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10話

 全員の視線が急に入ってきた凛とした声に反応し、この部屋の入り口であるドアを見つめる。


「すまないみんな。待たせてしまったね」


 長い黒髪を高い位置でポニーテールにしており、雰囲気はまさに生徒会長っぽいイメージ。


 しかし、その声はいつかのダンジョンでコンビの練習をした時と同じ、凛とした声をしていた。


「遅れてしまって済まない、私がハナミだ。皆、よろしく頼む」


 その態度はまさに王様のような雰囲気を醸し出していた。





「ふむ………なるほど、大体は分かった。皆の名前もきちんと覚えられそうだ。とりあえず覚えやすそうなのはみぃくんとメリィちゃんだな」


「……えっ」


「…………?」


「あー……明鏡がそういう理由も分かるぜ。だって………なぁ?」


「えぇ……なんというか……僕にも彼女はいますが、あんなに甘い雰囲気は出せませんし」


「なに?アランは彼女がいたのか」


「えぇ、可愛い彼女ですよ」


 にこりと照れくさく笑うアランさん。茶化すように羨ましヤツめと言い脇腹をつんつんとするシルバさん。


「そういえば、私が来る前は何をしていたんだ?私としてはそこが気になるが」


「「「…………あー」」」


 シルバさん、カリンさん、スピカさんがなにやら思い出したくもないように声を出した。


「…………なんだ?なぜそんなに残念そうな………?」


「いやぁ……うん、別にいいんだが……」


「………私から説明します、明鏡さん」


 そこから語られるのは、俺がメリィちゃんをロケット枕から防御する前の話だった。


 一番最初にこの部屋に着いたのはスピカさんらしい。でかいバックから徐に枕を取り出して誰かが来るまで寝ようとしていらしい。


 なぜ枕を持ってきていたかは謎である。彼女曰く枕がないと寝れないらしいので、遠出する際は3つ枕を持っていくらしい。頭に載せる用、高さ調節用抱き枕用らしい。


 次に来たのはカリンさん。寝ている見知らぬ少女がいたのでびっくりし、声を出してしまう。その声に起きてしまったスピカさん、その直後にシルバさんが登場。


 とりあえず、自己紹介をして会話をすることに。枕に気づいたシルバさんが「枕投げしよーぜ!」と提案。カリンさんは危ないから却下と言ったらしいが、シルバさんが見た目に似合わないくらい細かなルールと安全性を熱心に説明されたので、渋々折れることに。


 そしてなんだかんだ熱中してしまい、カリンさんの投げたロケット枕が手をすっぽ抜けた所で俺とメリィちゃん登場。


「…………なるほど、君達、一体何をやってるんだい………?」


「「「うっ………」」」


 罪悪感からか言葉につまる三人。言っときますけど、俺まだ少しだけ怒ってますからシルバさん。


「全く………大丈夫だったかい?メリィちゃん」


「うぇっ!?え、あ、はい!?だ、だだだ大丈夫ですぅ!!」


 ハナミさんがメリィちゃんが抱きしめて頭をなでなでし始めた。ほう、なんだその尊いシーン。もっとやって欲しい。


「ほらほら、怖くない怖くない………」


「ふぇぇ……な、何これ……溶かされちゃうぅぅ……」


 おおう……なにやらメリィちゃんの綺麗な顔がとてもだらしない顔になっていく。人には見せられないな。


 ふにゃらとだらしなくハナミさんの豊かなお胸様に寄りかかるメリィちゃん。くっ、写真に残せないのか……?


 ひとしきり満足したのか、ハナミさんはメリィちゃんを離した。ふにゃふにゃ~と力が抜けていたので、すぐさまに後ろに立ってから支えた。


「…………大丈夫?」


「ふわぁ……悔しいけど、みぃくんのなでなでよりも気持ちよかった…………あれはある意味反則だよぉ……」


「…………えぇ?」


 それはなんというか彼氏冥利が傷つくんですけど?

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