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外を認めない国
ある少年は、若冠10歳にして、コンピュータプログラミングを手掛けるという天才プログラマーであった。
しかし彼は学校に行くことをがえんぜようとはしなかった。
彼にとっては、小学校で行われている授業の内容など、聞く気も起こらない簡単すぎる内容だったのである。
だが、彼の母親は「普通」であることを求める親だった。
彼の母親は彼が非凡な才能の持ち主であることを考えもしないで、彼に普通を押し付けようとした。
むろん、彼は反抗した。そんなことに何の意味があるのか、と。学校に行って退屈な授業を聞くよりは、不思議な数学の世界、プログラムの世界に浸っていた方がずいぶんと楽しいのに、と。
しかし、母親はそれを許しはしなかった。
彼は学校に通い始め、それゆえその才能は人知れず埋もれていった・・・。