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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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ベストフレンド

 若杉一曹は、横須賀基地に着いてから、真っ先に酒を飲んだ。大の酒好きである若杉一曹が、航海中は禁酒である酒を浴びる様になる程、飲んだ。つまみなど見向きもせずに。

 人間、禁じられていた物を解放されていた時程、そのありがたみや、快感を味わえるものだとしみじみ思っていた。

 明日は、非番の土曜日である事は救いだった。

 寺倉三曹は、真っ先に風呂に入った。うみゆきの簡易シャワーだけでは、年頃の女性にはストレスが、たまる。真水を沸かしたお湯にザブンとつかる。海水を湧かして作られた水とは何かが違うのだ。一ヶ月ぶりの横須賀の風呂は最高の贅沢だった。

 その頃、山島田は夕食会で出された各国のメニューが殴り書きされたメモ用紙を、ノートに清書していた。その数は100を有に越えるもので、山島田にとってはリムパック演習は、もっと長く続いて欲しいものであった。

 どこまで行っても、山島田には、料理の事が頭の中を離れなかった。

 休日は快速列車のように過ぎ去り、そしてまた、月曜日からいつもの日常が始まって行った。

 海上自衛隊横須賀地方隊所属のうみゆきにとって、東京湾は庭先だった。だが、基本的に海上自衛隊が、東京湾の警備をする事はない。

 なぜならば、警備やパトロールは警察権限のある海上保安庁の仕事だからである。

 海上自衛隊は、横須賀基地や各地方隊(大湊、舞鶴、呉、佐世保、横須賀)にある艦船が有事に備えて、出港する準備や実際に海上展開し、日本の国防にあたる。

 防衛庁の時代から数えても、海上自衛隊が東京湾で有事に対応した事は、一度もなかった。

 やはり、同盟国アメリカの存在が、大きかった。日本は島国であるが、北方にはロシア、西方には中国や朝鮮半島がある。そんな情勢下の中で、アメリカと同盟国になった事は、敗戦国日本の最良の選択肢であった。

 日本側の思惑とは別に、アメリカも日本を必要としている下地はあった。それが、沖縄地方であり、岩国であり、三沢などのアメリカ海軍や空軍海兵隊の配置に表れている。

 世界一の軍事大国と同盟を組むためには、世界トップレベルの経済力と、工業力を持つ、日本はパートナーとして、これ以上ないベストフレンドであった。

 横須賀にいると、普通にアメリカ兵に会う機会もあるし、イヤでも交流事業の一貫として、日米の軍事交流は、行われるのであった。

 今でこそ仲良くしている日米であるが、こういう行事は政局によって左右される、という事も現場レベルでは常識だった。それでも、現場レベルでは同盟国として、揺るぎない信頼を共有していた事は確かだ。

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