前へ目次 次へ 16/32 (二)-8 大阪環状線の京橋駅で学研都市線に乗り換えて、鴻池新田駅で下車した二人は、徒歩で下沼勇の自宅へ向かった。自宅は駅から一〇分ほど歩いた所にある、木造アパートの二階にあった。中は灯りもなく、人の気配もしなかった。念のため呼び鈴を鳴らしてみたものの中からは誰も出てこなかった。 このとき、鯵ヶ沢は何気なくドアノブに手を掛けて回して引っ張ってみた。 当然の話だが、留守であれば大抵は鍵がかかっていて中には入れないハズだった。しかし、ここは違った。ドアが開いたのだ。 (続く)