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四章
電気も供給されなくなり、店の灯りどころか街灯すらついていない暗闇の中、円になり歩く少年達がいた。
「鉄パイプありがとな。
取り合えず何か戦える物を見つけるまでは貸していて貰えるか?」先ほど貸してもらった鉄パイプを見ながら楓は快斗に礼と共に質問する。
「あぁ大丈夫だ!
一本でも俺は戦えるからな」
快斗は笑いそう返した。
「にしてもこのまま町中をぐるぐる回るのか?
正直休みたいんだが」
そう言い京哉は心底疲れたと言う表情を浮かべる。
「俺も京哉に同意だな…」
誠も京哉のそれに同意し竹槍を肩に乗せふうっと溜め息をつく。
「そうだな休む場所…良し!
久々に母校にでも行こうか。
あそこなら広いからな。
脱出路を幾つか確保すれば逃げるのも難しくは無いだろうし。
どうだ?」
快斗は後ろの三人に聞く。
三人はないよと答え、
「なら決まりだな!
ちゃちゃっと行こうぜ」
そう言い終えるやいなや一番先頭の快斗が足早になったので、「いきなりスピード上げんな!」そう言いつつ三人も足早に快斗についていく。