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カレーなるNAVY ~7日に一度のお楽しみ~  作者: 佐久間五十六


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非エリート

 自衛隊におけるエリートとは、防衛大学校又は防衛医科大学校を卒業している、者の事を指す。一部例外(航空学生や自衛隊生徒)を除くと、非エリートである事は、一目瞭然なのである。

 だが、自衛隊という組織は警察等とは違い、非エリートでも、努力次第で上に行ける人もいる。部内での立ち回りや、幹候試験(部内幹部候補生試験)にスムーズにパスした優秀なノンキャリが極稀に表れる。

 官庁内でも、キャリア・ノンキャリアによって、待遇は天と地ほど違う。

 分かりやすく、うみゆき内部で説明すると、艦長の森滝一佐や航海長の角杉三佐が防衛大学校出のエリートであり、山島田や、若杉一曹や寺倉三曹が、非エリートの下士官にあたる。

 もっとも、山島田は三尉だから初任士官にあたる。この階級は、下から這い上がってこれる最高位とも言われる。

 そして、酷い事に、防衛大学校出のエリートは、三尉から自衛官としてのキャリアを積み上げる事になる。

 オーストラリア沖での演習は、対中国を意識したかなり本格的なものであったが、山島田や、若杉一曹ら給養員にとって、格闘するのは、見慣れないオーストラリアの食材であり、模擬ミサイルや航空機ではなかった。

 演習後、オーストラリア・ダーウィン港に帰投した後は、毎日のように夕食会が開かれ、うみゆきの給養員も、それを手伝わされた。

 日本が、担当国の時は山島田が責任者として、厨房の一切を任されていた。日本以外には、アメリカやホスト国のオーストラリア、インド、イギリスなど、上げたらきりがないほど沢山の国が、この演習に参加していた。

 各国の給養員(調理員)は、国の威信をかけて料理を作る。だから、夕食会は意味もなく豪華絢爛なものになっていた。

 山島田ら、日本の海上自衛隊の威信をかけて作られた、和風のテイストをした調理はかなり評判が、良かった。

 逆にホスト国のオーストラリアの料理は、あまり評判が、良くなかった。こういうところでの、評判は、政局にも影響力を持つため、気の抜けない日々が続いた。

 演習は約一カ月程で終了し、母港横須賀基地にうみゆきは、帰投した。この間、トマトチキンカレーを三度程、うみゆき乗員に向けて作られ、うみゆき乗員は、久しぶりに山島田のカレーを口にした。

 一ヶ月ぶりの横須賀基地への帰投に若杉一曹や寺倉三曹といった、海外遠征初体験の二人は、疲労困憊のようだったが、往々にして楽しめたようである。

 それと同時に対中国を意識した各国の情勢に、少し驚きもあったようである。狭い艦の中で窮屈な毎日であった方が、地上に足をつけるとそういった感情から解放されるようであった。

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