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君へ

君へ


新しい土地で新しい生活


新しい道を覚えるたびにあの日が遠く感じます


新しいお店を知るたびに“昔”がより一層“昔”になった気がしました


気のせいか、多くを忘れた気もします


あの日のことも


言えなかった言葉も


名前なき感情も


だけど雨の日のコインランドリー


久々にぼんやり


思い出してしまいました


それでもやっぱり多くはないのです


声も、温度も、笑顔も、離れたときの痛みも、思いだせませんでした


時々はこうして思い出すことはあるのですか?


僕の知らない世界を見ているはずで


なんだか雨の日の空のように暗く、遠く、深く


あの日言えなかった言葉が僕の中にある嫌な部分に滲んだ気がします


そんなことを感じながらビニール傘をさしました


慣れてきた新しい部屋


そこに昔の僕があるはずもなく


そっと目を閉じました


慣れてきた部屋で慣れてきた生活


洗濯物を干すたびにあの日を忘れていくでしょう


そして今日の僕を忘れるころには……。


言葉なく“サヨナラ”を告げていることでしょう


どうかいつまでもお元気で


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