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2話

「みぃくん!」


「……!メリィちゃん!」


 さて、日は変わってゴールデンウィーク五日目。今日はなんと……お家デートである。


 メリィちゃんが俺の家へ言ってみたいとそれはもうバイノーラルマイクで可愛く囁いてもらったため、秒で承諾した。


 いや………あれには適わないって……だって想像してみ?実際彼女にさ、耳元で息吹きかけられながらおねだりされたら断れないでしょ?断れるやつはホモぐらいだ。


 家の最寄り駅まで迎えに行き、軽く30分くらい待った。突然の美少女の登場に周りの人達がどよめいた。向こうにいるクラスメイトがなんだかすごい顔をしている気がした。


 そして彼女は俺を見つけるとそのままダッシュでーーーー


「会いたかった……!」


 俺の胸にそのままダイレクトダイブ。少し肺から無理やり空気が飛び出て、変な声が出たが、何とか受け止める。


 むにゅん。


 ………ほう。ま、何がとは言いませんけど大変素晴らしいです。ご馳走様です。


「ごめんね、突然家に行きたいって言って……」


「大丈夫。今日両親仕事だから。今、家には誰もいないよ」


 ほんと、ゴールデンウィークだと言うのに、お勤めご苦労様です。いつも感謝してます。


「ありがとうみぃくん!早く行こ行こ!私今日本当に楽しみで……!」


「分かった……分かったから!慌てなくても俺の家は逃げないって……!」


 無邪気なメリィちゃんもとても可愛いと思いましたまる


 さて、読者の皆。薄々気づいていると思うが一つだけ懸念材料がある。


 そう、それは俺の理性がきちんと仕事をしてくれるかどうかだ。


 勿論、俺は本気でメリィちゃんが好きなため、一生面倒を見る予定ではあるが、もしメリィちゃんの可愛さにやられて、そのままベッドに押し倒してしまってそのまま脱童貞してしまったらと思うと………うん、責任取ります僕。


 横目で、楽しそうな笑顔を浮かべ、腕を組んでいるメリィちゃんをーーーーん?メリィちゃん、いつ腕組んだの?


 さて……まぁ俺はカッコつけて腕を組んで無い方の手はポケットにでも入れとくか。俺の10cm高射角機動砲がしっかりと装填準備完了しないように。


 ………うわぁ、だっせぇ……俺。








「それじゃあ適当なところに座ってて。お茶取ってくる」


「あ、うん」


 取りあえずメリィちゃんを部屋へ入れてから俺は1階の冷蔵庫を目指す。コップを二つ準備してから、麦茶を注ぎ込む。


 ……持っていく前に俺の気持ちを抑えるために、ついだ麦茶を片方全部飲む。うめぇ。


 さて、今日の俺には三つの制約を立てます。


 まず1つ目。メリィちゃんを退屈させない。折角家に来てくれたのだからこれだけは絶対にNG。何としてでも死守する。


 二つ目。暗い顔をさせない。メリィちゃんはワケあり。それと、多分《《俺と同じ系》》だ。俺は運が良かったからいいが、メリィちゃんはそう出ない可能性がある。だから無闇に刺激しない。


 ラスト、三つ目。暴走しない。態々俺のためにバイノーラルマイクを買ってきてくれちゃう程だ。俺に対して良い感情を持っていることは確かだろう。


 しかぁし!それにかこつけて無理やりメリィちゃんを求めない!…………まぁ?向こうから来た場合はやぶさかではないですが。


 と、しっかりと心に刻んで、もう1回俺の方に麦茶を注いでお盆に乗せて上へ向かう。きちんと間違えないように、俺のは手前側にしてある。


「お待たせ、メリィちゃーーーーーー」


 扉を開けた瞬間、俺は絶句した。


「はぁ……みぃくん……んっ」


 なんと、メリィちゃんが俺のベッドに寝転がってすごいなんかしてる!


 あれか!?よくラブコメで見る好きな異性の匂い嗅ぎたくなっちゃう症候群!?


 えーーーーそしたらやっぱり、メリィちゃんは俺の事…………。


「んっ………みぃくん……好き………好きぃ……」


「………っ!」


 俺の何かが崩壊………しそうになったところを俺の理性が押しとどめた。ナイス理性!あと2秒遅かったら俺は、このお盆を置いてメリィちゃんへルパンダイブする所だった。


 とりあえず………危ないのでお盆置くか。


 ……違うよ?決してルパンダイブの準備じゃないのよ。ただ、ちょっとこぼしたら面倒だなぁって思っただけで、他意はないのよ?ほんとよ?


 よし、自分言い訳完了。少し言い訳したため、気持ちも少し落ち着いた。それでは、お盆も置いたことですし、暴走しているメリィちゃんを戻そう。うん。


 これ以上は心臓に悪い!!


 えっちぃよ!えっちぃよメリィちゃんその声!お願いだから俺のベッドの上で喘がないでください!


 しかし……今更だがこれ、どんな顔してメリィちゃんに話しかければいいの?こういう時って、大体ラブコメでは「ち、違うの!」とヒロインが言って、顔を赤くして反論するのだが………如何せん全く気づきそうにない。


 ……とりあえず、普通に肩叩くか。


「メリィちゃんメリィちゃん」


 トントンと、うつ伏せになり、俺の枕に顔を填めているメリィちゃんの肩を叩く。くるりと顔をこちらに向けた。


「…………みぃくん?」


「みぃくんでございますよ」


 こちらを見る顔は全体が上気しており、目がとろんとしていてーーーーー何となく嫌な予感!?


 ばっ!と急いで身を引いたが、1歩遅かった。


「本物だ………」


「……っ!?」


 素早い動きで身を起こしたメリィちゃんは俺を抱きしめると、そのままを俺をベッドに押し倒し…………って俺が押し倒されるんかい!!


 そして素早くマウントポジションをとり、俺を動けないように固定………ってメリィさんメリィさん。その位置やばいんですが。俺の高射角機動砲にご立派なふりふりとしたものが当たっており物凄く精神衛生上良くないです!


「みぃくん……」


 そしてメリィちゃんは俺の顔へ顔を近づけるとーーーーーーーーー

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