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コント『食虫植物』

作者: 葦原とおる


B…ボケ T…ツッコミ


B「なあ、食虫植物ってあるだろ?」


T「虫捕まえて食べちゃうやつか。ホームセンターなんかでよく見かけるな」


B「ボクあれが好きでさ。うちの温室に色々あるから見ていかない?」


T「へえ、そら興味あるな。見せて見せて」


B「じゃあ温室へどうぞ」


T「大きい温室じゃないか。本格的だな」


B「ほら、そこでウサギみたいな花を咲かせてるやつ。ウサギゴケっていうんだ」


T「ははは、ホントにウサギみたいだ! これって食虫植物?」


B「そうだよ。日本だとカチカチ山の絶壁に生えてるね」


T「カチカチ山!?」


B「ウサギに火をつけられて、更には水に沈められたタヌキの怨念が、こいつにウサギみたいな花を咲かせるらしい」


T「ウソだろ!?」


B「ウッソで~す! ちょっと本気にした?」


T「するか!」


B「これ花はウサギなのにタヌキモ科の植物なんだよ。そんなのカチカチ山を連想するしかないだろ?」


T「なるほど、ちょっとした偶然だな。カチカチ山ね」


B「あとこっちにボクが品種改良した食虫植物もあるよ。『映えジゴク』って名づけたやつ」


T「へ~! こいつ、まるで天使が翼を広げてるように見えるな」


B「ハエジゴクを改良しんだ。そこまで大きくするには苦労したよ」


T「確かにでかいな! ちょうど人間くらいの大きさだし、あれの真ん前に立って写真撮ったらインスタ映えするんじゃね? オレ、ちょっと撮ってみていい?」


B「いいけど、そいつの真ん前に立つと素早く翼が閉じて喰われるから気をつけて」


T「マジでッ!?」


B「なにしろ『映えジゴク』だからね。インスタ映えを狙って近づくやつをパクリです」


T「なんという罠ッ!?」


B「すぐには消化されないから大丈夫。なんならボクが写真撮ってあげようか? タイトルは『天使の翼に包まれて天界ナウ!』」


T「やめろ! そのまま天界デビューしそうで恐いわ!」


B「残念。じゃあ次はウツボカズラを改良したやつ見てもらおうかな。ほらこれ、『ウツボカツラ』っていうんだ」


T「うわッ、なんだこれ? カツラみたいに毛が生えたナニかがぶら下がってる!」


B「薄毛に悩んでる人は多いからね。これならカツラが手軽に使えるだろ?」


T「これホントにカツラとして使えるの!? オレも頭頂部と生え際が気になってきたんだよ。なあ、少し試してみてもいい?」


B「いいよ。ツルから切らずに一旦裏返してからつけてみてね」


T「それじゃつけてみるな! えっとこうやって、一旦裏返してからスポッと!」


B「ピッタリだ、凄く似合ってるよ! どんな感じ?」


T「うッ……なんか頭の中でズキュン、ズキュンって脈打ってて恐いんだけど」


B「『ウツボカツラ』の根っこが食い込み始めたからだね。少し痛むかな?」


T「食い込むのかよ!?」


B「だってそうしないとすぐ外れちゃうだろ? ちなみにそいつ、ウリ科の植物と掛け合わせて作ってみたんだ。気分はどう?」


T「ウリイィィィーーーッ!!」


B「うんうん、爽快みたいだね。そのまま順調にいけば人間やめられるよ?」


T「アホか! まだ人間をやめる気はない!」


B「一生薄毛とオサラバできるけど」


T「す……少しだけ考えさせて下さい……」


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