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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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日米平和軍事交流

 日米平和軍事交流は、毎年行われている。だが、今年は中国との戦争があった為、いつもの時期とはずらされて、行われていた。

 平和軍事交流は、世の中を平和にする為に、軍事力がどんな役割を果たせば良いのかを、日米の海軍現役士官らが、戦略的に研究するものである。

 毎年米国のアナポリスにある海軍大学校で行われる講演の後に夕食会が行われる。日本からは、海上自衛隊の士官(3尉~1佐)が30名程度招待される。そのメンバーに山島田3尉が選ばれた。彼は下士官からの叩き上げで、防大出のエリートではないことは、以前にも書いた。

 派遣される士官の中では一番階級が低いが、だからと言って、雑用をさせられる訳ではない。10名程の下士官が、雑用をやってくれるからだ。その10名の中に若杉1曹が選ばれていた。美奈子も行くはずだったが、小さな子供を二人ぼっちには出来ない為、代わりに若杉1曹が選ばれた。

 アメリカへは、艦船ではなく民間航空機で行く。(まぁ、それも時間を考えれば無理もないが。)山島田は、海自時代に何度か世話役で行ったことはあったが、士官として行くのは初めてであった。他の士官全員が、船乗りであったのに対して、自分だけが給養員であることが彼を心理的に孤立させたが、そんな事は日本海軍上層部も、アメリカ海軍上層部も承知の上であった。

 コックをメンバーにいれておくとは、何か理由があるのかと薄々感じていたものの、黙ってつまらない講演を聞いていた訳である。

 以前参加していた給養員にも話は聞いていたが、今回はそれとは少し趣きが違う様であった。平和軍事交流とは、名ばかりで本当に真面目に講演するのは約2時間。あとは、昼食会やティータイムやらで、貴族の遊びの様な感じがした。日本海軍の士官以外からも、日本の防衛省の背広組や、アメリカ国防総省の高官なども、招待されていた。

 その話の中で、日本海軍の兵士はどんな飯を食っているのかという話になり、今回の日米平和軍事交流のメンバーの中に日本海軍随一のコックがいるという話になった。

 山島田はあっという間に話題の中心に持って行かれた。苦手な英会話は彼に相当なストレスを与えたが、話は米国側高官の思い通りになっていった。

 いつもいつも米国海軍のシェフでは面白味がない。だからたまには日本海軍からもシェフを出せ。そう言わんばかりの米海軍のミルウォーツ少将の提案もあって、夕食会は日本側が担当する事になり、山島田3尉に白羽の矢が立ったのであった。

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