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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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大失態

 海上自衛官の制服姿は、自衛隊嫌いの国民でも受けが良く、ちょっとしたヒーロー並みの騒がれ方をするので、乗員にとって護衛艦うみゆきの公開は、嫌な事ではなかった。

 こういう時こそ、日陰者の給養員もチヤホヤされるチャンスなのだが、食堂は衛生上の都合から公開されない。代わりに給養員は全員一日丸ごと休暇をもらえる。

 若杉一曹はぼやいた。

 「どうして俺らっていつもこうなんですか?」

 山島田はこう説得した。

 「本当に価値の分かる奴にしか俺達(給養員)の価値は分からないよ。そんな事は俺達が、どうあがいても、何も変わらない。そんな事に頭を使ってる暇があるなら、手を動かせ。」

 非番だったにも関わらず、若杉一曹は港に来ていて、案内をする寺倉三曹がやけに輝いて見えた。それを見た瞬間悟った。

 「マサさんも、偉そうな事言っておいて、隅に置けないよな。でも俺達は縁の下で輝きを放っていれば良いか。」

 ほんの10~15分くらいの出来事だったが、基地の宿舎に戻った。任務の都合上一日しか開かれなかった公開海上自衛艦のイベントは大盛況のうちに幕を閉じた。事件はそんな秋の過ごしやすい日に起きた。

 「バカヤロー!」

 護衛艦うみゆきの艦内に、森滝竜彦一佐(艦長)の怒号がこだましていた。怒られていたのは、寺倉美奈子三曹であった。

 何故怒られたのかを話すと、公開していた案内役のの任務をしていた時、目を離した隙に中学二年生の男子二名を立ち入り禁止エリアである戦闘指揮所(CIC)に入れてしまったというものであった。

 ここは、一般人はおろか、自衛官であっても許可なく入る事は出来ない場所であり、機密の塊とも言える場所であった。普段、滅多に怒鳴らない森滝一佐のお怒りも、ごもっともであった。決まりきった説教を永遠と聞かされる寺倉三曹は、少し可哀想であった。期待の大きいWAVE(女性海上自衛官)だけに、その絞られ方は並大抵のものではなかった。

 「たるんどるぞ!寺倉三曹。今回は二名の男子中学生も反省している様だし、日本人だから良かったものの、これが外国人だったり、敵戦闘員だったら、無罪では済まされないぞ。今回の事は海幕(うえ)には上げないが、もう、次はないぞ。」

 そういうと、寺倉三曹は肩を落として、艦長室を後にした。その近くで待っていたのは、山島田であった。

 「おい、どうした湿気た面して?」

 山島田にはおおよその事は理解出来ていた。

 「茶化さないで下さい。」

 寺倉三曹は、少し泣いていた。

 「詳しくは聞かないけど、まぁ、誰にでもミスや失敗はあるよ。だから、気にするなよ。」

 「慰めになってないんですけど。嗚呼、最悪。」

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