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価値観の差というやつ

作者: 天海波平

ものの見方も十人十色。

 私が以前に勤めていた会社の上司の話になります。


 建築関係の仕事であったため、仕事場というか現場は色々な場所になるのだが、ある現場の隣がペットショップだった事がありました。


 そのお店の店頭にはマンチカンやアメリカンショートヘアなど多彩な猫が並んでいました。

 ショーウィンドウ越しに愛嬌を振りまく子猫の仕草にホッコリするのだが、そのショーウィンドウに提示されている猫の値段に私は驚いた。

 子猫一匹のお値段が40万円以上もしているのである。

 もちろんすべてでは無いが、それを見て思ったこと。


 解せぬ……… 

 子猫一匹の値段が自分の月給より高いとは………


 何かの漫画で読んだ。

「猫は天下の回りもの」であると。

 だからせいぜい猫の値段など数万円程度しか思ってなかったのだ。


 そんな時に上司が現場に来た。

 猫の値段に驚いたことを言うと、それを聞いた上司が言った言葉は以下の通りである。


「ふーん、10年生きるとして年間4万、月単価で3千3百円……… エサ代込みで4千円ぐらいか。日当たり130円くらいで毎日、愛嬌振り撒いてくれるんだったらキャバクラのねーちゃんよりも安いんちゃう?」


 これを聞いたとき妙に納得した記憶がある。

 落ち着いて聞けば、色々と問題発言が含まれているのは確かだが、物事を出来るだけ細かく金銭的価値観に変換して見る。

 このような視点で物事を計る事が出来る人が、今の世の中に必要で重宝されるんだろうなと思ったのだ。

 そこで私は考えた。

 この上司のようになりたいのかを。


 そのときは、なりたいとは思わないが、ならなければならないのだろうか? とそんなふうに考えていた。


 命に値段をつけると思える事で嫌悪する気持ちと、会社員として企業の一員として金銭的感覚を広げなければならないと言う気持ちからだ。


 どちらが正しいか正しく無いかを言うつもりはない。

 というか私は言えない。

 程度の低い私の頭にはトロッコ問題にも思えるからだ。

 

 状況や立場、価値観によって、人の判断は異なる。

 物事を捉えるとき見方は一辺倒では無い事の一例として書いてみた。


 どなたか似たような話があるならば、教えて頂きたいものである。

 

 ちなみにこの上司、これだけの話だと、どこかトンデモなく聞こえるが、非常に面倒見が良く仕事上のトラブルに応えてくれたりと私にとっては非常にありがたい存在だった。

 まぁ別の部分でトンデモ上司ではあったが………


あのとき妙に納得したのは、キャバクラのねーちゃんと言うパワーワードのせい………

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― 新着の感想 ―
[良い点] 私も合理的に上司様のような考え方をしてしまいます。 ( >Д<;)
[良い点] 私はフェレットを飼っていて、たまに近くの公園に散歩に連れていくと、子供達の人気者になれます。 「かわいいね」「人懐っこいね」「大好き」と言いながら、子供たちは大抵次の質問をして来ます。 …
[一言]  ご返信有難う御座います お言葉を頂いた後、自らの言葉を読み返して……誤字をしてしまっていることに気づきました……(恥ずかしい)……何故か、費用対効果と書こうとして消費対効果と書いており……
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