表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/79

アルマリンカップ開催

ここ一ヶ月この日の為に一生懸命やってきた。

ついにこの日を迎える事が出来た。

ピッパちゃんや王様等に感謝し、高鳴る胸の鼓動を抑えつつ、みんなで作った競馬場に向う。


これから始まる大レースー♪ひしめき合っていななくはー♪天下のサラブレッド?4歳馬?今日はアルマリンカップめでたいなー♪(走れコータローより)


競馬場は開門前というのに大勢の人が集まり、何でも塀が低いせいでよじ登って場所取りを始めた人もいると言う話も聞かされた。


「シュンさん、おはようございます!朝から凄い人だかりですね~」


出走する馬のケアやコースの確認等の為に早く来ていたピッパちゃんが人を掻き分け自分の所に向かってきた。



「おはよう、朝早くからお疲れ様です。馬の様子はどう?」


「みんなレースを楽しみにしてますね。もうサクシードさんの馬なんかはやる気マンマンです。···いろんな意味で」


どうしたスケベ太郎。なにをそんなにやる気なんだ?

裏口から現地入りして各馬に目をやると確かにいい雰囲気である。


サークルさんの馬なんかは凄い落ち着いていて女王の風格すらある。


一方サクシードさんのスケベ太郎は、ありゃりゃ竿出しちゃって。


そんなサクシードカメンを同じ男として、少し恥ずかしく思いながら見ていると


「どうだ!私のサクシードカメンは。おぉ!五本足になっているじゃないか!?あんな立派なものがあったら女はイチコロだな!」


わっはっはと笑いながら下ネタを言うサクシードさん


「セクハラド直球じゃないですか。。。ピッパちゃんの方を見てください。この蔑んだ目」


しらーっとした目でサクシードさんを見るピッパちゃん


「すまんすまん!レース前と言う事で気持ちが高まり過ぎていた。」


相変わらず笑いながら謝罪するサクシードさん


確かにまだ一般入場は始まってないが馬主の為に用意した特設会場は既に多くの貴族が集まりお祭りさながらの雰囲気を醸し出していた



その後一般入場も始まり雪崩のように人が駆け込んできた。

前世の有馬記念とかでも徹夜組が発生し、開門と同時に駆け込む、開門ダッシュは名物とされ、中山0レースなんて揶揄されたりしていた。


公認なの?知らんけど。まぁ少し考えれば怪我人も出るかも知れないし、地域住民にも迷惑だしやめた方が良いに決まっているのだが


近くで自分の好きな馬の写真が撮りたい!ゴール板先頭で駆け抜ける姿をこの目に焼き付けたい!と思う熱狂的なファンいて、競馬というものがそれだけ人を引き付ける魅力があったという証だったのではないだろうか?



そんな事を考えているともう会場は人で埋め尽くさん勢いだ。


ちなみに会場には何軒か露店があり、分お世話になっているマイネル商会もビールと鳥からを販売していた。


「シュンはん。まいどおおきに。いやぁ大忙しや!競馬の話を聞いた時は盛り上がるとは思ってたんやけどね、よもやここまでとは。。。」


推定数万人規模の人だかりに流石のブリッジさんも少しお疲れの様子


「そういえばシュンはんの言われた通り鳥からを串に刺して売ってまんねんけど、これが飛ぶように売れますねん。」


そう言われ周りを見渡すと鳥から串を持ちながら美味しそうに頬張る姿をあちらこちらで目にする。


「パパーこれ美味しいね!」


と親子で鳥から串を持ち空いた方の手を握りながら歩いてる姿をみてほっこりする。


「そんな事をよりシュンはんはこんな所いてええんかいな?」


「あ!いけない!そろそろ国王陛下のご挨拶が始まっちゃうんで行きますね。ブリッジさんも頑張ってください」


と言うとおおきに〜と言って見送ってもらった。


「ピッパちゃんとジャンヌはスタートに向けて最終確認お願い。僕は準備会の方に行ってきます」


了解です!とピッパちゃんとジャンヌは出走馬の方に向かい、自分は急ぎ足で準備会に向うともう既に国王陛下がソワソワした雰囲気で待っていた


「遅い!何をやっておった!もうワシは待てんぞ!」


「申し訳ありません。まだ少し早いですがもう開会宣言始めますか?」


と言うと、ウムと頷き国王陛下が壇上に向かい


「これよりアルマリンカップも開催する!」


一際大きな声でものすごい短い開会宣言をする。


これには会場に集まった民衆も跪くタイミングが無かったが、短くも迫力のあるその宣言に怒号にも似た歓声が沸き起こる


もう少し細かい段取りを打ちたかったが、国王陛下も含めもう少しも待ってられないと言った雰囲気に気圧され、急いでピッパちゃんがいる出走馬の待機場に向う


「ピッパちゃん!もうレースをスタートしないと抑えが効かない。」


「ここにいてもそんな雰囲気はヒシヒシと感じます。分かりました。幸い馬達も落ち着いているんでゲートに向かいますね。全馬止まーれ!」


一周50メートル程のトラックをポコラポコラと歩いていた馬達をピッパちゃんの号令により一旦止めて、騎乗するジョッキー達が次々と跨り始める。


全馬ジョッキーが跨るとそのまま馬場入りしスタート地点のゲートに向かった。


いよいよアルマリンカップスタートだ!

実際の競馬場にも色々な飲食店や公園があり競馬以外も楽しめる様になっています。


あとこの作品でも書きましたが、レースをスムーズに行う為に1時間以上、人が馬を引き歩かせます。

馬は音などに敏感な生き物で、普段来ない場所、観客の物音等に慣らさせる為です。


ちなみに私自身も牧場で、音や物陰から突然出てきた人に驚いた馬に何度か引きずられ逃げられたりしました。


それを放馬というのですが、どんだけ自分が怪我をしてても、気になるのは馬の安否。ホースマンとはそう言う生き物です。

ちなみに馬を引くのも得手不得手があり、上手い人は馬がどんだけ暴れようが早々馬を逃がしたりしません。しかも上手い人が引っ張るとそれだけで馬が良く見える事があります。

本当に奥の深い世界です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ