ミッション3 決断
「マジかよっ!?ここどこ?」眩しい眩しい春の早朝、大貴は誰か分からない部屋のベッドの上にいた。しかも制服だったはずがジャージ姿になっていた。
「誰かに・・・脱がされた!?え・・・」大貴が一人でそんなこと言ってハアハア妄想していると誰かが部屋に入ってきた。
「おはよう。ぐっすり眠れた?」杉尾が部屋に入ってきた。
「何で?お前が・・・ここに・・・」大貴はあせってそう言った。
「ああ。ここ私の家で私の部屋。あなたがナノの力を使ってすぐ倒れて、そのままぐっすり爆睡したから、私の部屋に連れてきただけよ。それが何?」杉尾が鬱陶しそうに言った。 「別に・・・何もありません・・・」大貴はここで下手に反抗でもすると、すぐに追い出される感じがしたから何も言わないことにした。
「杉尾・・・」緊張してガクガクの大貴はそのくらいしか言うことができなかった。
「杉尾って呼ぶのもいいけど私達はナノの戦友だ。できれば下の名前で呼んでほしい。」杉尾がそう言った。
「じゃあ・・・未・・・未久・・・」大貴は恥ずかしかった。いきなり好きな女に下の名前で呼べなんて言われたら誰だって喜んだり緊張したりするのは当然と思う。 「さあそういうことで私達が今就いている任務を紹介する。」未久がそう言うと大貴は何回も頷いた。
「今私と真未が就いている任務はここ近辺にあるという、ナノ狩りのアジトを潰すということ。アジトには何が待っているか分からない。慎重に進めていって、今真未がアジトに行って雑魚を粗方倒しに行ってる。」未久は長々と話続けた。
「え?今日あれ・・・学校だけど何してんの学校行かんでいいん?」大貴は心配そうに言った。
「そうそう、いい忘れてたけどこの戦いに就くんだったら、高校生活は諦めた方がいいよ。学校と両立は不可能に近いから。大貴、もし本気でナノの戦士になるんだったら、そういうとこも覚悟してね・・・将来を大きく変えることだから・・・今日中に答えを出して。今から学校に行っていいけど私は休む。真未と連絡をとり合わなくちゃいけない。」そう言って大貴を学校へ行くよう言った。
学校でもずっと考えていた。本当に将来を大きく変えることだ。断ればこのまま平和な生活、了承すれば命がけの厳しい生活。俺は今人生の分かれ道にいる・・・ 学校でも、ずっと考えていた。断ればこのまま平和な生活、了承すれば命がけの戦いだらけの生活。本当に難しい選択だった。
「断ろうかな・・・だけど女子だけを戦わせるのは性に合わねえし・・・」そうやって友達も何もかもすっぽかして考えた。
そんなこと言っているうちにもう学校が終わった。後は家に帰って考えることにした。
しかし家で考えてもたいして強い決断はできなかった。大貴はもう思いきって決断をしたように家を出た。
春なのに少し肌寒い風が吹いてきた。桜には少々こたえるらしく、花びらがひらひら、ひらひらと舞った。 そんなこんなで長々と走って未久の家に着いた。大貴は息を飲んで未久の家のインターホンを押した。
「誰?」母親らしき人が出た。
「大貴だけど。」未久の母親には前会ったことがある。だから分かってくれるだろう。
「誰か分かんないけど未久を呼べばいいんだろ?」そう言って未久の母親は未久を呼びにいった。しばらくして未久が家から出てきた。
「ちゃんと決めた?とりあえず中に入って。早く。」そう言って未久は大貴を中に入れて自分の部屋へ連れていった。 「答えはどうなった?どう?」一旦降りてコーヒーを取りに行った未久がそう言った。
「ああ。決まった。俺はナノの戦士になる。もう覚悟はできた。」大貴は自信たっぷりに言った。
「そう・・・じゃあ決まりだな。今から、ナノ狩りのアジトに向かうぞ!」未久は面白いことが起こるという感じで言った。
肌寒い春の夜、ある一人のイケメンな不良が人生を大きく変える決断をした。
少しずつですが確実に読者数が増えています。面倒ですが感想、評価してくれるとありがたいです。