七章
「この教室にゃいないな…」
俺はあくびをしながらそう言った。
「もう二階の最後の教室だが
快斗の言った通り確かにいないな。
今日はゆっくり寝れそうだな」
あくびをしながら京哉は言う。
「確かに。
だがゾンビ云々抜きで夜の校舎は怖いな…
理科室入ってみようか?
人体模型動いてたりしてな…ククッ」
俺がそう言うと、
「そいつは怖いな」
京哉はそれを聞き少し笑う。
「アハハ…んじゃ三階に行こ」うぜと続けようとした瞬間、うわぁあ!
誠と快斗の叫び声が聞こえた。
「…いや、北校舎が先だな!」
「あぁ!」
京哉と俺は教室から飛び出ると北校舎への渡り廊下を走り抜けた。
ハアハアと息を乱しながら俺と京哉は走った。
もしあの二人が…と最悪な想像をすると、背筋が凍る程冷たい汗が全身から吹き出た。
ギリッと歯軋りをし更に速度をあげる。
そう言えば、京哉は?
と思い視線を少しそちらに向けた。
視線の先には少しゾクリとするほど、鬼気迫った表情を浮かべた京哉がいた。
あいつもこの嫌な感じを肌に感じているのか…
そう考えると右手に握る鉄パイプに、力がなおこもった。
三階へ行くための階段を数秒でかけ上がり、先程聞こえた悲鳴の発生地点である筈の6の2と書かれた教室に飛び込んだ。