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星守《ほしもり》  作者: YUQARI
第六章 星の加護
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仕切り直し

 じいちゃんは、ゴホンと咳払いした。


「ま、それは追々(おいおい)な。……今回は、まだ橋の修理は出来ん。まずは星を集めにゃならんからな」



 そう言って、暮れ始めた空を見た。




「星集めの基本は、夜。和明(かずあき)、起きていられるか……?」

 尋ねられ、ボクは頷く。



 ……そこは、問題ない。



 褒められたものではないけれど、紗奈(さな)が亡くなって、ボクの精神状態は不安定になった。



 ……そのせいで、なかなか寝付けない。ひどい時には、綺麗に昼夜逆転してしまった時もある。




 ……それは、紗奈(さな)を火葬した、()()()からだ。




「……っ」

 ボクは思い出して、ゾクッと体を震わせる。


 あの光景は、今でもトラウマになっている。



 棺桶の中の紗奈(さな)は、まだ生きているように見えた。


 ……ただ眠っているような、そんな綺麗な姿の紗奈(さな)を棺桶に入れて、それから、……炎で──。



「ひぐ……っ」


 思い出した途端、呼吸を奪われる……!


 ガクガクと体が震え、止まらない。必死に両手でおさえた。


 大丈夫……。大丈夫だから。


 紗奈(さな)にはまた会えるだろ?

 ……また会えるんだ。


 まだ、()()()じゃない──。




 ボクは自分にそう言い聞かせ、ギュッと目をつぶった。


「……」


 じいちゃんは、そんなボクを見下ろして、頭を撫でてくれた。

「……和明(かずあき)



 ボクは名を呼ばれ、ハッとする。

「な、なに……」

 未だ震える体をおさえ、頭を上げる。


「……」

 そんなボクをしばらく見て、じいちゃんは溜め息をついた。



「……いや。……俺のようには、なるなよ……」

「?」


 なんの事か分からなかったけど、ボクは頷く。

「うん。……?」




「ひとまず家へ帰ろう。まだ時間が早い」

 ぽんぽんと、ボクの頭を優しく叩く。


「うん」


 そうしてボクたちは、その場を後にした……。




 


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