19話 喜んで俺様の性奴隷になるのが筋ってもんだろう!
19話 喜んで俺様の性奴隷になるのが筋ってもんだろう!
ゆっくりとだが、しかし、おおよその状況が掴めてきたのか、
美少女達の顔が、どんよりと曇っていく(罪華だけは、アクビをしている)。
「……こ……こんなんに助けられるくらいやったら、殺された方がマシやったな」
トコがボソっとそうつぶやくと、ほかの美少女たちも、ドン引きの顔で首を縦に振った(罪華だけは、枝毛を気にしている)。
「あ、ちなみにブラでもいいぞ。ぶっちゃけ、脱ぎたてだったら何でもいい。まあ、一番は、やはりパンツなんだが――」
「やる訳ないやろ! アホかぁ!」
「はぁ? 命を助けられたのに、その態度はなんだ? お前らは! この俺に! 命を! 助けられたんだぞ! わかってんのか! あぁああん?! 本当だったら、俺様の性奴隷になるくらいじゃないと報酬としては成立しないんだぞ! そういうもんだろ! 命の! 恩人ってのはぁ!! あぁん!」
「お……おしつけがましい……なんや、こいつ……」
「おしつけがましいだぁ?! バカか、てめぇ! 妥協して、パンツでいいと言っている俺様の、仏も裸足で逃げ出すであろう人外級の優しさがわからんのか? おぉ、ごらぁあ!」
そこで、紅院が、ゴミを見る目で、
「……あれほどの強さをどうやってとか、携帯ドラゴンをどこで入手したのかとか、色々と聞きたい事はあるけれど……『そんな事はどうでもいいから、さっさと視界から消えてほしい』と思ってしまうほどのクズっぷり……こんな最低な人間を見たのは初めてだわ。……確かに人外ね」
「ん?! ぁ! お前、紅院じゃん。確か、すげぇ金持ちのお嬢様だよな? よし、パンツはいいや。お前ら、ぶっちゃけ、タイプじゃねぇし。報酬は金でいい。ほら、紅院、金をよこせ。それで風俗に行くから。ぐへへ、前から、おっパブとかソープとかに行ってみたかったんだよなぁ。金さえあれば、女なんかいくらでも……ぐへへへへへ」
「……き、キモいぃ……うぇっ……おぇっ……」
本当に吐きそうな顔をしている紅院。
ドン引きしている美少女達(罪華以外)に、砦は追撃する。
「おい、何してんだ。はやく金出せ。モタモタすんな、犯すぞ。もしくは殺すぞ。俺がその気になれば、お前らなんざ、瞬殺……ぁ、死姦もいいなぁ。殺して犯そうかなぁ――」
パァンっと、乾いた音がした。
トコが、砦の右頬を思いっきりビンタした音。
「助けてもらった事は感謝しとる。助かった。あんたがおらんかったら、あたしらは死んどった。間違いなく、あんたは、あたしらのヒーローや。……けど、ミレーたちに妙な事をするつもりなら、死ぬ気で抵抗させてもらうからなぁ」
「痛ぁ……ぉい、ごらぁ、クソロリ女ぁ、ペタンコの分際で、何ハシャいでくれてんだ。貧乳には発言権どころか人権すらないって事を、この熱い鉄拳で教えてやろぉかぁ? あぁ?」
睨みつけられても、一切動じることなく、砦を睨みつけているトコ。
そんな彼女の目を見て、砦は、
(よし、完璧だ。これで、俺に対する好感度は死んだ)
心を殺して、『より醜い仮面』をかぶる。
「おいおい、おいおいおいぃ! なんっなんだよぉ、このブスロリはよぉ。キッモい目で睨んできやがって……けったくそわりぃ」
「誰がブスや。目ぇ死んどんのか? どっから見ても、あたしは、世界一の美少女やろ」
「うおほっ、ラリってんな、このロリ。自意識のバケモノかよ。きっしょぉ」
嫌悪感を全力で顔に張り付けて、
「おい、金髪の虫ケラ。よく聞け。今後、二度と、俺に話しかけんな。今でギリ。限界。これ以上お前の顔を見てたら、キモすぎて死ぬ」
そう吐き捨ててから、砦は、視線を紅院に移し、
「おい、紅院。さっさと金を出せ。ぶっちゃけ、お前らを助ける気なんかサラサラなかったが……しかし、事実、てめぇらは俺に助けられた形になった訳なんだから、その俺に対する報酬は払って然るべきだろ、常識的に考えてよぉ」
「あんたみたいなのが、常識を語らないでよ」
「ぁあ? おい、調子に乗んな、カス女。お前らの命は、俺の気分次第だって事をいい加減、理解しろ。それとも、マジで、全員死ぬか? 俺は、別に、それでもいいんだぞ」
そう言って、砦は、右手を彼女達に向けた。
血が凍えるほどの、明確な殺意。
伝わってくる『本気』の意志。
トコが、
「あんた……ええ加減にせぇよ、ほんま。そろそろ、シャレではすまんぞ」
砦の右腕をガっと掴んで凄む。
血走った目。
「触んな……気色悪ぃ……俺、ロリ無理なんだよ。ゴキブリの方がまだマシだ……おえっ」
怒気に染まる低い声でそう呟きながら、砦はトコを睨みつける。
右腕にグっと力を込めて、トコの手を払い、
「つぅか、いい加減にすんのはテメェだろ、このクソロリ虫けらがぁ……態度、悪いんだよ、さっきから……」
「さっきも言うたが、感謝はしとる。助かった。ほんまにありがとう。あんたは命の恩人や。ピンチを助けてくれたヒーロー。ほんまのほんまに感謝しとる……せやから、頼むから……それ以上、無様を晒さんといてくれ。ストレートに感謝させてくれ」
「無様……だと?」
砦から、また、ピリっと濃厚圧が走る。
紅院は理解した。
(この男は破綻者だ。会話が成立しない。力だけはあるサイコパス。つまりは最悪……)
紅院は、慌てて、
「ぁ……アレス、今あるお金をぜんぶ出して」
命令された直後、アレスは、口を開いて、
厚みのある諭吉の束をバババっと吐き出した。
「砦! 金よ! 払うわ! 二千万! この場で用意できる限界額! 足りないって言うなら、今からでもパパに――」
「ひゃっはぁ! スゲェ大金!! 流石、紅院家のお嬢様!」




