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ページ0 再開の時 

今回から気持ち新たに小説を書いていこうかと思いますので、どうか皆さんよろしくお願いします!多少(?)ギャルゲーのようになるかもしれませんが寛大な心で見守って下さると嬉しいです。

それではこれからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!

俺は4年ぶりに故郷に帰ることになった。俺自身こんなにも早く帰ることになるなんて思わなかったがまたこの地に帰れることはとても嬉しかった。

なんといってもここには大切な友人との思い出もあり、また家族との思い出も多く残る土地だからだ。


「さて、こんなもんでいいかな。」


住み慣れたマンションを片付け、真新しい制服に着替える。

今日からまた故郷で住むことになったので父親と暮らしていたここを出ることになった。ちなみに俺の父親は売れっ子の編集者でしょっちゅう海外に出張で出掛けることが多い。今回もその出張なのだが、どうやらいつもより長くなりそうだということで知り合いが多い故郷に帰ることになった。


「親父の心配性には困ったもんだ。・・・まあ、心配してくれるのは有り難いけどね。」


それでも父には感謝していた。男手一つで俺をここまで育ててくれたのだから。


「さて、とりあえず行きますか・・・・」


そして、俺は4年間過ごしたマンションを離れ新たに通う学校を目指す。









「・・・・・・・・・」


そこは、漫画や小説なんかに出てきそうなくらい巨大な学校だった。

日本のどこに、こんなデカく、規格はずれな場所があるんだよ、と思わずにはいられないほどこの学校は巨大だった。

今、彼が立っている門でさえ軽く7〜8メートルくらいの高さはありそうなほどの鉄門だ。ただ呆然と立ち尽くすしかできないでいた。


「へぇ〜、これは確かに凄いわ。パンフに書いてある通りだな・・・・まぁ、立ってもしょうがないからまずはここの学園長にあいさつしなきゃ」


驚きを隠せないもののとりあえずあいさつをしに行くことした。そう、まず何よりも挨拶が大切だといつも彼は思うのだ。





しかし、彷徨うこと10分・・・・・


「ここは〜どこだ?」


パンフレットを見ながら進むものの一向に学園長室に着けないでいた。

あまりにも広すぎる施設は迷路のように俺の行く手を遮る。しばし、俺はパンフレットとにらめっこしていると、


「そこの・・君、どうかしたの?」


女性が声をかけてくれた。振り向きその女性を見るとその人はやわらかい笑みを浮かべ俺を見てきた。

一瞬恥ずかしさで息が詰まりかけたがなんとか平常心を保ち訪ねることにした。


「あの、すいません。俺、学園長室に行きたいんですけど場所がわからなくて・・・・え〜学園長室はどちらでしょうか?」


「学園長室?それならすぐそこだよ。」


「え!?」


「ほら、後ろの扉に書いてあるよ。」


後ろを振り返ってみると・・・



    〜学園長室〜



「あっ!」


そこには確かにあった。どうやら運良く着いていたらしい。


「あ、あはははは、す、すいません。ありがとございます。」


「クスクス、いえいえ。」


くぅ〜なんかすごい恥ずかしい。こんなヘマするなんて、俺緊張してんのかな・・・?

彼は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。


「とりあえず入ろ?君も用事があるんでしょ?」


「は、はい。」


とりあえず気を取り直して扉をノックする。


−コンコン・・・


「はい、どぉぞ〜。」


中からすぐに返事が返ってきた

ネクタイと眼鏡を直し俺は扉を開けた。


「失礼します!」


中は広々としておりまるでアメリカ大統領なんかが使ってるであろう、机や椅子などが置いてあった。

先ほどの女性も一緒に中に入り二人で声の主を待つ。そして、クルリと椅子が動いた。

そこに座っていたのはなんと若い女性だった。

普通こういう場合って年とったじいさんとかだよなぁ、なんて思いながら挨拶をする。


「初めまして、し「あ〜椎名くんね?今日から来る事になってる。」


最後まで言えず遮られた。


「あ、はい。え〜椎名隆久しいなたかひさです。」



「うんうん。よろしい!」


「はい?」


ただ唖然としている俺にそのひとは更に近寄り、上から下まで見られた。

なんとも恥ずかしい気分になったが、女性は気にする様子もない。そして、


「うん、いいわ。私はこの学園の学園長を務めてる、天領寺遥てんりょうじはるかよ。よろしくね、椎名隆久君。」


「は、はい。」


俺は差し出された手を握り握手に応じる。

その手を遥は満足そうに見てにっこりと笑った。隆久も何となくぎこちないが笑顔になった。彼女は美人でその手を握っているだけで隆久は恥ずかしいのだがそこはグッとこらえる。


「そうそう、ついでに紹介しとくわ。さっきから後ろに彼女・・・」


そう言って遥は先程、隆久が会った女性を指した。


「貴方が入ることになってるクラスの担任の水木瑞穂みずきみずほ先生よ。担当教科は現国よ。」


「よろしくね、椎名くん。」


「はい、よろしくお願いします水木先生。」


「うん」


「はいはい、じゃあ瑞穂。後はよろしくね。」


「わかりました。・・・じゃあ、行こうか椎名くん。」


「はい、お願いします。」





長い廊下を隆久はキョロキョロしながら歩いていた。隆久が前いた学校とはまったく比べ物にならない程キレイで広く、またありえない感が漂っていた。


「ここは、金持ちが来る学校ですか?」


「ううん、別にそういうわけじゃないけど・・・う〜ん、学園長の趣味かな。」


「趣味・・ですか?」


「うん、彼女少し変わってるとこがあるっていえばあるからね。」


「へぇ〜。」


「はい、ここよ。貴方が1年間を友達と過ごす場所よ。」


そこは大学の講義室を連想させるような入り口だった。いざそこに来るとだんだんと緊張してきた。

ゴクリ、そう喉の鳴る音がやけに大きく聞こえる。こんなにも緊張したのは久しぶりだった。だんだんと嫌な汗が背中を流れ喉が渇いてきた。

何、こんなに緊張してんだろ・・・・うん、大丈夫だ。


「じゃあ、すぐに呼ぶから少し待っててね。」


「はい。」


瑞穂が教室に入って行くのを見て、もう一度服装を直す。

ネクタイ・・・チェック。髪の毛・・・チェック。顔・・・多分、隈はないからよし。さぁ、大丈夫だな。

バリッと格好を決め臨戦態勢をとる。すると中から声が掛かる。


「よし、行くか!」


そして、勢い良く扉を開け中に入る。




・・・・と、勢い良く入ったまでは良かったのだが、自分を見ている視線に頭が真っ白になってしまう。


「はい、今日からみんなと一年間を過ごすことになった椎名隆久くんです。みんな、仲良くしてね。じゃあ、自己紹介お願いね。」


「は、はい。・・・・えっと、今紹介をしてもらった椎名隆久です。その〜、あまりこういうところで喋るのは得意ではないので何を話していいのかわからないのですがこれから1年間よろしくお願いします。」


ペコリとお辞儀をし何とか挨拶をすることが出来た。

クラスのみんなは拍手で迎えてくれたのでとりあえず掴みはよかったらしい。


「じゃあ、椎名くんの席は窓側の一番後ろね。」


「はい・・・」


周りの視線を感じながらも席に着き、一段落したところで声をかけられた。


「転校生ともなると注目されるでござるなぁ。」


「はぁ、確かに・・・そんなに珍しいものかな。・・・・ん?」


今、なんか違和感を感じたような・・・・ござる?


「む?どうかしたでござるか?」


む、まただ・・・・しかし、俺はこの違和感を知ってるぞ。そうだ、なんせここは俺の故郷だ。知ってる奴がいたっておかしくないはずだ。そう、こいつは・・・・・


「いや、久々だからどうやって対応していいのか分からなかった。・・・・國重、久しぶりだな。」


声の主の方へ顔をやるとそこには懐かしい親友がいた。その親友は口元にニヒルな笑みを浮かべていた。


「ふむ、そうでござるな。確か・・・4年ぶりくらいでござるな?」


「ああ、しかしこんなに早く知り合いに会うとはな・・・正直驚いたわ。」


このござる口調の少し(?)変わった奴は斉藤國重さいとうくにしげ。俺の親友で昔からよく一緒にいた奴だ。いつも和服に下駄という井出達でどこか変わっている。それに事有る事に俺をからかっては楽しむという困った癖もある・・・・まぁそれでも俺はコイツにかなり信頼を寄せてはいる。


「そうでござるな・・・と、言いたいとこではあるが拙者はお主がここに来ることは独自の伝で知っていたでござるからな。」


「な、そうなのか?」


「まぁ、またよろしく頼むでござる!」


「あ、あぁ。」


にっ、と笑いながら手を差し出す國重の手を隆久はぎこちなく握り返した。


「ん、んん。二人とも嬉しいのは分かるけどそういうのは後にしてね。」


「あ、すいません。」






〜1時間目終了〜


「はぁ、なんか緊張したわ〜。・・・やっぱ、転校して初めての授業は疲れるな。」


隆久は軽く体をほぐし一息ついた。すると、「ねぇねぇ、隆久くんてさぁ〜」、といった感じでクラスメイトが話しかけてきた。


「隆久くんって、前の学校どこだったの?」


「前は〜柳善第二高校だよ。」


「椎名、好みの女性は?」


「え?!そ、それも言うの?・・・・え〜、家庭的なひとかな・・?」


などと、話は弾んでいった。と、その声の中に聞きなれた声を聞いた。


「隆久!」


「ん?」


声の主を探してみるとそこにはまた懐かしい顔があった。


「誠!!」


「よっ!隆久、久しぶりだな。」


「お前もこの学園だったのか?」


彼は九条誠くじょうまこと。國重より付き合いは短いが彼も昔馴染みだ。

こいつは昔から何でもこなせてカッコイイというハイスペックの持ち主だがそれをじまんするわけでもない。まさに理想の男である。


「まぁな。とりあえず、このクラスの学級委員長もやってるから困ったことがあったら何でも聞いてくれ。」


「ああ、サンキュー。」


こんな感じで一日が過ぎていき、放課後。

國重や誠は部活に行き、何となく片付けをしていたらクラスメイトがどこかに行かないかと誘ってくれた。たが、今回は遠慮しておき帰る事にした。何せ帰ってから荷物の整理や下宿先の大家さんに挨拶をするなどやることが多い。

とにかく、今日片付けられることはちゃっちゃと片付けなきゃな。

そして意気揚々と教室を出て長い廊下に出る。何となく気分が良かった。


「〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪」


「あ、あの〜・・・」


「っ!?・・・はい?」


き、聞かれたか・・・鼻歌、聞かれたか・・・・うわっ恥ずかしっ!

恐る恐る振り返ってみるとそこにはセミロングが似合ってる可愛い女の子がいた。


「・・・・あの、何か?」


「少し、時間いいですか?」


「はぁ・・・」




−屋上−

彼女に付いて行く事5分。何ともキレイな所に着いた。その屋上は周りをフェンスで囲まれていて、更にベンチなどが配置されていた。

おぉ〜なんか昼飯食うのにはいい場所だなここ。明日から来てみるかな・・・・

俺がそんなことを考えていると彼女がどこか渋い顔をしながら尋ねてきた。


「あの・・・私のこと覚えてますか?」


「・・・・ん?いや、覚えてるもなにも君と会ったのは今日が初めてでしょ?」


「・・・・・」


む、なんか凄く顔が怖い・・・・

俺は頭をフルに使い記憶を呼び起こす。しかしどんなに思い出そうとしても全然思い出せない。


「ちょっと待って・・・・う〜ん、う〜ん・・・」


「・・・約束。」


「え!?な、何?」


約束・・・・、あ、約束。

その「約束」という言葉で隆久の中で何かのスイッチが入った。



それは4年前のこと

俺はこの街を離れなくてはならなかった。國重や誠、それに彼女が見送りに来てくれた。


「隆くん・・・たかくぅ〜ん。」


「泣くなよ、○○・・・会えなくなるわけじゃないいんだぞ。」


「でも、でもぉ・・・嫌だよ、隆くんと離れるなんて・・・」


彼女は昔からよく泣いていた。何かあると泣いて、それを俺が慰める・・・それが俺らの普通だった。それも今日で出来なくなってしまう、それが寂しかった。だから俺は彼女に約束した。


「・・・泣くな。」


「え?」


「泣くな。必ずまた帰ってくるから。必ず、必ず・・・約束するから。」


「やくそく・・・うん、約束。隆くん、絶対だよ。絶対、絶対、ぜぇぇぇぇったいだよ!」



記憶が戻る・・・そうだ、俺は約束したんだ。彼女に必ず帰ると。俺は彼女に・・


「そうだ、約束だ。なんでこんなに大切なこと忘れてたんだろ。」


「えっと・・・」


隆久は彼女の顔を見る。そこにはあの頃の面影が残っていた。


「ごめん、全然気づかなかったよ。・・・ただいま、桜花。」


「た、隆くん?」


「ん?」


「・・・・ば。」


「ば?」


「バカぁぁぁぁぁ。」


「げふうっ!!??」


いきなりの張り手に俺の体は派手に跳んだ、さらに派手に滑る。

頬を押さえながら俺は事態を掴めずにいた。


「????」


「國重君や誠君には気づいたのに・・・なんで私には気づいてくれないの?」


桜花は目にいっぱい涙を溜め俺を睨んでくる。


「あ・・・その・・えっと、その〜」


「む〜、もういいよ。廊下でもすぐに気づいてくれないし、ぐずっ」


「あああ、あのな、桜花・・その、な、お前が、えっと綺麗に・・・」


「何?聞こえない。」


げっ、こいつ聞こえてるのに・・・・くぅ〜言わなきゃならんのか。はぁぁぁ

隆久は覚悟を決め、素直に言うことにした。


「いいか、一度しか言わないからな。・・・お前が昔より綺麗になってたから気づかなかったんだ。もう言わないぞ!」


顔を真っ赤にしながら言い切った。我ながらなんとも臭いことを言ったものだ。

そんな隆久を尻目に桜花も顔を真っ赤にしながらボーっとしていた。


「ん?桜花、どうした?」


「・・・・・」


「お〜い、桜花さん?」


目の前で手をヒラヒラさえてみるが反応がない。


「お〜い。」


「・・・・・・ぃ」


「あ?」


「わ〜い、隆くん!」


ガバっと俺に抱きつく桜花。あのぉ〜桜花さん、当たってますよ・・・胸が。

そんなことお構いなしに強く俺を抱きしめてくる。


「も〜隆くん。そんなこと言われたら恥ずかしいよ〜。」


「あわわわ、俺的にはこっちの方が恥ずかしいんだけど。」


「だってぇ、4年も会えなかったんだもん。これぐらい・・させて?」


上目遣いで見られて何も言えなくなってしまう隆久。それでも、どこか嬉しいと感じてしまう彼がいた。


「まっ、いっか。」


しばしその再開を楽しんだ隆久だったが、これは始まりに過ぎないのだ。そう、これからが彼の忙しくも楽しい日々の始まりだった・・・・

その後

桜花に抱きつかれた後、なんとか帰してもらい下宿先へと帰った隆久だったが大家はいないし、荷物の崩落に巻き込まれたりとあまりついていなかったらしい・・・

「ぐすん、なんでこうなるんだよ〜」

彼はまだまだ苦労しそうだ・・・・

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