがリアルでも付き合ってますと報告済みなため、ホテルの部屋も同室にしてもらっている。


 S○Aからそんなに離れていないちょっと高級そうなホテルに入り、チェックインする。


「………今更だけどこれ本当にタダだよね?豪華すぎて信じられないんだけど……」


 メリィちゃんが不安そうに俺の袖を掴みながら聞いてくる。


 うん、俺もその不安な気持ち。めっちゃ分かるよ。だって俺もそう思ってたもん。怖いもん。


 エレベーターにのり、部屋がある12階のボタンを押す。このホテルは12階建てなため、最上階だ。


 辿り着いてから貰った鍵で部屋を開けるとーーー


「……うわぁ!」


「……おお」


 あまりの広さにびっくりした。


 まず部屋がでかい。何畳あるかは検討がつかないが、とてもでかい。


「………これ、本当に大丈夫だよね?」


 何度も何度も貰った鍵の番号と部屋の番号を見直してみる。うん、しっかりと同じ番号だな。


「えっへへ~だーいぶ!」


 ぴょーん!とメリィちゃんが荷物を落としてベッドへダイブした。ちょっと羨ましかった。


 ほら、なんかホテルとか来たらベッドにダイブとかしてみたくない?ちなみに俺は修学旅行の時にやったぞ。ダイブの衝撃でベッドが動いてしまい、壁と衝突したでっかい音で三つ隣の先生の部屋まで衝撃音が届いて、めちゃくちゃ怒られた。


「………すっごい柔らかい……みぃーくーん、おいで、すっごいよ」


「……今行く」


 荷物をとりあえずメリィちゃんがダイブしなかったベッドへ置いてから、メリィちゃんが横になっているすぐ近くに腰を下ろした。


「お……おお?」


 腰を下ろした瞬間に沈み込むベッド。……やっべ、これすっごい!当たり前だけど俺のベッドより柔けぇ!


 しばらく手で反発を楽しんでいると、メリィちゃんがモゾモゾと動き出して、俺の手を掴む。何事か?と思ったら俺の手を自身のほっぺたに持っていき


「ベッドと私、どっちが柔らかい?旦那様」


 勿論、その後思う存分プニプニさせてもらいました。


 ちなみにだが、スティックヒューマン・オンラインは明日から2日間、サーバーが封鎖される。それは勿論、第六弾アップデートのためのメンテナンスや、全プレイヤーに新コンテンツを楽しんでもらおうという運営のお気持ちである。2日とサーバー封鎖されたら、俺みたいな棒人間中毒者はもどかしい思いをするだろうなぁ。


 なので、俺とメリちゃんは最終調整も兼ねて、ベッドの上で二人で並んでスティックヒューマン・オンラインをやっていた。


 挑んでいるのは高難易度クエストとして実装された琥竜の雄叫び。やはり、連携を確認するのはこのクエが一番良かった。


「尻尾なぎ払い」


「うん」


 琥竜が大きくほえて回転する。そしてその回転力を生かした琥竜のしっぽがやってくる。


 しかし、事前に教えていたため、しっかりとメリィちゃんのタワーシールドでガード。俺がそのうちに魔法をバンバンとうち放ち、切れたタイミングでメリィちゃんがシールドバッシュし、ひるませてまたさらに俺が魔法を放つ。


 これだけのコンボで1割は削れるので、ほんと、調整入る前はどれだけこのボスが強かったのか思い知らされる。


「………はい、討伐完了」


「ふぅ……もうこのクエストも安定してクリアできるようになってきたね」


「うん………いやぁほんと、ここってエリクサーの材料沢山落ちるから……ふふふ、……」


「……あちゃー、みぃくんの収集癖刺激しちゃった……」


 こうして、二人でゲーム、時にはイチャイチャしていたら時が過ぎて言ってしまって。


 そして夜………。


「おやすみ、みぃくん」


「おやすみ、メリィちゃん」


 俺たちは一緒のベッドで抱き合いながら眠りについた。



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