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廃神~ぼくのループものクトゥルフ高校生活も遂に100周目突入~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中


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22話 最低の要求。


 22話 最低の要求。


 薬宮トコという、このクソ面倒くさい女を助ける難しさを改めて認識し直す砦。


 どうにかして、好感度を稼がずに南雲を助ける方法を探す、

 が――


(殺意級ヘイトのコントロールは流石にダルい。何か他に……考えろ……考えろ……)


 フル回転させたが、結局、スマートな方法は思いつかず、


(ちっ……結局、こんな力押しの手段しかないか……クソダリぃ)


 心の中で舌を打ってから、

 スゥっと息を吸い、

 一度ギュっと目を閉じて、


(シフトさせろ……俺はクズ……とんでもないクズ……最低のドクズ野郎……)


 ガツンと心に気合を入れてから、ニタァっと、最低の笑みを浮かべる。


「いいぜ、助けてやる」


「ほ、本当?」


「ああ。……当然、報酬はもらうけどなぁ」


「分かっているわ。今度は、こちらから正式に依頼する訳だから、報酬の額は、最低でも、前の十倍は用意させてもら――」


「睡眠プレイさせろ」


「……は?」


「超お嬢様の現役女子高生を一度味わってみたいと思っていた。それも、俺が大好きなシチュエーションの睡眠プレイ。寝ている女を好き勝手に犯すプレイ。お前がそれを飲んでくれるなら、助けてやってもいいぜ」


「……」


 神話を狩る美少女達から、ビシビシと軽蔑の視線が注がれる(罪華だけは、足下のアリを観察している)。


 砦は、つい反射的に、トコの顔を窺ってしまった。

 トコは、苦々しく奥歯をかみしめていて、眉間にグゥっとシワを寄せている。


(誰に、どれだけ嫌われても構わないと本気で思うんだが……トコから注がれる『ゴミを見る目』だけは……やはり、痛いな……)


 心痛。

 指先の痺れ。

 頭痛と目まい。

 まるで、高所から落下しているよう。


 だが、決して、それを表には出さない。



(……くだらねぇ……どうでもいい……痛いからなんだってんだ……)



 心を閉じ込める。

 ミッションの完遂だけを考える人形になろうとする。


「何、黙ってんだ、紅院。返事は?」


 ――紅院は、数秒ほど悩んだが、


「分かったわ」


 決意と覚悟を込めた声でそう言った。


「ミレー、おいっ!」


「黙っていなさい、トコ」


 紅院の覚悟に対し、周囲の美少女たちは一様に驚いている。

 流石の茶柱も、意外そうな顔で、紅院を見つめていた。


 ――砦は、紅院の返事を受けて、


「ふははっ!! マジで? 承諾すんの? はっはぁ! っしゃぁああ!!」


 必死に、心底からの愉悦を感じさせる笑い声をあげながら、


「てか、お前、バッカじゃねぇの? 南雲みたいな、何の価値もないゴミ女のために、そこまで体張るとか、マジで狂ってるわぁ。はっはっはぁ!」


「私は、神話生物対策委員会のリーダーとして、貴重な戦力を守る義務があるのよ」


「あのゴミが戦力?! ははははは! アホかぁぁ! あんなん、肉壁にもならねぇよ」


 砦の暴言に眉をしかめながら、

 紅院は、心の中で、


(奈桜は、震えながらも、私達と共に戦うという意思を示した。私はリーダーとして、彼女を絶対に助けなければならない。そのためなら、体の一つや二つ……)


 紅院は、自分を律するように、一度だけ深呼吸をしてから、


「報酬に関しては了承したわ。けれど、奈桜に対する先の暴言は取り消して。助けて欲しいと頼んでいる身で偉そうな事を言うべきではないと理解はしているけれど、あの子を侮蔑する発言だけは看過できない。奈桜をバカにしないで」


 その発言を受けて、

 砦は、つい眉間にシワをよせてしまった。


(take0の時の俺の事は、お荷物扱いでトコトン見下していたくせに……南雲の事は体を張ってでも守ろうとするのか……ちっ)


 砦は、過去の紅院を思い出す。


 take0の時、携帯ドラゴンを召喚できるようになったばかりの頃、

 ピーピー泣き喚いて逃げ回るだけだった砦に対し、

 紅院は、いつだって、

 『泣きたいのはこっちだ』

 『この、クソお荷物』

 『あんた、男なんだから、私達を守ってよ』

 とでも言いたげな表情を浮かべて睨みつけてきた。



 ――あの目は……痛かった――



(やっぱり、同性っていうのが大きいのかねぇ……って、んなこたぁ、どうでもいいだろ)



「ちょっと、聞いているの?」


「ぁ? 何が? 考え事していたから、お前の戯言なんて、全然聞いてなかったわ」


「なっ……くっ」


「それより、紅院。オプションに、中出しをつけてくんない? 仮にガキが出来ても、堕ろす金くらいあんだろ? なんだったら、俺が腹蹴り飛ばして殺してやるよ。だから、なあ、いいだろ?」


 その、あまりにもあんまりなセリフを受けて、

 紅院は、流石に顔を歪ませてしまう。


「……ど、どこまで……下劣……最低にもほどがある……」


 底知れず増加していく嫌悪感。

 もはやアレルギー。

 砦という人間を認識するだけで嘔吐を催すほどの生理的忌避感。


 砦は、一瞬で、ニタニタ顔からキレ顔にシフトさせて、


「ぁん? 下劣だぁ? 誰に、どんな口のきき方してんだ? 俺様は、お前らのオトモダチを助けてやれる唯一の超人様だぞ! クソ生意気なゴミ女がぁ! 不愉快! 不愉快だ! 手をついて謝れ! そして、クツをなめろ! 当然、靴底もキッチリな!」


「……くっ」


 紅院くれないんが、屈辱のあまり、泣きそうな顔になった、

 ――と、そこで、トコが、


「砦。それ、全部、あたしじゃアカンか?」


「トコ、黙っていなさい!」


「お前がだまれ、ミレー」


 視線を砦に固定させたまま、冷たい声でそう言い放つトコ。


 そのまま、


「……頼むわ、砦。クツでもなんでもナメたるし、あたしの体やったら、好きにしてくれてええから、ミレーには手を出さんといてくれ」


 砦は、つい目を閉じて奥歯をかみしめてしまう。


(お前なら、そう言うと思っていた……お前は、いつだってそうだ……昨日の夜も、俺の敵意がお前だけに集中するように必死で立ちまわっていたよな……お前は……ほんとに……本当に……どうしようもないクソバカ女だ……)



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