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【見えない幽霊】あらすじてきななにか

ずっと前。とある疫病で死んだ男が居た。

その男は幽体ですらなく、魂ですら無い姿をしていた。

どれだけ待とうともその男の姿を見つけることの出来る者は現れない。

小道、大通り、階段の下、商店街。いつもの帰り道。

誰にも見つけられない悲しみ。そして男は諦めた。

男の心に溜まって行くのは、たった孤独(ひとり)の悲しみの痛みだけ。





痛みが溜まっていくある日。とある霊源の側へと男がやって来た。

その霊源は厄神を祭る社であった。

孤独(ひとり)に耐えられなくなった男は、その溜まっていた痛みをその社へと放って捨てた。





男はいつもの通りにやってきた。

誰にも見つけられることの無い男の帰り道。

そんな彼の耳に届いた声が1つ。






「こんにちわ」






男は驚きのあまり振り返る。

そこに立つは1人の少女。男を見つけることの出来た存在。






「あれ?気のせいかな誰かいたと思ったんけど…」






男に背を向けて去る少女。男の引き止める声は届かない。

確かに声をかけられた。今まで誰にも見つけられなかったのに、なぜ?

男は突然走り出した。向かう場所は厄神の社。





思いっきり力強く扉を開く。

放って捨てたはずの彼の痛みは、跡形も無く消え去っていた。





それから、男は痛みを社へと納めていった。

納める度に、少しの間だけ男は誰かに見つけられることが出来た。





もっと、もっとたくさんの痛みを納めれば俺は誰かを見つけることが出来る。





男はさらに痛みを集めるために、他人の痛みへと目を付ける。







男が百個目の痛みを納めるころ。

現世に流れるとある噂。痛みを集める男の話。

真意を突き止めるために、霊媒師が男の元へと向かう。

そこにあるのは力をつけていく厄神の社。現世へと力を及ぼす程の強い力。

それを危惧した霊媒師は、男を止めるために男の前に立ちふさがる。





とうとう見つけられた男。

喜びも無く剣が容赦なく男へと振り下ろされた。

語られる物語はとある厄神のお話。

痛みを抱える男に、そのお話はもう届かない。





孤独(ひとり)の神に選ばれた男の物語。





男はそれからも痛みを集めていった。

立ちふさがる霊媒師を、厄神から授かった力で追い払う。

ついに千個目の痛みを納めた時。

とうとう厄神の社は痛みのハコで満杯になった。





厄神の力で誰かに見つけられることの出来るようになった男。

喜びに満ちた表情で帰り道へ向かう。






「」






誰もいない帰り道。





小道、大通り、階段の下、商店街。

誰もいない帰り道。

自分の姿を見せる相手もいない帰り道。

孤独(ひとり)の神に選ばれた男は、とうとう本当の孤独(こどく)になった。







厄神の社で、男は孤独(ひとり)でそこにいた。

頭を抱えて、目を瞑って、耳を塞いで。

男の心にはもう悲しみも痛みも無くなった。






「    」






音が、社に響いた。驚いて男が顔をあげる。

ひとつ、ふたつと大きくなる音。

みっつ、よっつ、その数が百を越える頃。男の耳に声が届く。







「こんにちわ」








どこかの帰り道で聞こえた。懐かしい声。













小さい頃から、わたしには不思議な者が見えた。

大きなお兄さん、小さな少年、笑ってるお姉さん、悲しそうな少女。

犬、猫、鳥、不思議な者。

1度だけ見たことがある、とっても小さいころなのに消えない記憶。

立ち尽くすお兄さん。声をかける。






「こんにちわ」






でもその姿はすぐに消えてしまった。

見間違いかな。でも、帰り(ここ)にいたのに。

何度行ってみてもお兄さんは見えない。

消えない記憶は、ずっとわたしに残り続けた。







とある噂を耳にした。霊媒師になって少しのころ。

痛みを集める男のお話。

真実を確かめるために行ってみれば、そこにいるのはいつかのお兄さん。

何をしてるんだろう、どうしてそんなことをしてるんだろう。

厄神のお話。わたしの警告はお兄さんには届かない。






孤独(ひとり)の神に選ばれたお兄さんのお話。






お兄さんを止めるために立ちふさがる、けれどお兄さんには届かない。

千個目の痛みを奪っていった時、厄神の風が吹き荒れる。

風は人の心を奪っていって。





誰もいない帰り道。





薄暗い街灯に照らされて鳴いてるお兄さんが見えた気がした。





駆け出す足。走る声。

握った右手はキツくぎゅっと。心をわしづかみにするように。

離さないように。見失わないように。

見つけることは出来るんだよ。わたしにだって。





力強く、大きく、おもいっきり。





届くようにわたしは声を響かせる。





百個目の痛みを壊した時。







「こんにちわ」








どこかの帰り道で見たことのある。懐かしいその姿。














どんどん大きくなる声。

立ち上がった男。足は自然に音のなるほうへ。





壊す右手は力強く、刹那でも早く。

悲しい瞳の、悲しい痛みをわたしは壊す。







ふれあったことは無いけれど。





言葉を交わせてすらないけれど。





そこに居る存在を。





触れること無く知っている。









それはきっと、孤独(ひとり)じゃない。








壊す音に厄神が気づいた。

厄神は霊媒師を殺すだろう。

男を見つけることの出来るその少女を。





厄神がその手を振り上げた。






地面を蹴り上げて、滑り込む。








振り下ろされた最初の痛みは、男の元へと戻っていった。










『見つけてくれ てありがとう。




 俺は 孤独(ひとり)じゃなくなっ た。




 これで返せ るとは 思えない が。




 お前 の 痛みを、貰って いく な』










消えてく、見えたはずなのに消えていく。

お兄さんの痛みを糧にした厄神、それと一緒に無くなっていく。

わたしの痛みと一緒に、何もかも無くなっていく。






孤独(ひとり)の神から解放された男の物語。






解放されたお兄さんは静かに空へと溶けていく。

ちゃんと笑えたかなぁ。






どこかの帰り道ですれ違った道が消えていった。













わたしの心に、痛み(さびしさ)だけ残してーー





トンカ/チ歌/とペイ/ンな/タ/ワー。と、言えば大丈夫なんだろうか。

まぁ、あれだB.O.Cだよ。あの曲だよ。

あの曲をあえて「見えない幽霊」として考えてみたら、だいたいこんな感じになった。個人的に。

…もはや別物じゃね?

では、次に設定でも残しておきますー。


…しかし女に助けてもらう話多いな…や、役柄は実はどっちでもよかったんだけども。…ま、ヒロインより力強い女性のほうが好きなんです。

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