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セリ終了!

「続きましては、皆様ご覧ください!このバランスの良い美しいシルエット!そして何よりも金色のたてがみ!この馬が先頭でゴールを切ったらどれだけ美しいことか。お代はとりあえず金貨10枚からスタートです!」


「5000」


「ご、5000枚入りました!ありがとうございます!」


ものすごい牽制のかけ方だ。徐々に上がると冷静さを忘れてしまうこともあるが、一声でいきなり上がると、躊躇し金額を冷静に見定める。


ちなみに金貨5000なんて言い出したのは誰だろうと目をやると、サクシードさんっ!?


お酒でも入る過ぎたのかしらと表情を伺うと、そんことはなくドシッの腰を掛け勝負師の様にポーカーフェイスで時の流れを待っている。


やっぱり底が知れないなぁ。金貨5000というのも中々に絶妙である。


正直司会側としては煽りに煽って金額を吊り上げて見たかったがしょうがない。これもセリである


「金貨5000皆様お考えでしょうか?無ければ金貨5000でハンマーを降ろさせて頂きます」


オークショニアがハンマーを振り上げ鳴らそうとした瞬間


「金貨6000!最近子爵に上がったばかりの成り上がり風情がデカい顔をするな!」


とシェリレーヌ侯爵と共に反国王派のカサブランカ子爵が手を上げた。


「金貨6000入りました!サクシード子爵どうでしょう?無いようなのでハンマーとさせて頂きます」


カンッとハンマーが鳴る。


「ふんっ!成り上がり風情が5000とか粋がるわりには大した事ないな。これで賞金は私のものだ」


息巻いて会場を後にするカサブランカ子爵

一方サクシードさんは清々しい表情を浮かべいた


「いやぁ5000で落とせると思ったのだがな!仕方が無い。レースに参加出来ないのはもったいないから他に目をつけている9番の馬を競ってみるぞ」


「あぁスケ、、、何でもありません。頑張ってくださいね」


「スケ?」


訝しげな顔をしまた会場に戻るサクシードさん。


そっかぁサクシードさんスケベ太郎買うのかぁ。いや、悪い馬ではない、むしろ3番手評価ではあるんだけどピッパちゃんの評価は。。。


等と考えているとセリはどんどんと進み、7番の馬の番が回ってきた。ピッパちゃんイチオシの牝馬である。


「続きまして上場番号7番です。牝馬らしからぬ漆黒の馬体!正に本日のダークホースであります!お代は〜」


とオークショニアが進めると今まで黙ってセリを見ていたサークル宰相が沈黙を破り


「金貨1000」


と手を挙げる。

流石は宰相!7番をピンポイントで選んできた!


「ついに王国の叡智が手を挙げたぞ!」

「ということはそんなに良い馬なのか?」

「是非とも欲しいが相手が宰相では私に勝てるのか?」


等と一同試行錯誤し始めた。


「いや、私は行くぞ金貨2000!」

「宰相の目にかなった馬だ!競り落として見せる3000」

と二人の貴族が名乗りをあげた。


それを冷静に


「5000」


とコールするサークル宰相。


「いや!負けませんぞ!5500」


と1人は手を挙げたがそこでもう一人は首を振り脱落する


「さぁ金貨5500入りました!宰相如何でしょうか?金貨6000?ありがとうございます!金貨6000宰相から頂きました!正面のお客様如何でしょうか?金貨6500!続きまして宰相どうでしょうか?7000!ありがとうございます!」


サークル宰相が本日最高値の7000をコールしたところでハンマーが降ろされた。


「少々高い買い物になってしまったが、これでより楽しみになった」


終始冷静であったものの、競り落としてからは上機嫌なサークル宰相。


その後9番スケベ太郎はサクシードさんが金貨2500できっちり競り落とした。


「シュンどうだ!今度は競り落としたぞ!いやぁこうなるとさっきの3番より愛着が湧くものだな!何よりこの目!この力強い目が気に入った!私と似ているとは思わんか?」


と興奮気味にサクシードさんが話しかけてきた


「おめでとうございます。良い馬だと思います。けどピッパちゃんいわくとてもスケベで他の女馬のお尻ばっかり見てるそうですよ」


「そうなのか?まぁ英雄色を好むというではないか!ますます気に入った!レースが楽しみだ!」


と意気揚々と会場を後にするサクシードさん


その後もセリは高値で取引され、平均購買価格は金貨3500。合計は52500と前世の金額で言うと50億円程の金額が1日で取引されたことになる。


それには馬を出した庶民は驚きどころではなく、ほとんどの人間が一生遊んで暮らせる金額を手にし、困惑で倒れる人が多数いた。


後日その事実は商人のみならず庶民にも知れ渡り激震が走った。


「おい!この前のセリに出したあの貧乏農家、金貨3000手にしたらしいぞ!」

「なにそれ!俺も馬早く手に入れなきゃ!」

「ケイバ?全然興味無かったけど、絶対見に行こう!」

「そうだな!しかもなんか馬券ってやつが発売されて当たったら金もらえるらしいぞ!」


と、ものすごい関心が寄せられる事になり、王国中は一気に競馬一色となった。

日本最大のセリでは1日で100億以上のお金が飛び交い、一頭の最高価格は6億以上。信じられない金額が動きます。

購入される方々は何かしらの成功者。とても頭が良くいわゆる『持ってる人間』です。


もちろん賞金を目当てに買ってる人もいると思います。しかし収支がプラスな馬主様はほんのひと握りしかいません。

なら何故買うのか。

それは馬が好きで、競馬が好きで、G1制覇という栄冠を手にしたいのです。

競馬には人を魅了するだけの力があるのだと僕は思います。

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