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講習会!

「シュンさん、私、馬と会話出来なくなっちゃいました」


突然の一言に言葉を失う


今までの全ての馬に関する事はピッパちゃんあってのものだと言っても過言ではない。

競馬を行う事も、鞍付けなどの馴致やゲートなどピッパちゃんが馬と会話して馬に納得してもらって始めて行えていた事が多い。


いや、そんな事よりも


「ピッパちゃんは大丈夫なの?」


と、心配しながら聞くと


「なにがです?」


と首をかしげて聞き返してきた


「いや、、、馬と会話出来なくなって不安になったりとか、気落ちとかしてない?大丈夫?」


「んー、それはもちろん切なくなったりとかはありますけど、別に馬と接する事が出来なくなった訳ではないですし、より馬の事を知ろうと頑張れそうなのでいい機会かも知れませんね」


とこっち心配はよそに笑顔で明るく応えてくる。




なんてこの子は強いのだ。


自分は前世で一度海外に行ったことがあるのだが、会話が成り立たないのはもちろんの事、なれない看板や文字を見ただけで気後れしてしまい、すぐにホームシックになった。


同じ人間相手でもこんな事になってしまうのに、彼女はより相手を知ろうとするチャンスだと言ってのけた。


「良かった。自分も出来る限りサポートするから!」


と言うと元気良く「はいっ!」と答えた


とりあえずピッパちゃんが無事でホッと胸を撫で下ろしたのだが、別の問題はまだある


「けどこうなると、今までピッパちゃんがやってくれていた事を他の人が出来るようにならないといけないよね」



パール街から買われて出ていく馬は王国内では非常に評判が良い。



それは軍馬になるにしても、馬車馬になるにしても、1から全てピッパちゃんが馬に教え込んでくれていたからだ。


しかもその作業たるや、ものの数分である。



しかしピッパちゃんが会話が出来なくなった今はそんなわけにはいかない。



自分が競馬場の博物館で読んだ資料によると、人が安全に馬に跨り言う通り扱えるまで一週間はかかると言う。

同時に七頭始めた所で一日一頭ペースである。



となるとそれが出来る人が増えてもらわなければ、パール街はもちろんの事、アルマリン王国の問題にもなってくる。



「サークル宰相に状況を説明して、ピッパちゃんに講師として馬の講習会を開こうと思うんだけど、お願い出来るかな?」


「はい!分かりました!一人でも馬を好きになってくれる人が増えるなら何でもします!」



とグッと胸の前で握りこぶしを作り了承してくれた。




その後サークル宰相の所に向かい事の経緯を話すと、すぐに手配をしてくれて3日後に講習会が開かれた。











「というわけで発情した馬に不用意に近づくと身体を寄せてきて壁に挟まれたりするので注意が必要です」



ピッパちゃんが壇上に立ち講義を行う。



てかやっぱり知ってて僕を牝馬の横に立たせたのかっ!



くそぅピッパちゃんめ〜



いかんいかん西片君みたいになってしまった。


からかい上手のピッパちゃんは大人数の大人達の前でもしっかりと講義を進めている。





ちなみにこの講習会はピッパちゃんがメインで馬の扱い方を教えているが、馬の生態と言う面では馬を多く、そして長い期間扱っている年配の方も教壇に立ち説明をしてくれている




「出産が始まる一週間位前からおっぱいが、こう大きくなってな、ポタポタと白い乳が垂れはじめたら時間の問題よ。そん時にはな、アソコが「くぱぁ」ってするからよ。そうすりゃ出産の始まりよ!馬も人間も変わらねぇ。おっぱいと尻だけ見とけばいいんだべさ!ガハハ!」



うん、ためにはなるんだけどね?もっとこう、オブラートに包もう?未成年(ピッパ先生)もいるんだしね?



とピッパちゃんの方を見るとジトーっとした目つきでこちらを見ている。



なんでこっち見てるのっ!?


下品な事言ったのはあっちのおじさんだからっ!

てか高木さんはそんな怖い目しないよっ!?そんな目をするのはロシア人留学生くらいだよ?

それに基本西片全肯定だし。

いや、自分は彼ほど純真無垢ではなかった。くぱぁで笑ってしまったし。。。



「ちげぇーね!うちのかみさんも娘産む時もそんな感じだったな!ガハハ!」



ピッパちゃんの様子を気にせず会場は下品な笑いに支配されていると、「ごほんっ!」とものすごく通る咳払いが鳴り響く



そう、この会場には王国の叡智、サークル宰相がいるのだ。いつまでもそんな下品な会話を許す訳がない。




「、、、他に出産の際の特徴は?」



低くも通る声で進行を促すサークル宰相



「は、はい。1時間前から発汗や血管が浮いてきます。あと破水したらもう直ぐです。あっしは破水したら陰部から手を突っ込んで中の子っコの体位を確認します。少しの異常なら母馬を歩かしてるうちに正常になりやす」




「よろしい。あと今後下品な発言は慎むように」



「へい、すいやせん。。。」




宰相の一言で講習会はスムーズに進んでいった。

真後ろから近づかない。何か行う前に声をかける。鞍付けなどは基本左から行う。など基本的なものから、馬の好む食べ物や、病気や故障した際の治療等、とても為になる講習会となった。








そして次の日は馬を使った実技講習も行われた。



またピッパちゃんの鬼指導が始まると思っていたのだが



「そうです。もう少し手綱を引いて抑えてみましょうか?いい感じです!」


「馬の動きに合わして反動を取る事によって馬の負担は減るはずです。それをイメージしてやってみて下さい。」


「脚は蹴るイメージより挟む感じです。足は触れてる面積を増やす感じです。そうです、そうです」


実技講習には以前鬼指導を受けた騎士団の人達もいたのだが目を丸くして驚いていた。


「ピッパの姉貴、体調すぐれないのですか?」


あまりの変貌ぶりに心配になった騎士団の一人がピッパちゃんに声をかける


「姉貴はやめてください。。。いえ、私も馬と会話出来なくなったんですけど、会話出来ないとやっぱり馬の気持ちを理解するのって本当に難しいって分かったと言うか。皆さんの気持ちが今更ながら分かった感じです。今まですいませんでした。」


と頭を下げて謝罪するピッパちゃん


「いえ、謝らないでくださいっ!自分達もピッパの姉貴のおかげで馬乗れる様になったんですからっ」


というと、遠くの方から


「そーじゃねぇだろおおぉぉぉ!もっと罵ってくれよぉぉぉ」


と嘆きの声が聞こえてきた。

ドМがおる。色んな意味で需要があったんだな。


そんなどうでも良いことを思いながら、実技講習もつつがなく終わった。


「この度は講習ご苦労であった。これで次回以降の競馬の開催を含めアルマリン王国の発展に貢献したことに感謝する」


とサークル宰相直々感謝の言葉を口にする



「いえ、こちらこそ急な申し出に対してご配慮下さり大変有意義なものになりました。ありがとうございました」


ピッパちゃんや自分を含めとても為になる講習となった。


あとはジャンヌの子供が産まれるのを待つのみだ!

更新大変遅くなり申し訳ありませんでした。

四年に一度の祭典だし。。。と書く事から逃げてオリンピックに夢中でした。馬術「初老ジャパン」銅メダルおめでとうございます!パチパチパチっ!

普段関わりのない競技だと

「八村いるか?」「桃鉄かよっ!」「よぅ回るなぁ。かっこええなぁ。けどわざわざオリンピックでやらんでもよくね?」

等と適当にボヤいたりとか出来るのですが、ある程度関わりがあると、そこにたどり着くまでの経緯や努力がある程度想像できてしまう分、自分から言える事は何も無くただ素直に感動してました。

近場のサウナのテレビでおっさん達とボヤいたり感動を軽く共有しながら見るオリンピックは最高でした!ととのったー!


とうつつを抜かしていたら、先日友人から

「最新話はよぅ」と言われたので書こうとしたら、いやぁ全然書けないwしばらく期間を空けると素人如きでも書けないとか思ってしまうものですね。


ちなみに馬の講習会は度々開かれています。馬に携わる人達がよりレースで勝てる様に一生懸命勉強しております。

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