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声しか知らないお嫁さんと本当に付き合う  作者: 結月アオバ
声しか知らないお嫁さん
3/59

2話

コピべするだけだから更新ができるよん

「……ん?」


「どうしたの?みぃくん」


「いや、ちょっと通知。ちょっと待ってて」


 次の日、プレイヤーホームで二人でのんびりお喋りをしていると、スティックヒューマン・オンラインの公式アカウントからのツイートが流れてきた。


「……あ、この後緊急レイドバトルだって」


「へぇ……相手は?」


「大海の覇者『クラーキング』。レベル1050」


「クラーキングかぁ……」


 クラーキングは、クラーケンと言われるでっかいイカの王様である。触手が80本あってものすごく気持ち悪い。でも強い。


「どうする?行っちゃう?」


「んー……ちょっと待ってて」


 ピロンと、向こうがミュートにした事が伝わる。多分パソコンでドロップアイテムのことを調べているのだろう。俺も調べとこっかな。


 武器の杖については、琥竜の雄叫びで新しい武器ゲットしたし、今欲しいのは……アクセサリーかなぁ。でもクラーキングアクセサリー落とさねぇんだよなぁ。


 ぶっちゃけ個人的にはあんま行きたくない。でもメリィちゃんが行きたいなら行く。悲しいかな。惚れた弱みってやつだよな。


 そう、薄々気づいているだろうが、俺はメリィちゃんに惚れている。顔も知らない、性格もあまり分からない、互いに知っているのは声とプレイスタイルだけ。


 バカバカしい……等と思うかもしれないが、俺はその声と、垣間見えたメリィちゃんの優しさに惚れてしまったのだ。めちゃくちゃ声可愛いんだぞ……!


「お待たせしました」


「ん、どうだった?」


「今回は見送ってもいいかな……クラーキング、あんまり欲しいの落とさなかったから」


「ん、分かった。俺も今回は別にいっかなーって思ってたから」


 確かにクラーキングはどことなく、アタッカー専用の武器がドロップするからな。タンカーのメリィちゃんやメイジの俺にはあまり関係ない。狙うなら魔導兵器ミスリルゴーレムとか、古代女王クレオグリスとかそこら辺だろう。


「そうだね……今日は、みぃくんとおしゃべりしていたいかな」


 おっふ。






 琥竜の雄叫びクエスト実装から1ヶ月半。


「いよいよバランス調整入るらしい」


 明日のメンテナンスで琥竜の雄叫びクエストの難易度変更の為のメンテナンスが入る。それ同時に、何やら新イベントの実装告知もあるみたいなのだが……。


「1ヶ月半でもまだクエストクリアペアが三組しか無いのは異常だよねぇ……」


 そう、まだ俺とメリィちゃんペア、明鏡さんペア、それと、明鏡さんと同じギルドに所属しているアイナさんというペアしか攻略出来ていない。


 さすがにプレイヤーから『ムズすぎ!』という苦情が出てきたので、神運営は急遽、難易度調整の告知を出してきた。


 ……ほんと、対応早いですね。


 ちなみに、俺たちの琥竜の雄叫びクエストに行った回数は46回。その内のまだ7回しかクリア出来てないため、まじやばぁである。


 具体的な内容としては、ギミックの難易度低下や、減少。敵全体の数を減らしたり、レベルを下げたり、敵の攻撃力を見直したりと、様々な変更点がある。それでいてドロ率は変わらないというマジで神設定。少しは下げてもいいと思うのですが……。


「ふぁ………あ」


 暫く話していると、メリィちゃんから欠伸が聞こえてきた。チラッと時間を見たら既に時計の針は11時を回っていた。


「あ、あははは…ちょっと恥ずかしいね。アクビ聞かれると」


「ううん、可愛い声だったよ」


「もう……みぃくん、そんな所だよ」


 若干声が小さくなってることから照れているらしい。


「そんな人に可愛い可愛いって言わないの」


「?でも、本当に可愛いかったよ」


「~~~っ、だから!そういうとこだってば!」


 もう切るね!お休み!と行って通話が切れる音が響き、同時にゲームからもメリィちゃんのキャラが消えた。


 ……………ふむ。


「……慌てて照れるメリィちゃんも可愛かったな……」


 とりあえずL○NEで謝罪しとこ……ごめんね、ちょっと褒めすぎたね………と。


『もー!だからそういう所だってば!』


 とのメッセージが送られ、次にあっかんべー!をしているとあるアニメキャラのスタンプが送られてきた。


 ………これは、明日はご機嫌取りかなぁ?


 次の日、メンテナンスが思ったよりも長引いているため、ゲーム内でのボイチャが出来ないので、通話をしている。


「……メリィちゃん。どうしたら機嫌直してくれる?」


「…………つーん」


「……可愛いよ、メリィちゃん」


「ひゃわあ!」


 と、こんなやり取りが10分くらい続いた。


 とりあえずめちゃくちゃ可愛いとか綺麗とか連呼してたら、向こうが折れてくれました。


「みゅうう……みぃくんがたらしだよぉ……褒め殺しだよ……」


「たらしって失礼な……俺は思ったことを口に出してるだけだよ」


「それがたらしなんだよ!お願いみぃくん!これ以上私をキュン死させないでー!」

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