死
何事に関しても言えることだが、死は突然にやってくる。
私が中学生の頃、飼っていたハムスターが死んで、それからしばらくの月日が流れると、バイト先でお世話になったりした知り合いが、11月に二人もいなくなった。
理由は、がんだった。
そして今日、猫が死んだ。
ペット達は、自然死で、どれも悲惨な死に方はしていなかった。
弱っていく姿が手に取るようにわかる人間とは、違っていた。
特に猫は、死期がわかると、飼い主に死体を見せぬよう隠れるのだという。
本当にその通りだった。
ある日、フラリとどこか行ってしまったまま、姿を見せなくなった。
5日目、さすがに気になったので探しに行くと、隣の家の床下とも言える狭い空間で、綺麗な姿を止めたまま固まっていた。
悪臭も漂っては、いなかった。
おそらく、冬であるからはえもそんなに集らなかったのだろう。
動物は人間より寿命が短い。
それは、どうしようもないのだ。
どうすることもできない。
老いていく体を、永遠に若いまま止めておくことは出来ない。
そして、寿命を無くす事もまた、できはしない。
いつも、誰にだって訪れる死は、自分で早める事はできても、遅くすることは出来ない。
いつしか死が訪れ、死の意味を知ったとき、死に恐怖を抱いたりもする。
そして、そのものに対する涙を流したりもする。
だからこそ、命は儚いと思えるし、命は大切なんだと思えるのだと思う。
私の体、すべてを差し出して、一体何人の人が助かるのだろう?
自殺する人や、自殺しようとしている人の、体を差し出して、一体病気の何人が救われるのだろう?
わからない。
けれど、今日も私は、生きている人に、精一杯生きてほしいと思う。
私も、せいぜい精一杯生きてやろうと思っている。