妙な仕事
じいちゃんは何事もなかったように、それを横目で見て、ニヤリと笑う。
「お。ちょうどいい。コレコレ」
……。
は? コレ?
「そう。コレ。コレがあったんだ。……お前、拾え」
「は?」
「だから『は?』じゃない。拾え。
……ったく最近の子どもは大人の言うことを聞かん。昔は違ったぞ? 家長の言うことは、わけの分からないものでも、『はい!』と返事して、すぐ実行に移したもんだ。……和明。
ほれ! 早く拾わんか! お前は亀か?」
「……」
……いやそこで出す? 亀。失礼だろ!
てか、わけの分からんもん触られっか……っ!
そう思って躊躇していると、事もあろうか じいちゃんは、ボクの腕を掴んで、そのわけの分からないモノに、無理やり触れさせた。
「!」
うぎゃぁぁぁぁああああ!!! 何してくれてんの!?
カッ────!!
「!」
途端、ものすごい光が辺りを包み込んだ。
「うわ……っ!」
な、なに? 今度は何!?
──『和真。それが後継か……?』
「? ……?? ……!?」
厳かな声が、頭の中に響く。
「はい。天津甕星さま」
じいちゃんが仰々しく頭を下げる。
え、ええ? なに? なんなの?
受け入れ難い今の状況に、
ボクはただただ、目を見張った──。




