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普通
その十数年後、その少年はテレビである少女が自分が昔作ったのと似たようなプログラミングをして話題になっているのをふとめにする。
少年は今は普通の会社員だったが、どうしようもない脱力感と無力感に襲われた。
少年は中学高校とろくに勉強もしなかったのにもかかわらず、学年でも常にトップだった。
それにら優越感を覚えなかったと言ったら嘘になる。だが、何をやっても分かり切ったことをしているというつまらなさ、退屈さが心の奥底にあった。
少年のそれが終わったのは、大学生の時だった。
大学で彼は今までとは全く違う世界に出会った。
それは言語学だった。
その世界にはまり込んだ彼はだが研究者になるには及ばず、就職活動をして、会社員になった。
それだけに彼が見たテレビの内容はかなりショックだった。
それ以来彼は会社を休みがちになる。上司や同僚に心配されるも、彼はその理由も言わず、やがて会社を辞めていた。