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一話。チュートリアルするけどクリアできないって話①

作者の書いてるセルフストーリーオンラインのアナザーストーリー的な話です。息抜きがてら書いてるので適当です。本編も適当? ぐうの音も出ませんね。


 『仮想世界【セルフストーリーオンライン】にようこそ』


 何もない真っ白な世界の中に、まるで音声読み上げソフトの合成音声のような声が響くきます。驚いて目を丸くしますが、声は出ません。まだアバター作成とやらが済んでいないからでしょうか?

 あ、申し遅れました。私、小鳥遊由美と言います。下手の横好きですが、ゲームが好きな高校生です。

 VRゲームなんて初めてで、まるで小説の中の1登場人物になったような気がして今からとっても楽しみです。それにしてもいつの間に懸賞なんて応募していたのでしょうか? まさか母が私名義でこっそりと? グッジョブです。


『まずは本ゲームのハードの使い方を説明したいと思います。まずこのゲーム機はVRMMOではありますが、ソードがアートするあのライトノベルや無双系骸骨のギルドマスターが主人公のあの作品のような完全に没入型のVRMMOではありません“でした”。元々は、生体電流感知式義手技術や医療技術、をヒントに開発された、視覚と聴覚だけのVRゲーム。言わば半没入型VRMMOでした。しかし、これまでのプレイヤー達からサンプリングした音声データや、日々向上させ続けた脳波測定機能と生体電気からくる身体動作の予測により、この度遂に完全没入型五感式VRMMOまで昇華したのです』


 おー。つまり並々ならぬ日々の研鑽によってここまで来たと。関心の声があげられないので拍手で気持ちを表そうとしますがそれもできません。そういえば、まだ身体すらありませんでした。

 仕方がないので尊敬の念を送ります。伝われ! 私の思い!


『それでは最初にアバターの作成から始めます。表示される画面に従って作成してください』


 私の思いは伝わらなかったようです。いえ、お仕事中のようですし、私語は慎むべきですよね。

 表示された画面には、空白の欄がいくつかと鏡に映る現実の自分の姿。なる程。アバター作成。

 身体の方は余り現実と違いすぎると操作しづらいのが小説あるあるなので、全くそのままで。名前は……苗字を捩って【ヒナ】で行きましょう。種族は……そうですね。スタンダードにヒューマンで。下手に凝りすぎると私のプレイヤースキル(腕前)ではすぐに終わってしまいますし。


『それでは次に、動作の確認をいたします。ゲーム内の行動はほぼすべてこの脳の思考によって左右されます。慣れてくると脳の思考のみでよりスムーズにアバターを動かすことが出来るようになります。試しに右腕を前に出し、グーとパーを繰り返してください。………問題を確認しました。タイムラグがコンマ9秒以上に発生しています。微調整中です。しばらくお待ちください』


 おや? なにやら問題が発生したようです。一体何事でしょうか? 私の中では普通に動けていたと思うのですが……。


『微調整が終了しました。もう一度、右腕を前に出し、グーとパーを繰り返してください。………問題発生、タイムラグがコンマ9秒以上から変化在りません。微調整の再試行……問題の改善に繋がりません。問題の原因を検証中です。しばらくお待ちください』


 なんだか段々不安になってきます。もしかして機械の動作不良とかでしょうか? ゲームが出来なくなるとすれば、それは少し残念です。


『問題が確認されました。誠に残念ですが、プレイヤー【ヒナ】様が体質的にVR適正率が極めて低い事が分かりました。緊急措置として、特別チュートリアルを開始します』

「あー、なるほど。精密機械ですからどうしても人との相性も出てきてしまうんですね。確かにスマホを使うときでもちゃんとタッチしても動作してくれないときありますし……確かに適正が低いのかも。体質なら仕方ないですね。よろしくお願いします」


 私がそう言うやいなや、場所が変わって洞窟の中になりました。目の前にはジェル状の青い生き物が。スライムですね分かります。周囲を確認してみると、左右に剣や槍、弓、盾と言った多種多様な武器が並んでいます。代わり所で言えばチャクラムや、フンガ・ムンガまであります。え? なんで知っているか? 知識はゲーマーのたしなみですよ。

 

『チュートリアルモードですので、スライムのレベルは弱めに。プレイヤー【ヒナ】のレベルは高めに設定されています。まずはスタイムを倒してみてください』

「頑張ります!」


 つまり最初だけ俺ツエーができる系のチュートリアルですね! ゲーマー的にあるあるです。いつも通り頑張りましょう! 


 まずはスタンダードにロングソードを手に取ります。うっ……結構重いですね。流石はVR。重さまで再現されているとは。


 では、大きく振り上げて、スライムに振り下ろします!

 

 ・ヒナの攻撃! しかし攻撃は避けられてしまった! 


 ・剣が地面に刺さってヒナは動くことが出来ない! 


 ぬ、抜けません! 慌てて引っ張ってもびくともしないんですけど!? あ、スライムさん待って! タイム、タイムですよ!


 ・スライムの攻撃! ヒナは思わず倒れてしまった! 


 ・ダウンしたヒナにスライムの追撃が襲う!


 あ、あー! 待ってください! 馬乗りになって攻撃なんてズルいですよ! マウント取られたら何もできません! 

 見る見るうちにHPが減っていき、ついには0になってしまいました……あれ? なんだかHPとは違うゲージが出てきました。


『それはライフポイント(LP)です。攻撃を受けられる許容量を表すヒットポイントと異なり、LPは貴女のアバターの命そのものです。0になるとアバターが消滅してしまうので注意してください』

 

 キャラクターが消えてしまうシステムもあるんですか!? 思ったよりもハードモードです! でも、スライムからマウントをとられたままなのでどんどんそのLPも減っていってしまっているのですが……あ。

 スライムと私の位置が最初の位置に戻されました。


『LPの減少が一定値を超えたので、初期位置に戻します。双方のレベルを再調整……終了。では、もう一度挑戦してください』


 どうやら、天の声さん(仮名)が助けてくれたようです。心の中で感謝をしつつ、もう一度スライムに挑みます。次は槍です! 


 ふふふ。実は剣よりもこっちの方が本命です。読んでいる戦闘物の漫画や小説などによると、槍はリーチが長く、初心者でも戦いやすいらしいのです。つまり、剣は無理でもこれなら何とかなるはずです。

 では、参ります!


 ・ルナの渾身の突き攻撃! しかし攻撃は大きく外れている! 勢いに負けてルナは転んでしまった! 


 ・スライムの攻撃! ルナはマウントをとられてしまった! スライムの攻撃! スライムの攻撃! スライムの攻撃! 


 あ、あ、あー! HPが! 私のHPがどんどん減っていきます! というか抜け出せません! スライムさん強すぎです!

 

 HPが0になり、LPがまたもや半分を切りそうになった所で初期位置に戻されました。ありがとうございます天の声(仮名)様!


『………LPが一定値を下回ったため、初期位置に戻します。スライムのレベルを最小値に、プレイヤー【ヒナ】のHPを無限に再設定し、各ステータスを軒並み上昇させます。それでは、もう一度挑戦してみてください』 


 何度もお手数かけます。しかも、HPも無限にして貰ってしまって……。でも今度は大丈夫です!


 私の様なへたっぴでも戦える武器。そう! 盾! 小説などで見かける防御に極振りで亀戦法! これなら、へたっぴの私にも時間をかければ勝機があります!


 盾の中から大盾を持って……重い。ちょ、大盾ってこんなに重いんですか? 筋力系のステータスをもう少し高くしてもらえたりは……あ、軽くなりました。ありがとうございます!

 では、逝きます!


・ルナのシールドバッシュ! しかし攻撃は大きく外れてしまった!


・ルナは壁に激突してしまった! ルナはこんらんしている!


・スライムの攻撃! バックアタックで大ダメージ! バックアタックで大ダメージ! バックアタックで大ダメージ! バックアタックで大ダメージ! 


・ルナはダウンしてしまった! スライムはマウントをとった!


・スライムの攻撃! スライムの攻撃! スライムの攻撃! スライムの攻撃! スライムの攻撃! スライムの攻撃!________





~十分後~


『ふざけているのですか?』



 いたって真面目に戦っていますが?




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