紅葉生誕祭
今日は星花女子プロジェクト第1弾で私が提出してお嫁にいきました城咲紅葉ちゃんのお誕生日です! が、誕生日も季節も関係ないお話です←
小さい頃から想像することが好きで、気付いたら自分で物語を書いていた。
別に小説家になりたいとか、そういう事は考えてないけど、ただ楽しくて。
でもしばらく創作はあまりしていなかった。こうしてずっと机に向かっているのは久しぶりな気がする。
夏休み、この1週間は実家に帰省していて、恋人であるお姉さまとかおりの2人に会っていない。
両親に学校の話をしながらドライブを楽しんだり、親戚の集まりに参加したりと充実していたけど……。
(お姉さまとかおりは、今何をしてるのかしら)
明日は寮に戻って、2人にやっと会える。会えなかった1週間、結局寂しくて我慢が出来ず、夜は通話していた。いつの間にか3人で当たり前になっていたんだ。
「くれはちゃん、ご飯よ」
母が呼びに来たので、鉛筆を置いて部屋を出る。今日も後で電話しよう。
「もう帰っちゃうのね。あっという間だったわ」
「最近連絡くれなくてパパたち寂しかったんだからな! 電話も家に帰ってくるのも、いつでもいいんだぞ!」
「そうよぉ。楽しくやってるのは分かってるんだけどね」
最初の頃は、両親と毎晩のように電話してた。でもお姉さまとかおりと付き合うようになってからは特に、回数が減っていた。
過保護な両親から離れる為の寮生活だったのに、不安になってよく電話していて。だけど、学校や寮生活に慣れて友達が増えるごとにそれらは薄れていって、毎日が楽しくなって。
「ちょっと見ない間に、お姉さんになったわね、紅葉」
「ああ、本当に」
それはきっと、2人のおかげ。自分に少しだけ自信を持てるようになったから。
「いつも一緒にいてくれる人がいるからだよ」
そう言うとパパとママは少し驚いたような顔をしていた。
……早くお姉さまとかおりに会いたい。
「お姉さま! かおり!」
早く会いたくて、荷物を持ったまま足早に自室ではなく高等部の寮に向かう。扉を開けると既にかおりとお姉さまがハグしていた。開ける時に感じた重みの正体は、かおりが私と同じようにして抱えてきた荷物だ。
「くれはちゃんー! さびしかったよぉ〜」
ぱたぱたと駆け寄ってきたかおりを受け止めて、チュッとキスする。
「私も……」
「全く二人とも、大げさだよ? 帰る前にもあんなに泣いてたし、結局毎日電話してたじゃない」
お姉さまは呆れながらも嬉しそうだった。
「かなみちゃんは寂しくなかった?」
「私、毎日電話しててもさびしかったです」
2人でお姉さまにぎゅうっと抱きつく。1週間がこんなに長く感じるなんて思いもしなかった。久しぶりの温もりに、心もぽかぽかする。
「可愛いなあ、もう。1週間会ってなかったんだし、普通なら何してたのって聞くところなんだろうけど……」
毎日電話してたから、お互い何をして過ごしてたのかはもう知っている。
「まだ時間早いかもしれないけど……ね?」
微笑むお姉さまの意図を察して、かおりと顔を見合わせクスッと笑う。
それから2人でお姉さまの頬にキスした。
この夏休みも、この夜も。
まだまだ長い。
3人で過ごす幸せな時間はもっともっと長く、続いていく。