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ピッパ視点

私の家はいわゆる農家だ。

お父さんと馬のジャンヌがいる、小さな農家。


お父さんは街の人から凄い慕われていてお父さんの知り合いが良く私にも声をかけてくれて私はこの街の人が好きだった


お母さんは私を産んですぐに亡くなってしまったけど、それでもこの街と大好きなお父さん、そしてジャンヌがいたから全然寂しく無かった


5歳位のある日、突然ジャンヌの言葉が分かるようになった。

大好きなジャンヌとお話出来るなんてなんて幸せなんだろうと神様に感謝した。


しかし馬とばかり話していたら周りの子から気味悪がられて全然友達が出来なかった

お父さんさんはお友達一杯いるのに娘の私はなんでこんなに友達が出来ないのだろと泣いていたらお父さんが


「ピッパは心が綺麗だから神様が馬とお話出来るようにしてくれたんだね。お父さんの自慢の娘だよ。」


と、優しく頭を撫でてくれた。


そんな優しいお父さんとジャンヌがいるこの毎日は本当に幸せだった。


15歳になった頃、隣国との戦争でお父さんはいかなくてはならなくなった。


私は全力で行かないでと言ったが


「ごめんね、ピッパは良い子だからジャンヌと少しだけ待っていてくれるかい?」


と頭を撫でられた。もうそんなに子供じゃないけどそんな事言われたら何も言えないじゃない。とお父さんを見送った

ジャンヌは元気の無い私に一杯話しかけてくれたので何とか、お父さんの畑の手入れをしながら過ごした


数日後、背の大きな男の人がお父さんの大事にしていたお母さんとの思い出のペンダントを持ってきた


お父さんが戦争で命を落としたと告げられた


私は目の前が真っ暗になった。

心配したジャンヌが話しかけてくれても何も応える事が出来なくなった。

何も出来なくなってお父さんの大事にしていた畑もどんどん荒れていった


街の人達もこの前の戦争で亡くなった人が大勢いて、みんな元気を無くし、お父さんの友人も心配して声をかけてくれる事もあったけどまともに応える事が出来なかった



そんなある日見知らぬ人が街に現れて突然ジャンヌの尻尾が欲しいと言ってきた


馬の尻尾なんて何に使うんだろう。まぁ別にもうどうでもいいやとジャンヌの尻尾を数本渡した。


彼は数本の尻尾と木を使い、もの凄い勢いで変な道具を作り上げた


何に使うの聞いたら


「これはねこう使うんだ」


と言って、突然音を鳴らしはじめてその音に合わせて何か喋り始めた。


その音とその声を聞いていたら今まで真っ暗だった世界が少しだけ色付き始めた。そしてお父さんが居なくなってから初めて涙が出た。


彼はそんな私を見て泣き止むまでずっとずっと音を鳴らしくれた


それからというもの私は彼のその音楽というものが大好きになった。


彼は案内した宿屋で毎日演奏していると聞いたので毎日聞きに行った。あまりお金は無かったけどお父さんの友人のエルラさんが


「あんたのお父さんには世話になったからねぇ」

と言って無料で入れてくれて彼の名前はシュンだと教えてくれた。


暗かった街のみんなもシュンが来てから少し明るくなって、みんなから好かれているシュンが何処となくお父さんの面影に似ていた





いつも様にシュンの演奏を聞き終わった後、宿屋をあとにしたら、お父さんの命を奪ったノーザン帝国がこの街に向かって来ていると誰が言った


その一言から街が大騒ぎになりみんなが慌てふためきはじめた


せっかくこの街も明るくなってきたのに・・・


また目の前が真っ暗になりそうになった時、汗をかいたシュンさんが真っ直ぐに私の方に走ってきた


「はぁはぁ。。。ピッパちゃん!ノーザン帝国がこの街に向かって来ているだ。このままだとこの街の人も大変な事になる!君と君の馬の力が貸してくるないか?」


唐突にシュンさんが言ってきた


ノーザン帝国。。。私からお父さんを奪い、そしてこの街も人も、そしてシュンさんも・・・けど私なんかに何が出来るというの?それにジャンヌまで奪われたらと、考えるだけで震えが止まらない


そんな時

『僕は大丈夫だよピッパ。それに僕も力になりたい。ピッパもこの街やシュンさんを奪われたく無いだろう。奪われたくないなら、立ち上がらなきゃ!』

横にいたジャンヌが声をかけてきた。


そうだ!奪われたくなければ戦わなきゃ!きっとお父さんもそうだったんだ!


私の意志は決まった


「分かりました。私とジャンヌで良ければ力になります!」


胸から力が湧いてくるような今まで感じた事の無い感情を抑えず私はシュンさんにそういった

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