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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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防衛出動

 「お前が何かをしでかした事が問題無いんじゃない。この後どうリカバリーするかが大事なんだよ。」

 山島田は必死で、寺倉三曹に訴えかけた。

 「お説教なら、もう森滝一佐から嫌と言うほど受けました。だから、結構です。」

 山島田の想いは届かなかった。すると、艦長室から足音が聞こえた。

 「山島田三尉。そっとしておいてやれ。」

 森滝一佐の声だった。

 「少し絞りすぎたかな?」

 「いえ。寺倉三曹は、あのくらいの事でへこむ奴じゃありませんよ。」

 二人は笑っていた。次の日何事もなかったかの様に「おはようございます。」と寺倉三曹に挨拶を返そうとした時、思わず目を疑ってしまった。

 「おはよう。というか、どうしたその髪は?」

 「気合いの証です。」

 それは寺倉三曹が、反省の意味を込めた丸刈りだった。

 「自分の彼女が丸刈りってなかなかないぜ。」

 山島田は笑っていた。

 「文句あります?何なら別れても良いんですけど。」

 寺倉三曹は、怒っていた。寺倉三曹が丸刈りにした事は、すぐにうみゆき艦内で話題になった。

ただ、そんな寺倉三曹を悪く言う者も、少なからずいた。

 「あいつは確信犯だ。」

 といった内容がほとんどであった。そう言う悪口は下士官を中心に行われた。そんな下っ端の意見を他所に、士官からは評判が良かった。さっぱりしている寺倉三曹の様な人間も数多くいた。戦場ならば次はない。その想いが彼女の成長を早めて行く事になる。そんな彼女に最早慰めの言葉は要らなかった。

 金曜日が来る頃には、

 「トマトチキンカレー大盛りで!」

 といつもの元気な文句を言うようになっていた。山島田のトマトチキンカレーの味噌は、新鮮なトマトをピューレ状にしたものを加える事によって、辛さを抑え、コクを重視した一品になっている事であった。使うチキンも、ヘルシーなモモ肉を使う事で、カロリーを抑えつつボリューミーなものにして、体重が気になる女性自衛官にとっては嬉しいポイントだった。

 「今日も飯うまいな。」

 そう言ってくれるから、明日も頑張れる。それが給養員という職種のやりがいであった。

 だが、そんな平和な時は長く続かなかった。数年前からの懸念事案であった、尖閣諸島に海上民兵ならぬ「漁民」(武装した民兵)が、尖閣諸島に上陸して何かを建設していた。というニュースが海上自衛隊佐世保基地所属護衛艦さわだから入ってきた。

 こういう情報は永田町よりも現場にいる部隊の方が情報は早い。ロケットランチャーや、機関銃を所持しており、海上保安庁から応援を頼まれていた。

 この中国による一連の動きに、日本政府は、重い腰をあげて、声をあげた。全自衛隊に対して、自衛隊創設依頼初の防衛出動を発令して、山島田が所属する海上自衛隊には海上警備行動が発令された。

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