久しぶりの再会
流星橋に、たくさんの星々が降り注ぐ。
その星々が、小さなボクの妹の姿を形作った。
キラキラと星の残滓が降り注ぎ、そこにあの懐かしい紗奈が現れる。
「……!」
ボクは目を見張る。
夢なんかじゃない……!
死んだはずの紗奈が、そこに立っていた。
「……!」
……なんと形容したらいいのかなんて、分からない。
ただ、無性に泣きたくなって……でも、せっかく現れた紗奈を、もっとよく見たくて、ボクはグッと流れ出そうになる涙を堪えた。
「お兄……ちゃん?」
ボクが涙を堪える為に眉をしかめて、じっと紗奈を見ていたせいだろうか?
紗奈は少し困ったように下を向いて、モジモジと自分の手を握りしめた。
「紗奈……」
ボクは呟く。
間違いなく、紗奈……だ。
少しくせっ毛のあるその髪は、肩に掛かるか掛らないかの微妙な長さで、紗奈が動くその度に、ふわりと舞いあがった。
小動物のような、黒く大きなその瞳は、少し艶めいていて、キラキラと輝く。
ただ今までと違うのは、血色がいいことだ。
青白かったその肌は、ほんのりと赤味が差し、健康的な色をしていた。
「……」
死んだことで、病気が消え去ったのかも知れない。
ボクはなんだか複雑な気持ちになる。
「紗奈……!」
ボクは、紗奈の名前を呼んで、両腕を広げる。
そうすると生前の紗奈は、ボクに抱きついて来てくれたから。
「お、お兄ちゃん……」
「? 紗奈……?」
だけど紗奈は、なかなか来てくれない。
もしかしたら、触れ合う事は出来ないのだろうか? それとも、今いる橋の上から動けないのだろうか? ボクは青くなる。
……そうだとしたら、少し悲しい。
目の前にいるのに、傍に行けないなんて……!
ボクはガッツリして、腕を下ろした。




