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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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20年後の山島田家

 それから20年後。山島田正宗は61歳、美奈子41歳、雄大と空雪が21歳、元治と海美が20歳になっていた。正宗はル・ジャポネ・フィアゼの総支配人に昇格し、料理を作る現場からは離れていた。

 美奈子は、元治と海美が高校卒業したのを機に美容サロンを開業して、6人の従業員と共に働いていた。

 長男の雄大は、調理師免許を取得して、ル・ジャポネ・フィアゼで見習いコックになって3年目を迎えていた。ちなみにまだ鍋も包丁もさわらせてもらえない。

 長女空雪は、イラストレーターに成るため英国の美術大学に進学し、現在3年生でロンドンに住んでいる。なぜ、日本の美術大学に進学しなかったのかを聞かれると、何時も答えは同じだった。「日本の大学なんてダサいし。」

 次男の元治は、高校卒業後、防衛大学校に進学し現在2年生である。将来は日本海軍の士官として、祖国日本の平和を守る為、日夜勉学に勤しんでいる。

 次女の海美は、高校卒業後、ケーキ屋さんに就職。朝から晩までケーキ作りに余念がない。

 20年も経つと、皆立派な大人になっている事に驚いたのは、正宗だった。長男がル・ジャポネ・フィアゼで働かせてくれと土下座したのには驚いたし、嬉しかった。長女が英国に留学すると言った時はもっと驚いた。次男が防衛大学校に受かった時は驚きを越えて、尊敬すらしてしまった。次女がケーキ屋さんで働かせてくれと言った時にはもう思考力は無くなっていた。

 4人がそれぞれの道を歩む事に何の異論もないが、美奈子が美容サロンをやりたいと言った時も口を出す事はせず、承認した。なぜなら、20年自分がル・ジャポネ・フィアゼでオーナーシェフとして、働いてこれたのは、美奈子をはじめとする家族の支えがあったからである。それを理解しているから、余計な事は言わない。

 山島田家には、10年前から決まっている行事があった。それは、年度末(3月31日)に行われる家族での食事会であった。場所は勿論ル・ジャポネ・フィアゼである。若手の中で選りすぐられたシェフの手によるコース料理がこれまでもかと出されるのである。

 今年はその食事会を始めてから10年目(10回目)になる記念の年であった。この日だけは、家族全員が一堂に集まる。英国にいても全寮生活をしていても、美容サロンを定休日にしても駆けつける。その食事会は、山島田家の1年を振り返る報告会的な行事でもあった。

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