表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/98

山島田正宗流 トマトチキンカレー作りの秘伝 その③カレーのルー

 ~秘伝その③カレーのルー~

 仕上げの三点目として、カレーのルーを調合しなければならない。これだけは、正宗が若杉1曹に紙に書いて渡した。その紙にはこれでもかとスパイスの量や名前が、書かれていた。

 使うカレーのルーの仕入れ先も、A社はどうで、B社はこうだ。C社はああだ。という具合に納入先の業者の違いについても書かれていた。

 「覚えられません。」

 「俺だって完コピ出来てた訳じゃねぇ。スパイス表を見てその日毎に決定していた。」

 「これが一番大変じゃないですか?」

 「たかが海軍カレーだとは言わせないクオリティの物は出してたつもりだ。」

 「たかが海軍カレーだと思ってました。」

 「給養員長になるつもり(というか正宗の後釜は若杉1曹)なら、プライドを持って事に臨め。」

 「自分の仕事にはプライドを持っているつもりです。」

 「お前はこれから給養員長になるんだから。森滝1佐には俺の方から推薦しておいた。」

 「そうなんですか?!」

 「じゃなければ、トマトチキンカレー作りにこんなに時間割かねぇだろ。」

 「まぁ、そりゃそうですよね。」

 「艦長(もりたきいっさ)から、直々に命令されたからな。」

 「去る前に揉んで欲しい胡瓜があるって。」

 「俺は胡瓜ですか?」

 「ものの例えだよ。」

 「でもどうして俺なんですか?」

 「さぁな。分からないが、お前も人の上に立つ以上責任を持って事に臨まなくてはならない。」

 「荷が重いです。」

 「良いか若杉1曹、誰かがやってくれるなんて甘えは捨てろ。日本海軍の下士官なら、銃を持っているだけが軍人じゃねぇ事くらい分かるだろ。飯を食わせる銃を持たない兵士だって、正統に評価されるべきだ。」

 「俺しかいないんですもんね?」

 「護衛艦うみゆきの新給養員長は若杉1曹だ。」

 「いつかは誰かが、やらなければならない仕事をやれる。それが出来て初めてスタートラインに立つんだ。包丁を握ったら、歩兵が銃を構えるのと同じと思え。敵は新鮮な食材。調理場は戦場。そう、俺達は闘っているんだ。」

 「上手いこと言いますね。」

 「明日の飯の為にキツイ訓練に耐える兵隊もいるんだぞ。それを忘れるな。」

 若杉1曹は、正宗の言葉を噛み締めるように聞いていた。正宗の語る、給養員長としての心構えはいつ聞いても、心に染み渡るものであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ