5話 レーゼルの洞窟へ
いるかな? と思いながら、ゆっくりと扉を開ける。
「デューイ様。こんにちは」
紫の瞳の女の子と目が合って、だらしなく緩みそうになる頬を慌てて引き締める。
「兄様はまだですよー」
ミラはそう言いながら、どこから持ってきたのかさっぱりわからない紅茶のポットから紅茶を入れてくれた。ありがとうございますと受け取って、真正面の席で何もしていないのも不自然なので、意識して話しかける。
「ミラは、2回生だったよな?」
「はい」
俺より一つ下だ。
「あれ? センパイは?」
「兄様は学術学院の4回生です」
俺より一つ上か。
「二人の家は……」
「ここから馬車で10分ほどです」
俺たちはここ王都直轄地の出身だ。王都と言っても結構広い上に、俺の家は馬車なんてもっていないから、俺は寮生活をさせてもらっている。
「毎朝一緒に来ているのか?」
「いえ違います」
そう言ったミラの顔が少し寂しそうで、あれっと思っていたときにセンパイがやってきた。
「ミラ、今日も来ていたのか」
「はい」
呆れ顔のセンパイに反して、ミラはにっこりと嬉しそうだ。
「ミラ、ちょうどいい。これを試してみてくれ」
センパイがカバンから出したものをひょいとミラに渡す。ミラは反射的にそれを受け取ってから、中を開いて目を丸くしていた。
「それは昨日の夜に作った」
「わかってはいても、驚くものですね」
ミラはそうため息をついてから、立ち上がった。
「兄様、行きます」
「頼む」
ミラが左手にスクロールを持って、軽く息をすってから、魔法を発動するためにスクロールに魔素を送る。昨日よりは、魔方陣は光っている。だけどすぐに力尽きたかのように、光は止んだ。
「石をかなり多めに入れてみたのだが、だめか」
センパイはあまり凹んではいない様子でそう言ってから、こちらを向いた。
「デューイもやってみてくれ」
ミラからスクロールを受け取って、左手から力を送る。俺の方は、昨日よりも魔方陣が生成されるスピードは速くなったが、相変わらずいつものように魔方陣が弾けて消えた。
「デューイはいつも通りか」
そうつぶやいて、考え込んでいるセンパイをミラと一緒に見つめる。
しばらくしてからセンパイが顔を上げた。
「ミラとデューイの違いが何から来ているのかはわからないが、デューイの失敗の現象は本物のスクロールを使った場合と同じだ。先にそちらの原因解明に行こう」
センパイが、ミラの方にむき直して、まっすぐミラを見つめる。
「ミラ。手伝って欲しい」
「何をでしょうか?」
センパイは自分から頼んだくせに、うーんと考え込んでいた。
「……まぁ、あそこしか心当たりはないな。ミラ、ちょっと旅行に行こう。今週末は空いているか?」
ミラはセンパイの言葉にしばらく固まってから、少し裏返った声を上げる。
「あっ、はい! もちろんです!」
ミラはセンパイをまっすぐ見つめて、笑顔で何度も、はい大丈夫ですと答えている。
「デューイも大丈夫か」
センパイはそう言って、こちらを見た。俺はセンパイに「あぁ、うん」と答えながら、ミラの方をちらりと見ると、ミラは両手をぎゅっと握りしめて、シュンと明らかに落胆していた。
俺は――どこからどう見ても、『邪魔者』だった。
いや、昨日一日だけで、何となくわかってはいたが……どういうことだ。
センパイはミラの様子なんて気づきもしないで、俺の言葉に「良かった。頼む」と喜んでいた。
今、この場で問い詰めるわけにもいかないし、そもそもこれは何の話だろう。
「センパイ、えっと何しに行くんだ?」
センパイは、そうだったと頷いてから口を開いた。
「デューイの魔法が失敗するのは、毎回同じ点だ。それがどういう意味なのか知るために、正しい魔法の発動方法――つまりはミラに魔方陣の生成を何度も見せてもらいたい。だが、我が家で所有するスクロールはどれも超攻撃型魔法で、そんなことをするのには危険すぎる」
センパイはそう言って、カバンの中から無造作にスクロールを取りだした。ミラはセンパイの手元のそれを見上げて、ぽかんと口を開けている。
あのスクロールはきっと先日俺が何度も魔方陣の生成を試したスクロールだ。超攻撃型魔法か――魔法の発動しない俺で良かったと、自分で考えて悲しくなってきた。
「発動しても危険のないスクロールを使いたい。と、言うことで、レーゼルの洞窟に行く」
レーゼルの洞窟――確か教科書で習った。
「水の魔法の石板があるところだよな?」
「そうだ。色々考えてみたが、あれくらいしか思い当たるものがない」
レーゼルの洞窟はここから近くはないし、安全な場所でもない。他に何か方法がないかと考えたが、俺がぱっと思いつくわけがない。
「他の貴族に『魔法のスクロール貸してください』って言えたらいいのにな」
学院でさえ、授業の時間以外は魔法のスクロールは厳重に管理していて貸してくれはしない。他の貴族なんて――まぁ考えるまでもなく無理だ。
俺のつぶやきに、「そうできたらいいんだがな」とセンパイが力一杯頷いていた。
「兄様。あ、あの。さっきから出している、それはまさか――」
ミラは、震えながらセンパイが適当に握っているスクロールを見つめている。
「あぁ、我が家のだ。大丈夫、父上が気づく前に戻す」
笑顔でそう言ったセンパイに、ふらりとよろめいたミラを、俺は慌てて支えて椅子に座らせた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日は念入りに刃を研いで、刃物の輝きを確かめる。
「こんなもんか」
顔を上げると、ちょうど寮の入口近くの空き地で刃物を研いでいた俺を、下級生がこちらを何度もちらちらと見ながら大きく迂回して寮に入るのが見えた。まるで珍獣の気分だ。調子に乗って脅かそうものなら、本気で気を失って倒れる恐れがあるので、下級生が通り過ぎるのを十分に待ってから立ち上がる。
予備の短剣もしっかりと研いで、背中側に装備した。
「よし、行くか」
軽くしばった荷物を右肩に背負って、センパイと待ち合わせている場所に向かった。
待ち合わせ場所に向かうと、センパイとミラと、護衛と見られる女性がいた。
「デューイ、こっちはミラの護衛のサライだ」
「オスター殿。サライです」
頭を下げた剣士の女性に、俺もしっかりと名乗ってから頭を下げる。
「センパイ。護衛は一人?」
この女性はミラの護衛と言っていたから俺はセンパイを守ればいいのだろうかと思っていると、
「いや、別に雇った」
センパイはそう言って、静かに通りの向こうを見つめていた。
しばらく4人で、並んで待っていると、向こうから一人の男性が走ってきた。
「いやぁ、すみません」
そう言って、軽い様子で頭を撫でている。もっと屈強そうな人かと思ったが、若い男性だ。俺の兄貴と同じくらいの歳だろうか。
「リッター。今日はよろしく頼む」
センパイの言葉に、「ご丁寧にどうも。こちらもよろしくお願いしますー」と軽い調子で返していて、サライさんに酷く睨まれていた。
少し狭いが、全員で馬車に乗り込む。
「今から、4時間ほどです。お嬢様、お坊ちゃま、疲れたらすぐに言ってください」
サライさんの言葉に、二人は窓の外を見ながら適当にはいと返事をしていた。
「君も、護衛?」
俺の隣のリッターさんがこちらを向いて話しかけてくる。仕方ないかもしれないが、男3人が横に並んだこちら側はきつきつだ。
「まぁ、そんなもんです」
そう言った俺に、「友人だ」というセンパイの言葉が被さる。
「自分の身は自分で守るので、俺のことは護衛しなくて平気です」
「オスター殿は、騎士家のご出身です」
サライさんの補足する言葉に、「はぁ、騎士様。今日はすごい人たちだ」とリッターさんはつぶやいていた。
この人は頼りになるのかと少し不安に思っていると、リッターさんが俺を見て笑っていた。
「こいつで大丈夫かって、今考えていただろう?」
「いえ、そんなことはありません」
慌ててそう取り繕ったか、あははと笑っているこの人には絶対にバレている。
「いやぁ、そりゃ俺よりも護衛っぽい、がたいのいいおっさんはたくさん居るよ? でも、そう言うおっさんが付いているといかにも護衛ですって、感じが出て危険なんだ。サライさんも、『お嬢様』なんて王都の外で使わない方がいい」
のほほんとそう言われて、サライさんは「しかし」と考え込んでいた。
「皆、俺のことはセンパイと、ミラのことはミラと呼ぶように」
センパイの声に、そこは『ロデリック』ではないのかと思いながら、頷いた。
時折、修行として遠征に出ることはあるが、大体徒歩か馬なので、馬車に長時間乗るのは初めてだ。がたがたと小刻みに揺れるので、お尻が痛い。
「お尻痛いね」
「そうですね」
リッターさんも慣れていないのか、ときどきそんな風に話しかけてくる。
「ミラちゃんも大丈夫?」
「私は平気です」とミラが返事をした横で、サライさんがキッとこちらを睨んでいた。「おぉ、怖い」とリッターさんがつぶやいている。聞こえてる、聞こえてるって。
「二人は魔術師なんだよね?」
リッターさんの言葉にミラと顔を合わせる。
「一応そうですが、俺は魔法は使えません」
リッターさんは俺の言葉に首を傾けてから、ミラを見た。
「ミラちゃんは?」
「私は使えますが、今日はスクロールを持ってきていないので使えません」
「持っていない? 貴族って、みんな持っているんじゃないの?」
「一人一枚あるのは、侯爵家以上だけです。多くの貴族は家に一枚か二枚ほどしか持っていません」
へぇーとリッターさんは頷いていた。
「ということは、魔法でのサポートはなし?」
「そうです。すみません」
なーんだ。少し残念と、リッターさんは残念がっていた。
「センパイさんは、学術……学院?」
「そうだ」
少し冷たく感じたその言葉に、リッターさんはこちらを向いた。
「学術学院って何? どう違うの?」
小声で俺にそう聞くリッターさんに、何と説明しようかと考えていると、センパイが答えた。
「授業内容は大きくは変わらない。ただ、魔法の授業がないのが学術学院だ。貴族であるにも関わらず魔法の使えないものや、大商人の子息などが多い」
「へぇ」
リッターさんがふむふむと頷いている。
ふと向かい側を見ると、ミラは何かを言いたそうな顔で、窓の外をぼんやりと眺めているセンパイを見つめていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
尻が痛い。だが、割れる前に目的地に到着した。
「お尻割れる前で良かったね」
のほほんとそう言うリッターさんを、サライさんがすごく睨んでいた。
伸びをしながら馬車から降りると、小さな村だった。
「ここから、洞窟までは徒歩です。少しこの村で休憩してから向かいます」
サライさんの言葉に、はーいと皆で力なく返事をする。本当はもっと休憩をしたいが、これから日が沈む前に洞窟に行って帰らなければならないので、弾丸旅行だ。
後ろを向いて、ちょうど馬車から降り立った二人の兄妹を見る。今日の二人は、旅行だと言うことで、庶民の服装で変装しているが――まったくの無意味だった。整った容貌に、立ち方からして品の良さが隠せていない。それに、付き従うのは珍しい女性の剣士だ。
「やっぱり目立つなぁ」
あははと笑っているこの人は、本当に役に立つのかと思いながら、俺は腰につるしている剣の感触を確かめた。
ほんの少しだけ休憩してから村を出た。レーゼルの洞窟に続く山道を歩きながら、時折後ろを振り返る。
「センパイ。肩貸そうか?」
「いや、いい……」
センパイは息も絶え絶えだ。センパイの荷物はもうすでにリッターさんが代わりに持っているから、もう何もない。しっかりと杖を突いて上っているミラに対して、センパイは見るからにぼろぼろだった。
「デューイ。ミラの方が体重が軽い。力のかかり方が――」
「センパイ。帰ったら運動しようぜ」
俺の言葉に、センパイはすごく嫌そうな顔をした。
「いつかジュウリョクを無効化する魔法を作ろう……」
センパイは、山道を必死に登りながら、苦し紛れに何度もそうつぶやいてた。ジュウリョクって何だと思いながら、足が止まるセンパイを後ろで待つ。
「着いた」
洞窟の入口でセンパイが前から倒れ込んだ。
「一旦、休みましょう」
俺から皆にそう提案すると、センパイは俺の肩を嬉しそうに叩いていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「行くか」
センパイが立ち上がったので、皆も立ち上がる。
「センパイ、大丈夫か?」
「早くしないと日が暮れる」
疲れた様子でそう答えて、センパイは足を引きずるように歩いている。
レーゼルの洞窟は『洞窟』と呼ばれているが、木の根の間にできた横穴のような場所だった。木の根と根の間のわずかな隙間から日の光が差し込み、火を点さなくても中は見える。木で舗装された階段を下がっていくと、すぐに行き止まりの大きな空間にたどり着いた。
自分の頭の上に木の根があって、日差しがちらちらと漏れている。そして、足元に小さな川ができている――不思議な場所だった。
「誰もいない」
観光地のようになっているのかと思っていたが、今日は誰も居なかった。外よりも温度が低く感じるこの空間で、大きく深呼吸をする。
「あそこだ。行こう」
センパイがそう言って、疲れはどこへ行ったのやら駆け足で行ってしまった。センパイのあとに、俺もついていく。
小さな川をジャンプで飛び越えてから、どこだろうと周囲をきょろきょろ探して、センパイの視線の先にあるものにやっと気がついた。朽ちかけた石板が、壁画のように壁に埋まっている。大きい。あんなに大きいとは思っていなかった。
一足先にたどり着いたセンパイが、大きく首を傾けて石板を見上げている。その横に、俺とミラが静かに立った。
「さぁ、やろう」
センパイは笑顔でミラを見つめて、ミラがこくんと頷いた。
「始めます」
ミラは石板に手を伸ばしてそう真面目に宣言してから、俺を振り返った。
「あの、これ、どうやって魔素を送れば良いのでしょうか……」
戸惑うその声に、石板を見上げる。確かにこの大きさだ。普段のように片手で持つなんてことはできない。
「ちょっと代わって。俺が先にやってみるよ」
魔法は発動しないが、魔方陣の生成方法を探るくらいは俺にだってできるだろう。
石板に向かって手を挙げたり、石板に触れて力を込める。何度か力を送ってみて、穴のような点を見つけた。
「たぶんここだ」
石板の左下の角。そこに片膝を突いて、両手で触れて軽く力を送る。
軽く力を入れただけなのに、思いの外魔素が絞り上げられて、石盤の前にくっきりと巨大な魔方陣が浮かび上がった。そして、いつものように弾けて消える。
「ミラ。ここだ」
俺の後ろに居たミラに、石板のこの部分に力を送るようにと指示をする。
「はい」
ミラはしっかり頷いて、俺と場所を替わるようにさっきまで俺がいた場所に、ちょこんと座った。
「では、始めます」
ミラの声に、ミラから視線を外して石板に向ける。魔方陣の外側のラインから、ゆっくりと光が伝わっていく。ゆっくり――そうゆっくりだ。あまりの遅さに、ミラを見ると、ミラは必死になって力を送っている様子だった。
センパイをちらりと見ると、センパイは瞬きもしないで、じっと魔方陣を見つめている。
一番外側のラインを光が埋めて、2段目に向かった。その2段目をゆっくりと埋めて、光は3段目に向かう。3段目に上がったあたりで、あれっと思うほど光が止まった。そしてせき止められていた光が溢れるように、突然光が3段、4段目と順に広がる。最後の5段にやっと到達したあと、中心まで光で埋まった魔方陣が石板を離れるように浮かび上がった。
センパイが浮かび上がった魔方陣に歩み出す。
センパイがゆっくりと伸ばした手が、輝く魔方陣に触れたとき――バシャンと魔方陣から水が溢れて、センパイは頭からびしょ濡れになった。
たき火の前で上の服を脱いで、用意周到に持ってきていたらしいタオルでわしゃわしゃと髪を拭いていたセンパイは、笑顔でミラのことを褒めていた。
「ミラ、よくやった。色々と分かった」
「はい」
ミラはそんな笑顔のセンパイの顔など見ずに、さっきからじっと地面だけを見つめている。センパイがミラの顔を心配そうにのぞき込んだ。
「ミラ、疲れたか?」
「魔素をたくさん使いましたが、しばらく休めば治ります」
ミラはいつもよりぶっきらぼうな口調でそう答えた。
少し赤い顔でセンパイから必死に背を向けるその様子から、俺にはミラが何に動揺していて、何を見ないようにしているのかがよく分かったが、上半身裸のセンパイは何も気がついていなかった。
「そうか、無理をするな。ミラ、ありがとう」
センパイはそう言って、タオルを肩にかけたままカバンから紙と筆を取り出して、「行ってくる」とだけ告げて、石板の前に向かった。
センパイは、石板の正面に立って、石板を見上げて紙に何かを書き込んでいる。そんなセンパイをミラは顔を上げて、遠目でじっと見つめていた。
「ミラちゃんは、お兄さんのことが好き……」
リッターさんの断定形の言葉に、ミラの顔が瞬時に赤く変わる。リッターさんはそんなミラを見て、何度も頷いていた。
「禁断の恋ってやつだ」
「ち、違います!」
ミラが突如上げた大声に、慌ててセンパイを見ると、センパイは石板を真剣に見上げていて、こちらになんてまったく気がついていない。センパイからミラに視線を戻す。
「違うって?」
「わ、私はアーチモンド家の養女です。その、私は兄様の許嫁というものでして……」
驚いて見ると、ミラは俯いて照れていた。ミラのその様子は――別に俺もあまり詳しくはないが――恋する少女だった。
「じゃあ、別に頑張らなくても、将来結婚するんだ」
リッターさんのその軽い言葉に、ミラは「どうでしょうか」と手元を見つめながら暗くつぶやいた。
「私はあくまで養女ですので……私が決めるわけではありません。それに、兄様は私のことをあまりそのような相手だとは見てくれなくて」
ミラが俺の方に視線を向けた。
「デューイ様。兄様は、私のことを何か言っていましたか……?」
不安げなミラを励ましてあげたいが、残念ながらそんな話はちらりとも出てきたことがない。
「ミラ、ごめん」
「そうですか……」
ミラの暗い声に慌てて補足する。
「いや、センパイはああいう人だから」
今だって、満面の笑みで石板を書き取っている。俺たちの間で魔法以外の話題は出てきたことがない。
ミラは、俺と同じようにセンパイをちらりと見たあと、俺の顔をじっと見た。
「ありがとうございます。デューイ様」
最後に優しく――寂しそうに笑われたお嬢様を見て、俺はこの方に尽くそう。それが騎士道だと、俺は誓った。