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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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自己責任 自己管理

 四人の子供は全員歩く事を覚えて、美奈子を困らせていた。食材の買い出しや、日用品の買い物には、お手伝いさんを利用した。

 育児の方は抜かり無くやっている事をアピールするために、助っ人を利用したのは正解だったかも知れない。

 正宗が、ル・ジャポネ・フィアゼで悪戦苦闘している間も安心して、最高の料理が作れる様に美奈子は、全力でバックアップした。

 夜は遅く、朝は早い料理漬けの生活だったが、弁当を作ってあげたりもした。決して良き妻として、認めてもらいたいわけではない。自分が出来る事をコンスタントにこなしていただけの事である。

 それが正宗にとってどれ程救われるものであったかという事は計り知れない。正宗は海軍を辞めてからも不規則な生活を続けていた。無理をしなくても出来る体力があったが為に、無理をしている事は気が付き難かった。

 プルルル、ガチャ「はい。山島田ですが?何?直ぐ行きます!」ガチャ

 山島田の家電にかけてきたのは、ル・ジャポネ・フィアゼの副支配人である大田村敬(おおたむらたかし)であった。正宗は過労だと認定され、一週間店を休む事を命じられる。

 「正宗様、店の事は心配なさらずに、お休みください。では。」

 この副支配人という男は信頼出来る男であった。正宗の父、元海が店を創業させた当初から、副支配人としてル・ジャポネ・フィアゼを支えて来た生き字引であったからだ。

 正宗のやりたいように店をやらせて、店がどうなるか、彼も楽しみだった事だろう。ただ、スタートから飛ばしすぎたのがいけなかった。大きな病気や怪我をしなかった事は美奈子を安心させたが、入院中の正宗は店の事が心配だった。

 まぁ、正直なところ、正宗のような新人オーナーシェフ、しかも海軍のコック上がりと来たもんだ。ただ、先代のオーナーシェフの息子というだけで、最初はフランス料理、西洋料理の基本も我流で、指導が必要なレベルだった。だから、正宗がいなくても店は回る。

 店の事も大事だが、自分の体調にすらうといシェフが旨いものは作れない。それを副支配人の大田村に言われたようで、正宗は以後体調管理を徹底するようになる。

 軍隊は、時間の管理は、自分で意識しなくとも、ある程度問題はない。だから無理もしない。だが、レストランはそうはいかない。全て自己責任に帰結してしまう。

 こうして、五日程度入院したのち、退院し職場に復帰した。

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