採用試験!
奴隷の皆さんを解放したあと
「ではこれより自警団の採用試験を行います!ザキオさんお願いします」
と言ってザキオさんと元奴隷の人に模擬戦用の木刀を渡す。木刀はシュン君自作で強い衝撃の際には折れる様に工夫した。
「俺は槍の方が得意なんだけどな。まぁいいか」
ザキオさんが木刀で素振りをする。
あれ?ザキオがどもってない?しかもオデじゃなくて俺って言えてる?
「では自分から」
と言ってザキオさんより頭一つ背の高いガタイのいい男が名乗りをあげた。
しまった!試験とは言ってもザキオさんがボコボコにされたら試験どころじゃなくなっちゃう!
「模擬戦にしなかったほうが良かったかな?」
と不安気に呟くと横にいたミルフィアさんが
「多分ザキオさんなら大丈夫だと思いますよ〜」
「とは言っても体格が違い過ぎるよ。」
と言った瞬間
「ま、参りました」
と大柄の男が負けを宣言する。
え?何が起こったの!?大柄の男が凄い速さで突進していった所までは分かったがその後鈍い音がなり今の現状だ
「まぁその体格でそんだけ動けるんならまだ見所あるな、採用。次。」
「では俺が」
と言って次の男が名乗りをあげた
次の男はさっきの大柄な男とは違い間合いを取る
「残念だがそこはもう俺の間合いだ」
とザキオさんが言ってものすごい速さの突きを繰り出す。一発目こそ躱したものの二発目が溝口に刺さり崩れ落ちる
「一発目躱したのは褒めてやる。採用。次」
と言って次々と模擬戦をこなしていくザキオさん
「ザキオさんってこんなに強かったの!?」
「はい〜ザキオさんはアルマリン王国唯一のSランク冒険者だったんですよ〜。サクシードさんに恩があって冒険者からこの街の自警団になったんですけど〜。結構有名人さんです〜」
ま、まじかぁ。北斗の拳のザコキャラみたいな風貌だったからてっきりやられ役かと思ってました。ノーザン帝国の時戦わせて見たほうが良かったかも?
17人の試験はザキオさんの一方的な試合で終わり、残った1人に目をやると、今回連れて来られた中で唯一の女性。背はそこそこ高いが線が細く育ちの良さそうな品のある風貌。
「最後は女か、お前育ちは良さそうだが名前は?」
「ヴィフォルテ騎士爵の次女でカチューシャと言います」
「あぁ、確かシェリレーヌ侯爵に濡れ衣着せされられて爵位を剥奪されたヴィフォルテ騎士爵の子供か。通りで育ちが良いと思った。ちなみに俺は女子供だろうと手加減はしねぇぞ」
「父から剣の指導は受けていたので問題ないかと」
「ヴィフォルテ騎士爵といえばアルマリン王国でも武に優れた一族だったよな。面白れぇ!」
と言ってザキオさんはものすごい速さの斬撃を繰り出す
ガギッとその斬撃を受け止めるカチューシャ
「今の一撃を受け止めるとはやるじゃねぇか!これならどうだ!」
次は目にも止まらぬ連撃を繰り出す。
しかしそれを既の所で躱す。
「ほう?これは躱すか。。。お前やるな。しょうがねえ次の一撃で決めるか」
と言って木刀を舐め上段に構える
やだ、キモい。
「分かりました。私も次の一撃で決めさせて貰います」
と言って木刀腰に添え居合の構えをする
やだ、かっこいい
数秒の間があった後、一気にザキオさんが間合いを詰め渾身の一撃を振り下ろす!
ばきっ!!
カチューシャが中段から振り上げる様にザキオさんの一撃受け止めるとザキオさんの木刀が真っ二つ折れ宙を舞う
「これで終わりです。」
と言ってカチューシャがザキオさんに向かって木刀を振り下ろす。
が、それを紙一重で交わし折れた残りの木刀をカチューシャの溝口にめり込ませ膝をつかせる
「ま、参りました」
なにこれ?いつバトルものになったの?カッコ良すぎるですけどー!
熱い勝負に一同が拍手を送る
「ああああぶねぇ!ままま負ける所だった!おおおお前つえぇな!」
と言ってザキオさんもカチューシャを称え手を差し伸べる
「こちらこそありがとうございました。あの元Sランク冒険者ザキオさんとお手合わせ頂き感謝します。それと、シュン男爵。改めてお礼を。我々奴隷を解放して頂きありがとうございます。この恩はあなたの剣となり命を捧げる所存です。」
と言って元奴隷達が跪き頭を下げる
「あー気にしないで。頭をあげて下さい。僕はそれよりもみんながこの街で自由に楽しく生活して欲しい。かな?」
そういうと皆が笑顔で頷いてくれた。
そうそう、それでいいのよ。
「さて、皆さんお疲れ様でした!ようこそパール街へ!新しい仲間も加わったことですし今日は歓迎会称しましてバーベキュー大会を開催したいと思います!」
「それはいいんですけど〜お肉そんなにありませんよ〜?」
やだ、恥ずかしい。
「そ、それではこれから皆さんでお肉狩りに行きましょう!一狩り行こうぜ!」
「「「お、おー。」」」
締まらないなぁ。まぁ、元々上に立つような人間でもないし気取らず行くか。
次回『一狩り行こうぜ!』




