山島田(寺倉)美奈子が海軍を辞めるまでにやらなければならないこと その①私物の整理及び不要品の処分
山島田(寺倉)美奈子が海軍を辞めるまでにやらなければならないこと
その①私物の整理及び不要品の処分
美奈子も正宗同様に荷物類の整理はしなければならなかった。ただ、キャリアも在任期間も、正宗より遥かに少ない女性下士官だけあって、荷物整理はたった2日ほどで終了した。美奈子は女性という事もあり、部屋も綺麗に使っていたため、スムーズに済んだ様てある。
ただ、家に帰れば雄大、空雪、元治、海美と、四人の子供の世話に追われ、決して楽ではない生活を送っていた。一年違いの双子で、もう大きくなり始めていた雄大、空雪ペアのお兄ちゃんお姉ちゃんコンビの方が手がかかった。なまじ、動けるものだから、目を離す事は危険だった。その合間に基地から持ち帰った資料の処分をしていた。大抵の資料はシュレッダー処分すべきものだった。
在任期間わずか三年という短さで三等海曹に出世した為、退職金も士長より多く出る。三年と言えば、普通は一任期目の途中であり、任期満了一時金は出ない。
余談になってしまったが、第2の人生を正宗と共に歩み出す美奈子にとってはありがたいお金となった。彼女はこの先どうして行くのか、正宗よりも先に若杉曹長に話していたのである。
「美奈子さんは、海軍を辞めたらどうするんですか?」
「専業主婦かな。四人も子供いるし。」
「それでいいんですか?美奈子さんの様な有能な人が家庭に収まるのは勿体無いですよ。」
若杉曹長は笑った。
「その笑みはキャリアウーマンであって欲しいって事?」
「まぁ、全ては四人も子供作らせたマサさんが、悪いんですけどね。」
「そうね。彼にはたっぷり責任をとってもらわなくちゃ。毎日大変だしね。」
「お子さんが成長したら、民間企業で働くのも悪くないですよ。」
「仁くん、ありがとう。でも褒めすぎよ。」
「二人が海軍を辞めても、仲良くさせて下さいよ。友達少ないし。」
「そうね。でも仁くんはお嫁さんを探さなくちゃね。出世も大事だけど。」
「給養員配置で尉官になったマサさんは、本当にLEGENDですよ。俺は良いとこ今の位置が限界かな。」
「仁くん、それは分からないわよ。でも今日はありがとう。また明日。」
美奈子は家を専守防衛する決意が固い様であった。その能力は惜しまれつつも、家族を守るだけで、実際は精一杯であった。




