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星守《ほしもり》  作者: YUQARI
第十一章 夢にまで見た、再会。
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久しぶりの再会

  流星橋に、たくさんの星々が降り注ぐ。

 その星々が、小さなボクの妹の姿を形作った。



 キラキラと星の残滓(ざんし)が降り注ぎ、そこにあの懐かしい紗奈(さな)が現れる。



「……!」

 ボクは目を見張る。



 夢なんかじゃない……!

 死んだはずの紗奈(さな)が、そこに立っていた。



「……!」




 ……なんと形容したらいいのかなんて、分からない。


 ただ、無性に泣きたくなって……でも、せっかく現れた紗奈(さな)を、もっとよく見たくて、ボクはグッと流れ出そうになる涙を(こら)えた。




「お兄……ちゃん?」



 ボクが涙を堪える為に眉をしかめて、じっと紗奈(さな)を見ていたせいだろうか?


 紗奈(さな)は少し困ったように下を向いて、モジモジと自分の手を握りしめた。


紗奈(さな)……」

 ボクは呟く。

 間違いなく、紗奈(さな)……だ。



 少しくせっ毛のあるその髪は、肩に掛かるか掛らないかの微妙な長さで、紗奈(さな)が動くその度に、ふわりと舞いあがった。



 小動物のような、黒く大きなその瞳は、少し(つや)めいていて、キラキラと輝く。




 ただ今までと違うのは、血色がいいことだ。


 青白かったその肌は、ほんのりと赤味が差し、健康的な色をしていた。



「……」


 死んだことで、病気が消え去ったのかも知れない。

 ボクはなんだか複雑な気持ちになる。



紗奈(さな)……!」




 ボクは、紗奈(さな)の名前を呼んで、両腕を広げる。

 そうすると生前の紗奈(さな)は、ボクに抱きついて来てくれたから。



「お、お兄ちゃん……」


「? 紗奈(さな)……?」



 だけど紗奈(さな)は、なかなか来てくれない。


 もしかしたら、触れ合う事は出来ないのだろうか? それとも、今いる橋の上から動けないのだろうか? ボクは青くなる。



 ……そうだとしたら、少し悲しい。

 目の前にいるのに、傍に行けないなんて……!



 ボクはガッツリして、腕を下ろした。







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