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【壊れた街の教会】過去編→現代編

過去編→現代編の間の話をやや投げやりに場面転換しつつ、書いてみるテスト

■復讐成し遂げた後。シエルメのほう


「シエルメ。ご飯だけど。食べなさいよ、なんてったって私がつくったんだから」

「…」

「…聞いてるの!?だーかーら!私が作ったって言ってるでしょうが。それでも食べないって言うんなら、あんたの口ん中無理矢理押し込むわよ!?」

「…」

「…〜ッ!」

「あっとっと。ミーシャさん、ストップです!ストップ!」

「止めないでよ!」

「ダメですって…今のシエルメさんは、その…」

「わかってるわよ。…私だって、見たもの。…シエルメ。とりあえず置いていくから、食べなさいよ!」

「…」


◇場所移動


「…っくそ。ムカつく!こんなことになったのも全部アイツが悪いのよ!アイツが…アイツが、シエルメに"復讐"なんて考えるから…」

「…ねぇ、ミーシャさん。ロットさんは、本当に死んだんでしょうか…?」

「っ!アンタだって見たでしょ!?シエルメの持ったナイフが、アイツの胸に突き刺さるの…」

「でも!その後遺跡が崩れたせいで僕たちはすぐにその場を立ち去ったじゃないですか。シエルメさんが放心状態だったから、僕は彼女を抱えて…ミーシャさんは…」

「…無理よ。きっと」

「でも…っ!」

「だって、アイツ。…私が差し出してやった、手。払いのけやがったんだもの。無理よ。無理。…だって。…アイツ自身が、死にたがってたんじゃどうしようも無いでしょッ!?」

「…ミーシャさん…」

「…」

「…それでも、それでも僕は、探してみますね」

「どうして…?」

「俺から見て、ロットさんとシエルメさんには絆が見えたんです。だから、それが切れない限り、きっと」

「…切れてるわよ。切れてなかったら復讐なんて…っ!」

「それでも。僕は、そう信じてみるんです。…お仕事、行ってきますね。ミーシャさん」

「何よ?」

「神様って人に、僕は祈ってみたくなったんです。それじゃ、後でまた」

「って、ちょっと…行っちゃったし。神様、神様、ねぇ?」


「…いるわけ、ないでしょ、こんな世の中で…」






■場面転換 とある教会


「…」

「おや、今日もひなたぼっこですか?良いですね。私もお邪魔させて頂いても構いませんか?」

「勝手にしろよ」

「そうですか。それではお邪魔しますね。…っと、そうだ!せっかくですしお茶にしましょうか。今日は美味しいお茶菓子が手に入ったんですよ!君も是非どうぞ」

「いらん」

「そう言わずに…ご飯もほとんど食べていませんし。神がもたらしてくださった恵みを一緒に頂きましょう?」

「俺は神とか信じてないからな」

「それではダメです。神を信じる者…」

「信じる者は、救われるってか?…どうでもいい」

「…」

「死んだと思った。確実に」

「…私も、死んでしまっているのではないかとひやひやしました。死神よりもわずかに神術による神の加護があなたを救いました。…けれど、あなたはそれを求めてはいなかったのですね」

「…」

「少し、お話をしましょうか」

「…神の話か?興味ない」

「そう言わずに。さっきの続きですよ。君は"信じる者は救われる"と言いましたが、…信じただけで救いが手に入るわけ、ないですよ。そうなら、この世の中今じゃ楽園のようになっているはずですからなね」

「聖職者のくせに、あんたも神を信じてないのか?」

「いいえ、私は神を心から信じております。でないと、神術が使えないことをあなたも知っているでしょう?」

「…まあな」

「…神は、ですね。信じるものに救いを与えるんじゃないんです。…"勇気"を。ほんの一握りの"勇気"を授けてくださる。そして、その"勇気"を正しく使えた者の前に、"奇跡"は起こるのです」

「…"勇気"?」

「神から"勇気"を授けられた人間はね、その"勇気"をきっかけとして目の前にある大きな壁に立ち向かうんです。そして、"勇気"を授けられた人間は途方も無く大きく、決して壊れるはずの無い大きな壁を壊す。…それが、"奇跡"なんですよ。"奇跡"は人間が起こすんです。神はそのきっかけである"勇気"を私達にくださるのですよ。どんな物事にも負けることのない"勇気"という強い心を、ね」

「…神は奇跡を起こさない。か…」

「されど、神は"勇気"を授け、私達を"奇跡"へと導く。…私の先輩から教えてもらった言葉ですよ」

「”勇気”…か…」

「…おっと、私としたことが話に夢中でまだお茶菓子もってきてませんでしたね。すぐに持ってきますから、ちょっと待っていてくださいね」

「…牧師」

「はい?なんでしょうか」

「ここは、教会なんだよな」

「…多少ぼろいのは認めますが。由緒正しき教会です」

「…教会にさ、懺悔室って、あったな」

「え?えぇ、ありますが…」

「茶菓子はいい。…邪魔、させてもらう」

「…はい。お話聞かせて頂きますね。でも、お茶菓子もその後に食べましょうね!」

「…気が向いたらな」


◇場所移動 懺悔室


「…あのな、牧師」

「はい。なんでしょうか」

「…俺は、自分の復讐のために関係無い人を殺して、復讐相手を殺した後、収まらない心を収めるために、その復讐相手の娘にも復讐しようとして、そして成し遂げた」

「では、私が見つけたときの傷は君がその復讐を成し遂げようとした時に出来た傷なんですね。よかったですね。君の目的は果たされた…そうでしょう?」

「成し遂げた。あぁ、成し遂げたさ」

「それでも、まだ君の心は収まらないんですか」

「逆だ。…何も感じないんだ。空っぽで。嬉しさも、喜びも、達成感も何もかもを。…復讐を成し遂げた瞬間には確かに俺は何かを感じたんだ。だが、今は何も感じない。牧師、お前は何故だと思う?」

「…そうですね。その、私には詳しいことはわからないのですが…君は、その復讐相手の娘さんを殺したのですか?」

「いや。…殺されるはずだったのは、俺だ」

「君が…?」

「ただ殺しても俺の心は晴れなかったからな。"最も信頼出来る者に裏切られる"それが、俺の復讐だった」

「…それで、どうして君がその娘に殺されることになるのですか?"最も信頼出来る者に裏切られる"それなら、君がその娘を殺すことでもよかったはずです。それなのに、どうして君は自分が娘に殺される、という方法を取ったのです?」

「それは…」

「君にも、わかりませんか?」

「…」

「…そうですね。1つ提案があるのですが」

「なんだ?」

「賭けをしませんか?私と神と」

「…賭けを…?…俺の問いかけの答えは、それなのか」

「はい。賭けです。…君の復讐を成功させるためには、その娘から君が最も信頼される者にならなくちゃいけない。そして君はそうなった。そうですよね?」

「そうだ」

「大変でしたか?」

「…大変もクソもあるかッ!クソガキが…目を離すとすぐどっかに行くし、作ってやった食いもんを不味いって言いやがるし、掃除洗濯と俺がやってやってるのを珍しく手伝いに来たと思ったら仕事を倍にして返していきやがるし。だいたい、俺は辛口が好き何だってのになんであいつのために甘口にしなくちゃなんねぇんだよ!クソッ!!次ぎ会ったら…ッ!!」

「次、会ったら?」

「会ったら…」

「…君のご飯。美味しく無いって言ったんですよね?それで、その子、君のご飯残したんですか?」

「…食った。不味いっていいながら、残すことは無かったな。けど、それは食いもんが貴重品と知ってるからだ。別に…」

「自分が作った物だからでは無い。ですか?」

「…」

「私は、きっとその子が君の料理を不味いと言いながら全て食べたのは、君が作ってくれた物だからだと思うんです」

「…」

「君がとった"自分が殺される"という復讐方法は、君が思うよりももっと残酷なものなんです。君が本当にその子にとって”最も信頼出来る者”であったために」

「何故そう思うんだ?」

「…君がその子のことを話す時。楽しそうに喋ってくれたから、ですよ。君は、心のどこかでその子のことを大切に思っていたはずです。いや、そんなの私に言われなくたって君は気づいてます。だって君は"殺す"復讐では無く"殺される"復讐を選んでいる。…君が"殺される"復讐が成し遂げられた時。その子の中で信頼よりも復讐が勝ればその子には未来が待っています。復讐を成し遂げたという達成感とともに」

「…そんなこと考えて復讐なんてやってねぇよ」

「…そこで、です。賭けをしませんか?私と神と」

「俺が、…アイツを大切に思っているか、をか?」

「それと、その子が今でも君の事を信頼しているか、もです」

「…んな事あるわけねぇだろッ!?俺はアイツの復讐相手なんだぞッ!!??」

「それじゃ、君は信頼していないに賭けるんですね。よかった。これで賭け成立ですね。私が勝ったら…そうですね。その子を連れて教会に来てくださいよ。私もその子のこと見てみたいです」

「…〜ッ!!お前人の話聞いてるのかッ!!??」

「君がその子に会って、君を再び殺しにかかるなら私の負けです。私も神はいないと認め、この命、神へと返しましょう」

「…お前…」

「けれど、その子が君に会って、殺すこと無く君を受け入れてくれたら。その時は私の勝ちです。その子と一緒にこの教会へと遊びに来てくださいね」

「…1つだけ聞くぞ。アイツが、俺のことを信頼していると思った理由はなんだ?」

「君がその子のことを話す時に、とても楽しそうでした。そんなふうに君に大切に思われているその子なら、君のことを受け入れてくれるはず…それが理由ですよ」

「…」

「"神"は私達に救いを与えてはくれません。けれど、その代わりに"勇気"を授けてくださるのです。ほんの一握りの、"勇気"を…その後は、君も知ってますよね」

「…ほんの一握りの"勇気"…」

「その"勇気"で、起こしてください。…"奇跡"を」

「…お前の勝ちは無いぜ、その賭け」

「私は神を信じてますから」

「…そうか」

「っと?どちらへ?お茶菓子ですか?」

「甘いもんは嫌いだって言っただろ?」

「でも、今ではそんなに嫌いじゃないんでしょ?」

「…茶菓子はいらねぇ。それより、行くところが出来た」

「行くところって…今からですか?その怪我で!?」

「かすり傷だ。とっとと終わらせに行くだけだ」

「いや、君は右目と右腕が…そうですか。…その怪我のことを考えると君を止めたいのですが、その様子だと止めても君は止まってくれないでしょうね。…あ!そうだ」

「…?」

「名前!君の名前知りませんよ!まともに喋ってくれたの、今日が初めてでしたから。私の名前はエデルです。君は何て言うんですか?教えてください」

「嫌なこった」

「えぇぇ!?」

「…もし、ここにまた来るようなことがあったら教えてやるよ!」

「え、あ…はい。その時はその娘さんのこと、私に紹介してくださいね」

「…」


◇場面移動 教会外 



「…ほんの一握りの"勇気"か…神を賭け事に引っぱりだすなんて、聖職者のやることじゃないだろ」


「"奇跡"、か…」
















■場面転換 シエルメサイド


「…」


(空が青い。風も吹いてる。鳥が飛んで、木の葉が重なって音が鳴ってる。

いつも通りだ。わたし以外。いや、ちがうや。1つだけ足りないだけなんだ。でもその1つがとてつもなく違うものに変えてるんだ。

復讐ってとてもすてきなものだってロットは言ってたそのすてきなモノのためにロットはわたしを手伝ってくれた。

…どうして?ロットがわたしに復讐するために?ロットはもっともしんらいするモノに裏切られることで、わたしに対する復讐にするって言ってた。

それならきっと、ロットの復讐は成功したんだろうな。わたしはロットのこと信じてた。でも、ロットは違った。わたしのこと嫌いなんだって。憎いんだって。大嫌いなんだって…そう言ってた。だから、わたしは裏切られたんだ。

でもね、ロット。1つだけちがうよ。

ロットは、ロットの復讐と、わたしの復讐が成功したって言ってた。これで終りだって。

そうだよ、わたしの復讐も、ちゃんと"なしとげられた"んだよ。だってわたしは、わたしのこの手で。



刺した。思うままに。ロットが、言う、仇に復讐するために。

…でもね、ロット。おかしいよ。

復讐が成功したら、とってもすてきな気分になるんでしょ?…おかしいよ。

わたし、ちっともそんな気分にならないよ?仇を倒せば、すてきな気分になれるんでしょ?わたしの中にある黒いものがなくなるんでしょ?…復讐相手(ロット)を殺せば、わたしは幸せになるって、ロットが、言ったのに!!



…なんでかな。わからなくなってきたや。

ここは何処だっけな。わたしって誰だっけな。

わたしは何をしたかったんだっけ。どうしてここにいるんだっけ。

ああ、なんにもないや。なんにもないよ。



しあわせな気持ちも、すてきな気分も、やさしさも、ぬくもりも、こころも。

ロット、なんにも感じないよ?わたし。











…違う。








…涙しか、こぼれてこないよ…










◇場面移動 ミーシャ&メルキド


「メルキドぉぉおおお!!!」

「ってうわざあ!ミーシャさん!?なんでここに!?」

「…っメルキド!あんたシエルメ見なかった!?」

「シエルメさん?…いいえ、見てませんけど…何かあったんですか?」

「…ご飯。皿片付けようと思って部屋に入ったら、いないのよ、アイツ。部屋の何処にも…ッ」

「いったいどこへ…?」

「わからないからアンタに聞いたんでしょ!?ちょっと、何か思い当たる節でもないわけ!?」

「わわあわわ!帽子!帽子飛んじゃいますミーシャさん!!」

「ったく。…あの子の行く所。…まさかね…」

「ミーシャさん?」

「…行くわよ、メルキド」

「心当たり、ですね」

「そこに居るのかわからないけど。…ともかく、行ってみるの」

「僕もお供します。…あ、すみませんお仕事の件ですが少し抜けさせて頂きますね。絶対にこの仕事は終わらせますから、それじゃ!」

「準備いいわね!?いくわよ!」

「はい。ミーシャさん!」


◇場面移動 遺跡 シエルメ


「…」


(深いな。思ってたよりも。こんなに真っ暗だったんだこの穴)


「…」


(落ちたらどれくらいしてから地面にぶつかるのかな。恐く無いといいな。それと痛くないほうがいい。恐いのも、痛いのももう嫌だから)


「…」


(…一歩。進んだら、そしたら…)




「!いました!ミーシャさんシエルメさんが!」

「あの馬鹿ガキッ!後追いでもするつもり!?冗談じゃないわよ!!止めなさい!!」




「…」


(ミーシャにメルキドだ…こっちに来る前に終わらせなくちゃ。きっと起こられる。…起こられるのも、もう、嫌…だから)










「さよう、なら…」












(これで、もう何も…)














「…悪いな」













(…?)













「お前が地獄まで俺を追いかけようとしても、その先に俺はいなんだ」














「だからさ、悪いが。その穴に飛び込むってのは無駄ってもんだ。シエルメ」



「…ロ…ット……?」












◇場面転換 シエルメ&ロット&ミーシャ&メルキド


「あんた…ロット!?生きて…って、その腕…?」

「ロットさん、右目も…」

「ん?あぁ、潰れたらしい」

「らしい!?そんなの言ってる場合じゃないでしょ!?」

「そうです!処置は施されてるとはいえ、安静にしてないと…」

「かすり傷だ。それに、そんなのどうでもいいんだよ。…な、シエルメ」


「ロット…?」

「そうだ。殺したと思っただろ?俺も死んだと思ったんだがな。運良く誰かに拾われたらしい。いや、お前に取っちゃ運悪く、か」


「ちょっとロット…」

「しーっミーシャさん。ここはひとまず…」

「なんでよ!」

「ともかく、ここは、シエルメさんに任せましょう?」

「…〜っわかったわよ…」


「ロット。ね。生きてるの?死んだんじゃ、なかったの?」

「あぁ。そうだ。生き残ったんだ。運良くな。…残念だったな?復讐相手を殺したと思ったのにしぶとく生きててよ」

「…」

「これで、ふりだしに戻ったわけだ。…俺が殺すか、お前が殺すかそう、一番最初にな」

「…違うよ。ロット。戻ってない」

「何がだよ。戻っただろ?お互い復讐相手。そいつが目の前に…あの時と同じだ。この遺跡が崩れる前と」

「違う。違うんだ。あのね、ロット」

「…?」







「わたし、殺せないや復讐相手(ロット)のこと」



「!?…なっ…何を…」

「あのね!…わたし、ずっとわたしの復讐相手のこと嫌いだった。憎かった、嫌だった、大嫌いだった!!ロットがわたしに、わたしの復讐相手がロットだって教えた時、大好きだと思えたロットのことが大嫌いになったッ!!頭の中が真っ黒になって、ロットを消すことがわたしの生きていた意味になったッ!!!…だけど…ッ!!」


「…ロットが本当にわたしの前からいなくなって。ずっと、わたしの心の中はからっぽだった。黒いなにかも、よろこびもなんにも無くてぽっかり。…それがね」


「ロットに会って、ロットに会えて。なんでかな。ロットのこと、嫌いだけど、大嫌いでッ!とっても憎いのに。…ねぇ、ロット。わたし…"嬉しい"よ。どうしてかな。復讐を"なしとげても"ならなかったのに」




「あのね。ロット。わたし、今ね」






「…とっても。すてきな気分だよ」










「だから、わたしはロットのこと殺せない。ロットを殺しちゃったらきっとこの気持ちはもっと嫌なものに変わるってわかるから。だから、あの時に戻ってないんだ」

「…」

「わたしはロットのこと殺せないから。ロットがそうしたいんならわたしを殺してもいいよ。最初はそうなるはずだったんだもん。わたしはロットがいなかったらきっと今まで生きられずにそのへんで死んでただろうから。だから、ね?」

「…そう、か…」

「あ、えっとね。わたし痛く無いほうがいい。痛いのいやだから。さっきまでずっと痛くて、今ロットに会ったおかげで痛く無くなったんだ!だから痛いのはいや!一撃で、どすーんとがいいな!」

「…一撃で、どすーんと、な」

「うん。それがいい。痛く無いし。…だから、おねがい」

「そうか…それじゃ、いくぞ」

「…うん。恐いから目、瞑る」










「…ついでに歯も食いしばっとけ」

「うん…って…え?」








「でいやッ!!」





ガンッ!!





「…〜ッ!!??いったいぃいいッ!!!!」













「よし!奇麗に脳天一発どかーん、といったな。拳骨が」

「〜ッ!!!!いたい!いたいよ!?わたし痛くしないでっていたのに!!??」

「うるせぇ。知らんな!俺が法律だ!!ああ、もう今日は好き勝手してやるッ!!いつも以上に好き勝手してやるッ!!!…シエルメッ!!」

「えぇッ!?なに、なに?え、なに?なんでそんなに恐い顔?え、え?」

「お前のせいで賭けに負けたんだからな、今日は俺のかわりに掃除洗濯全部やってもらうからな。おっと、そういえばいつも俺が荷物もたされてたんだっけ。それもしばらくはシエルメだな。片腕で俺は持てないしな」

「…え、え?え、ま、まって、ロット。わたしなんのことかさっぱりだよ!?賭け!?」

「あぁ、賭けだ。…もう一度会った時お前が俺を殺さないどうか賭けたんだよ。牧師と」

「牧師様と!?な、なんで牧師様が賭けなんかやってんの!?って…わたしが、ロットを殺さないか…?」

「牧師が勝ったから、お前を連れて一緒に教会行かなきゃならねぇんだよ。そういう賭けだったからな」

「わたしと、ロットで…?」

「そう!俺が隻腕になったからな。荷物持ちとか色々考え直さないとダメだろ?後、掃除洗濯は今までやらされてきた俺のささやかな嫌がらせだ」

「嫌がらせって!わたしも手伝ったことあるよ!?」

「お前は洗濯物干そうとして地面すって泥まみれにしたことしかなかっただろうが!!」

「え、えーっと…身長が足りないんだもん!だって!!」

「お前が小さすぎるんだよ14歳でその身長にその胸だぁ!?最初に会った頃と何も変わってないだろ、年齢詐欺なんじゃねぇのか!?」

「うーっ!人の気にしてるところを!!うるさい、この悪人面!!」

「うるせぇ!このチビ!!」

「あーっ二回も言ったーッ!!」

「ったく。…うるせぇなぁ、本当に…」



「…ね。ロット」

「…なんだよ」

「…殺さなくて、いいの?」

「あぁ、いい。…俺も、空っぽで何も感じなかったけどさ」

「…」

「…今、感じてるから、それでいいんだ」

「そっか…そっか!よーっし!それじゃどっちが先に宿につくか競争!よーい、どん!!」

「あ、おい!まだ俺は参加するなんて一言も…ッ!!」

「早い者勝ちーッ!!」





「…ったく…こっちは片腕無くてバランス取りにくいってのに…」

「ねぇ。アンタ誰かのこと忘れてないかしら」

「ミーシャさん。複数形でお願いしますね!」

「なんだ。お前らまだいたのか」

「まだって…アンタね!あのガキが今までどうしてたお思ってるのよ!ご飯も食わずに、今まで…ッ!!」

「ミ、ミーシャさん!怪我人!しかも重傷患者ですよ!!」

「…そうか。俺も最近までまともにうごけなくてな。…世話になった」

「!?アンタ…」

「さっきの会話聞いてただろ?だから、ま、そういうことだ!…あ。アイツ飯食ってないのに急に走って行ったのか…?」

「そういえばそうですね…もしかして、途中でひっくり返ってるかも」

「あー…次から次へと面倒ばかり…ったく、しょうがねぇなあッ!」


「…しょうがない、っていいつつ。嬉しそうでしたね」

「はぁ。ったく…心配して損したって感じかしらね?」

「いいことじゃないですか。ね?ミーシャさん」

「…そうねー。それじゃ、私も記者として取材させてもらうとするわ!特ダネ〜ッ!!」

「あ、ミーシャさん待ってください!僕も行きますからーッ!!」

























■場面転換 某時間、某場所


ギィ…


「っと。お客さまですね!ちょっと待ってて!今そっちに行くから…」



「急がなくてもいいぞ。むしろ、転げろ」

「なんでそんなに不機嫌そうな顔なの?ミーシャもメルキドもいないのに」

「うるせぇ。…あー…気が重い…絶対あの野郎笑顔でくるんだろうな…」



「よいしょっと。いらっしゃい。今日はどんな御用で…」

「よう。相変わらずそうだな」

「初めまして!」

「君は…それに…」

「…コイツの名前はシエルメ。こう見えても怪力バカだから気をつけろよ」

「そういうふうになるように訓練したのだれだっけ」

「…聞こえないな!んで、だ…俺の名前は、ロットだ。…これでいいんだよな?エデル」

「…うん。これでいいよ。ロット、シエルメいらっしゃい!…会えて、嬉しいよ!」















__現代編へ

つーかーれーたー。

台詞だけで8866文字かよ…気づいたらもう朝だしさ…おい…

と、まぁこれが過去編→現代編です。こんな感じ。

シエルメのモノローグの喋り方と最後の喋り方が違うのはわざと。

ロットの喋り方は過去編ではもうちょいおとなしい…?たぶん。たぶん。


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