カジノ!
息を切らしながらサクシード邸に逃げ込んだら、厄介事かと少しだけ面倒くさそう応接室に案内してくれるサクシードさん
ちなみにミルフィアさんは久しぶりに父であるウシュバさんと親子水入らずにしておいた。
「で、何があった?」
と聞いてきたので、カチューシャさんのこと、そしてこれから計画している仇討ちの話を事細かに全て説明する。大丈夫!サクシードさんは信用に足る人物。そしてノーザン帝国と共に戦った戦友ともいえる。
ちなみに今アルマリン王国は国王派と反国王派で分かれている。サクシードさんやサークル宰相は国王派。シェリレーヌ侯爵は反国王派である。まだそれほど目立った争いになってはいないが、そういう意味でもサクシードさんやサークル宰相を味方につけておく必要がある
「なるほど、ヴィフォルテ騎士爵殿の叙爵は不可解な点が多かったのだがそんなことがあったとは。。。というか厄介事ではないかっ!!」
「す、すいませんっ!けどパール街の住民は家族同然。家族が苦しめられたら、やり返えさないとっ!徹底的にやりますよっ!」
と少し前に流行ったドラマの様に強い意志で話す。
倍返しだ!
「はぁ~やれやれ。で私は何をすればいいのだ?」
「サクシードさんにはまずこれを確認してもらいたいのですが」
と言ってさっきシェリレーヌ侯爵が開催している賭博場で渡された金を借りる際の契約書をサクシードさんに渡す。
「おいおい。これは完全にクロだぞ。まず金利があり得ない。それにこの契約書自体に魔力が込められていて、ほぼ奴隷の契約と変わらん。行動の制限は他言無用と限定的だがそれによって公になるのを防いでいるのか。。。あくどいな」
「この契約書を証拠にしてサークル宰相に伝えてそれ相応の処罰。お任せはしますが出来ればシェリレーヌ侯爵家が行っている全て商売の営業を短期間でもいいんで停止してもらいたいです。」
「分かった。しかし意気込みの割には処罰軽くはないか?」
「いや、ここで侯爵家をお取潰しにしたら、全て国王陛下がやったようなものじゃないですか?自分達の手で完膚なきまでに叩きのめしてようやく無念が
晴れるんです。」
「お、おう。それで私がやることはそれだけか?」
「あ、後侯爵家が主催している賭博場のすぐ近くに自分が経営する新たな賭博場『カジノ』を作りたいので土地の購入する上で、交渉や手続きをお願いしたいです。」
「『かじの』とはなんだ?」
「んー説明するよりも実際に遊んでもらったほうが分かりやすいと思うのでサクシードさん、材料もって来て貰えますか。」
サクシードさんは早速近くの使用人に指示をだし次から次へと資材が運び込まれる。
それをクラフトレベル99で、トランプを使ったポーカーやバカラ、ブラックジャックのテーブルを用意する。
それからルーレット、それと賭け事とは別にビリヤードとダーツを作る
自分のスキルを初めて見る使用人達はぽかーんと口を開け眺め、サクシードさんはやれやれと頭に手をやり首を降る。しかし実の所凄い楽しそうだ。テーブルを触ったり、ルーレットを回してみたりと忙しない。
一通りの道具を作り終えた後、一つ一つ使い方やゲーム方法を説明する。
「これは楽しそうだ!シュンこのルーレットとやらに玉投げ込んでいいか?」
「構いませんけど、玉は縁を走らせる様に投げるとよりスリリングに見えますよ」
「分かった!ほらお前達!どっちに入るか賭けてみろっ!当たったらボーナスだすぞ!」
と言うと使用人達は急いでカジノ用のチップを手に取り思い思いBETをする
固唾を飲み玉の行く末を見守る使用人達。少し時間がたつと玉は次第に勢いを無くし何度か穴から弾かれた後黒の11に入る
黒に賭けた使用人達は声を上げ喜ぶ。
「シュン!これは流行るぞ!土地の件は私に任せてくれ!絶対に『カジノ』を作るぞ!そうすれば誰もシェリレーヌの所になんか行きまい!」
さっきまで厄介事だと頭を悩ませていたサクシードも今やカジノに首ったけである。カジノに夢中なせいで仇討ちの事を少し忘れていそうな気もするが、正直サクシードさんは部外者なわけで、協力してもらえるだけでもありがたい
あとはシェリレーヌ侯爵の資金源の2つ目。酒造ギルトとお酒の販売。ビッグレッド商会との癒着である。
ルーレットの次はビリヤードを楽しんでるサクシードさんを尻目に
「あとサクシードさん。お楽しみ中申し上げにくいのですが、あともう一つお願いがありまして、3ヶ月後サークル宰相にお目通りの機会をいただきたいのですが。。。」
と言うと子供の様にはしゃいでいたサクシードさんは一変、「えぇー」と勉強しろと言われた子どもの様に言った




