リアル
夏バテって怖い……
なかなか俺TUEEも戦闘もありませんが今は準備期間なのでお許しください。
ヒロシ君は戦闘系チートを持っていないのでどうしても修行パートが必要になってきますね。
「あぁ~…………頭いてえ……」
翌朝。目を覚ましたヒロシは頭部を支配する鈍い痛みに眉をひそめた。
明らかに二日酔い。
昨晩はラファエルとの話が盛り上がり調子に乗って飲みすぎてしまった。酒代がおごりだったというのが一番大きい要因だろう。タダ酒ほどうまいものはない。
「下行って水もらってこよう。今日はやりたいことも多いし早めに行動しないとな」
一階の酒場へと向かい女将から水をもらうとそれを一気に飲み干す。
辛さが減ったわけじゃないが、二日酔いによる脱水症状が怖いので水分補給は大事だ。
「二日酔いかい? 辛いなら二日酔いに効くスープでも作ってやろうか?」
「頼みます」
「あいよ。ちょっと待ってな」
五分もしない内に女将が皿を持ってやってくる。
「少しにんにくを加えたトマトスープだ。これが二日酔いによく効くのさ。これ飲んでシャキっとしな!」
バシン、とヒロシの肩を叩いて女将は豪快な笑い声を残して厨房に消えていく。
肩を叩かれた衝撃に「~~ッ!」と声にならない悲鳴を上げるヒロシ。二日酔いの辛さはなった者にしか分からない。そして分かったとしてもつい飲みすぎてしまう。
実に難儀な病気なのだ。
「あぁ~……ちょっと楽になった気がする」
トマトスープを飲み干し、ヒロシはゾンビのように呻いた。
あくまで楽になった〝気がする〟だけだ。それでもさっきまでよりは随分気分的に楽なのだから十分だ。
痛む頭を抑えながら宿を出る。
外はまだ太陽が昇りきっておらず、薄暗闇が空を覆っている。にも関わらず街のあちこちからは既に人の営みを感じさせる音が聞こえてくる。ファンタジーの朝は早い。そういうことなんだろう。
「今日は魔法の練習したいから外へ行くか……」
ぐったりとしたまま厩舎に向かう。
ヒロシに気付いたユキがピクンと跳ね起き尻尾を振って寄ってくるが、弱々しいヒロシを見て心配そうに「くーん」と鼻を鳴らした。
心配するユキを安心させるように撫で、なだめすかし、ヒロシたちは東門から外へ出た。
ゴッズに挨拶していこうかと思ったが、今日は非番らしく会えなかった。
門は朝から多くの人が詰め掛けておりタラントがいかに賑わっているかが窺える。ユキを見た商人たちが慌てて悲鳴を上げたりしていたが、首輪がついているのに気付いて恥ずかしそうに頬を掻いていた。
門の近くだといろいろと迷惑がかかりそうだと感じたヒロシはユキにまたがり人気のいない場所まで移動することにした。
「ここらへんでいいか」
ひたすら平坦な草原の中で一本だけぽつんと生えた木があったのでその木陰で練習をすることにした。
「オレはここで魔法の練習するけどユキはどうする?」
「わふ……。わふう」
「それなら散歩がてらに周囲を警戒しておいてくれるか? オレはまだ戦えないしさ」
「わふっ!」
「任せて!」とばかりにユキは胸を張る。
嬉しそうにたったか走り去っていくユキを見送り、ヒロシは木にもたれかかりながらさっそく練習を始める。
二日酔いのせいで頭が重いがいつまでもぐったりしているわけにもいかない。
「さてと。魔法を……使いたいんだけどどうやったら発動できるのかなぁ。まずは手探りでやってみるか」
昨日のジェムと同じく、完全に手探りの作業なのでかなり苦戦することになるだろうなとヒロシは覚悟を決める。そして――
「なんであっさり出来ちゃうかな?」
練習開始五分であっさり空間魔法を会得した。
肩透かしにも程がある。
「まさかネット小説に描かれていた方法がドンピシャとはなぁ」
ヒロシが試したのは異世界転移物の小説で描かれているような体内の魔力を感じ、イメージを固めて発動するという奴だ。
詠唱や印を刻む方法だったらどうしようと内心ドキドキしていたが、あっさり出来てしまうとそれはそれで悲しい。
魔力を感じる、という点で苦労するだろうと思われたのだがそこは『神眼』によってあっさりクリアされてしまった。なんと、目を瞑って自身の魔力を感じようとした途端に昨日ベッドを鑑定したときのような感覚がしたと思ったら、自身に流れる魔力が視覚化されたのだ。
あとはそれをイメージ通りに流すだけであっさりと魔法は発動した。
イージーモードにも程がある。
「ひとまず、やれることを一個ずつ確認していこう」
空間魔法といえば最初に浮かぶのはアイテムボックスだ。異空間を作り出し、そこを倉庫代わりにするファンタジーの定番能力。
これは問題なく使用できた。
イメージしたのは日本で自分が暮らしていたワンルーム。それほど広くもないが、個人が運べる荷物の量を考えれば破格の量だろう。
次に確認したのはワープだ。もしくは二拠点を繋ぐゲートのようなものが出来ないかと実験してみたが、部分的に成功というべき結果になった。
出来たのは短距離ワープのみで、長距離――練習している場所から宿の部屋まで――は失敗し、短距離であってもゲートを繋ぐことは不可能だった。
その後、空間魔法で出来ること出来ないことの確認を行っているとふと頭痛に襲われた。二日酔いがひどくなったのかと思ったがそうではなく、全身が気だるく、さらには眩暈もする。
あまりに急激な体調変化に戸惑うヒロシだったが、朦朧とする意識の中天啓の如く正解に思い至る。
(これ……もしかしてMP切れか?)
木にもたれかかりボタボタと汗を流しながらヒロシは愛読していた小説に出てきた魔力切れの場面と今の自分の状況が酷似していることに気付く。
魔法という力を使うためには魔力という代償が必要。
ファンタジーなら当たり前の理屈だ。
「オレの……ステータス、レベル1って感じだもんな。……そりゃ魔法――ッ! をぽんぽん使ったり……出来るわけないか」
ヒロシは木の根をまくらにして地面にぐったり倒れこむ。
力尽きるまで全力疾走させられたような疲労感が全身を襲っている。魔力切れだと精神的に疲れたりするものだと思っていたが、がっつり体力も持っていかれている。
魔法を使うには魔力だけでなく体力まで必要らしい。
(魔法の代償として支払われたのか、魔法を使うことに反動のようなものがあるのか。分からないことだらけだと本当に大変だな……)
だからこそ検証が必要だ。
もし、これがモンスターとの戦闘中だったらと思うとゾっとする。敵を目の前に疲労困憊し、わけもわからないまま殺される。そんな事態になっていたかもしれないのだ。
よくアニメやゲームの主人公が自分の力を把握しないまま敵に突っ込んだりしているが、よくあんな無謀なことができるもんだと慎重派のヒロシは思う。
荒く息をつきながら空を流れていく雲を眺める。
たった一日しか経っていないっていうのに随分遠くまで来てしまったような気がする。レンガ作りの町並み、ギルドへの登録、酒場での出会い、おまけに魔法の練習。十分すぎるほどにファンタジー。
神からはこの世界でどうこうしろとは言われていない。
ただ、異世界を堪能しろと言われた。
(英雄なんてガラじゃない。だからといって目の前で知り合いが死にそうになっていたら見捨てられる程冷徹になれる自信もない。…………まずは土台作りだよな)
そよそよと風が流れて頬を撫でていく。
よく考えるとこんなにゆっくりとした時間を過ごしたのは本当に久しぶりな気がする。日本ではいつも何か追いかけられているような緊迫感があった。不幸であったことを除いても息苦しい社会だったと今は思う。
「あら~、気配がしたと思ったから来たのですけど……おかしいですね~」
思索に耽っていると、妙に明るい声が聞こえてきた。
「あの~、そこのお昼寝しているお兄さん~。ここらで変な人を見かけませんでした~?」
どうも呼ばれているようなのでヒロシは倦怠感の残る体を起こした。
声を掛けてきたのは実に変わった様相をした女性だった。
見た目は二十代前半くらい。空色をした長い髪に、エメラルドと黄金色をしたオッドアイ。すっと線を引いたような薄い目は少し垂れ気味でおっとりとした感じがしている。その身を包むのはまるで定規で測ったように左右で白黒に分かれたゴシックロリータのドレスだ。
この世界ではどうか分からないが、ヒロシの感覚からしてその女性は十分に変わっていると断言できる。なので、ヒロシはこう返事した。
「はい。目の前に」
「…………ん~、あっ! それはわたしが変わってるってことですか?」
「ええ」
「なるほど~。たしかに、そうかもしれないですね~。あはは~」
うん。変わっている。
これは関わり合いにならない方がいいなぁと判断する。
と、同時にヒロシはどうしてこの女性は自分に近づくことが出来たのだろうと考えた。周囲はユキが警戒してくれているはずだ。にも、関わらずどうやって?
(まあ、害がなさそうな人だしスルーした可能性も高いけど)
誰も近づけるなとは言っていない。
ユキが通して問題ないと判断したのならきっと害はないのだろう。
「それで~、わたし以外なら見てませんか~?」
「見てないな」
「そうですか~。弱いけど気配がした気がしたんですけどね~。わたしの感覚も鈍っちゃったのかもしれないです~。あはは~」
能天気に笑う女性。
その頭にヤシの木とひまわりが咲いていそうな笑顔を見ていると、十代前半でも通じてしまいそうな純粋さがこぼれている。
「それで~、お兄さんはどうしてこんなところでお昼寝してるんですか~?」
「オレは昼寝をしていたわけじゃないよ。魔法の練習をしていたら突然疲労に襲われてね。休憩しているところだったんだ」
「ああ~、魔力がなくなって体力で代用したんですね~。練習熱心なのはいいですけど~下手すると死んじゃいますから体力の代用はやめたほうがいいですよ~?」
「ちょっと待ってくれ。体力で代用? どういうことだ?」
「おや~? お兄さんはもしかして素人さんですか~?」
「あぁ、魔法を覚えて二日目の初心者さ。使えるようになったのはまだほんの一時間前だな」
「なるほど~。それじゃあ知らなくても仕方ない~? のかもしれないです~。魔力は~、魔法を使うとなくなっちゃうじゃないですか~? でも、魔力はなくなっても自覚しにくいんでついつい使いすぎちゃうんですよ~。そのとき~魔法の代償として体力を持っていかれちゃうんです。あんまり使いすぎると体力を根こそぎ持っていかれて衰弱死しちゃうんで気をつけないとダメですよ~?」
「……知らなかったとはいえ本気でヤバかったんだな。ご忠告感謝します。今後は気をつけるようにするよ」
「魔法が使えるなら自分の中を流れる魔力は見えるんですよね~? だったら、魔法を使う前に魔力の量を確認すればいいですよ。なくなりかけているときははっきりと少なくなってますから~」
「なるほど。毎回確認すれば問題ないわけか。いろいろ教えてくれてありがとうございます」
「いえいえ~。わたしも久しぶりに人間とお話できて楽しかったです~。あ、そうだお兄さん。せっかくだからいいこと教えてあげます」
「いいこと?」
「近々、西の方が忙しくなるはずですよ~。お兄さんはあんまり強そうじゃないので近づかない方がいいと思います~」
ゴスロリの女性はにぱ~と笑みを浮かべる。
かなりアホっぽい顔だが、不思議とそれが似合っている。服装の奇抜ささえなかったら十分に魅力的だ。
そういえば、日本にいたときヒロシの数少ない友人に見た目と中身のギャップが一番萌えると豪語している男がいたなぁと思い出す。
『ツンデレ、クーデレなど邪道。男ならギャップ萌えだ!』
彼が見たらきっと喜ぶだろうな。ヒロシは目を閉じてくすっと笑みをこぼした。
「そうだ。名前はなん……て」
目を開けるとそこにもう女性はいなかった。
辺りを見回してみるが彼女の姿はどこにもなかった。だだっぴろい平原だ。物陰に隠れているなんてことはありえない。
「精霊かなにかだった……のかな?」
ファンタジーだしそういうのがあってもおかしくない。
考えても答えは出そうにないのでヒロシは心の奥に彼女のことを留めておくだけにした。
息が整い、何度か魔法の練習をしたところでユキが帰ってきた。
思う存分走り回ってきて満足したのかユキは満面の笑みで尻尾を振っている。毎日とはいかないが定期的に散歩に連れていこう。ヒロシはそう決めてユキと共に街に戻った。
街に戻ったヒロシは露天を冷やかしつつ街をぶらぶら歩く。
露天の品に神眼を使ってかたっぱしから鑑定してみたが転売に向くものや掘り出し物は見つからなかった。幸運といってもそう都合良くはいかないようだ。
ランダムジェムも売っていないか聞いてみたがほとんど入荷されないし、買い取りも基本断っているところが多かった。商人曰く「まず売れることはないから」だそうだ。
「うわぁ……高いな」
『低級ポーション』
説明:低級回復魔法に相当する霊薬。使用された素材の質が悪かったためやや効能が落ちている。
品質:劣化
価値:五百ジェニー
品質が落ちていてなお五百ジェニーという価値があるのだから品質が上級とかならもっと値段が跳ね上がるわけだ。おまけに低級ポーションでこれである。
(ダンジョンにもぐるために回復アイテムは充実させておきたかったんだけど……これじゃあ手が出せないな)
ポーションの値段は店によってまちまちだったが、安くても銀貨四枚は越える。
高いところなどは銀貨十枚という値段で売っていた。しかもその店が一番品質が悪かった。あの店では絶対に買い物はすまい。
(これなら回復魔法を自分で覚えるか、もしくは錬金とかのアイテム作成スキルを覚えた方がいいな。金策も含めて生産スキルの取得も視野に入れておこう)
ランダムジェムさえあればスキルの取得についてはまったく問題がない。
魔法に関してはあっさりと使うことが出来たが、他のスキルはどうか分からないのでなんでもかんでも取るわけにもいかないのが悩みどころだ。
なんにせよ近々ダンジョンにもぐってみる必要がある。
モンスターの強さ。自分の強さ。生物を殺すことに対しての忌避感がどれほど大きいのか。知るべきことは多い。
「ギルドにも行ってみるか。もしかしたら探索者用の安いポーションとかあるかもしれないし」
「わふっ」
ギルドに着くと、入り口付近で騒動が起きていた。
喧々囂々とした言い争いがギルドの職員と探索者の間で交わされている。
「なにがあったんだ?」
「はぐれの討伐に失敗したらしいぜ。なんでもギルドの報告ではいなかった上級モンスターが出たらしい」
ヒロシの独り言に返事をしたのは、黒いフルアーマーを装備した男だった。
茶色の髪を短く刈り上げ、右頬には大きな切り傷がある。
四角い顔をした厳つい男だが不思議と怖いと感じさせない愛嬌のようなものがある。
「はぐれ討伐の依頼は緊急性が高いせいもあって情報がうまく集まらないことも多い。探索者なら想定外の事態に対応できる準備もしておくべきなんだが……あいつらはそれを怠っていたというわけだな」
わけ知り顔で頷く男。
「こういうことってよくあるんです?」
「あってたまるか。こんなことがしょっちゅう起こっていたら俺たち探索者は全滅してるよ」
そりゃそうだ、とヒロシは頷いた。
職員に掴みかかっている探索者の男には右腕がなかった。その隣にいる仲間らしき者たちも大なり小なり怪我をしている。その後ろにある大きな頭陀袋は人が一人入るほどに大きい。――多分、そこにはかつての仲間が入っているのだろう。
探索者の仕事は命がけだ。
分かっていたつもりだが、目の前の光景を見ると自分の認識はまだまだ甘かったのだと思い知る。
「探索者の人たちは、どうしてこんな危険な仕事につくんですかね?」
「新人っぽいがお前もそうなんだろ? だったら理由は分かるだろ」
「お金ですか?」
「理由の一つだな。世界を変えたいんだよ。俺たち探索者は」
「世界を?」
「そうだ。貧乏だった自分を。惨めだった自分を。踏みにじられるだけだった自分を。そういった自分を取り巻く世界を変えたいんだ。だから探索者になった。同じ夢を見た奴はいっぱいいたが、まあ長生きした奴はほとんどいないな」
ふっ、と苦笑する男の目には隠しきれない哀愁があった。
生き死にを多く見てきたのだろう。その中には友人……いや、それ以上の中の者もいたかもしれない。それでも彼は探索者を続けている。
彼の目指す夢はまだ叶っていないのか。
「お前はどうなんだ? どうして探索者になった」
「そうですね……、オレも世界を変えたかったのかもしれないですね。いや、変わってしまった世界に馴染もうとしただけかもしれないですけど」
「お前は変わってるな。だが、面白い理由だ。ちゃんと馴染めるといいな」
「えぇ」
男は話したいだけ話すとさっさと去っていった。
名前も知らない探索者の男。
彼とはまたいつか出会うことはあるだろうか?
「なあ、ユキ。オレはさ。あの傷ついた探索者たちを見ても『かわいそうだ』とか『助けてあげないと』とか全く思わないんだ。それより、あの人たちを見て自分の認識が甘かったことを知れてむしろ感謝した。現代人は心が冷たいってよく聞くけどオレもそうなのかな?」
「……わふぅ」
「悪い、愚痴だったな。なんていうか思い知った。オレは本当に〝幸運〟だった。少なくともオレはまだなにも変わらずにいられてる(・・・・・・・・・・・・・)。異世界なんてとんでもないところに来たのになにも変わらずに、だ」
この世界にはモンスターがいる。
死が近くにある。
本来、モンスターというのは人が関わるべきではないモノだ。それにわざわざ喧嘩を売る探索者という職にまるでコンビニでも行くかのような気軽さでなってしまった。
結局のところ。自分はただ異世界に観光をしに来た気分だったのだ。
静かで幸せな生活が出来ればいいとのたまいながら、心の奥では「自分だけはなにがあっても大丈夫」だと高を括っていたのだ。
慎重派? どの口が言う。
ただ、安全な場所から好き勝手言っていただけの卑怯者じゃないか。
「ユキ。明後日だ。明後日にダンジョンに入る。今日はこれから情報収集と必要な道具を揃える。明日は一日掛けて戦闘訓練だ。納得できるまでやる。ダンジョンに入る前にちゃんとした気持ちになれてよかった。今からオレはこの世界をリアルだと認識できる」
「わふっ!」
「戦う術を身につけるんだ。戦闘能力だけじゃない。この世界を生きる強さを得る。幸運があるからある程度は楽できるだろうけど、やっぱり人間は努力しないとな?」
「わふっ」
日本にいた時。ヒロシは自分の不幸を許容し、それに対抗するためにあらゆる措置を取っていた。その中には諦観や傍観もあったと思う。
でも、少なくとも必死に生きていたつもりだ。
「ビビったわけでも、傷ついたわけでもない。ただ、この世界がちゃんとリアルで、それでいてオレの望んでいた世界だと知って…………言い方は悪いけど楽しくなってきたよ」
「わふぅ!」
一昨日まではゲームのガチャで一喜一憂していたっていうのにな?
ヒロシは苦笑をもらしてギルドの前を離れた。
ゲームからリアルへ。
ヒロシは自分がようやくこの世界の住民になった気がした。
次回はダンジョンへ行きます!(o'∀'o)ゝ
やっと無双が始まるぜい