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【PHASE4-7】ルールチェンジ

 ――スキルの展開で有利に進める【スキルチップ】、ゲーム全体をサポートするアイテム【G.C.T(ゲームチェイスツール)】との攻防が、ドミノを更に加速させた。


 ここまで一読頂いた皆様には、テンポあるゲームをお送りしたいので、一部分をダイジェストで展開を読んでみましょう。


 〘◇Now Lording◇〙


 アリスのG.C.T『フリーズ・ガンナー』の登場により、ドミノ牌の列の末端を凍結。クレオパトラ三人衆の動きを封じ込め、ラウンド2はアリスに軍配が上がった。得点は対戦相手のドミノ牌合計枚数が5枚、しかも目の数が多い為に一気に31点も獲得。マリエを抜いてトップに浮上だ。


 ゲームは継続してドミノ牌の列は続いて、ラウンド3。今度は女性一同あんまし阿漕な事やっては互いに良からぬ事を仕出かすだろうと思ったのか、暴言吐きっぱなしの状況とは裏腹にゲームは至って平和。スキルチップもG.C.Tも発動させずにラウンド3は天々が取った。得点は17点。


 ――その後もラウンドは4、5と続いていく内に攻防は互角、更に継続していくドミノ列もアナコンダの如く長蛇の一直線と化した。

 そしてドミノ列はメトロ千代田線の線路下をも潜って、裏原宿エリアからいよいよキャットストリート・後半部分へと突入していった!


「……あ、彼処! ありさ先輩が!」

「とうとう此処まで来たか」


 ヒート達ゲームチェイサー男三人と、後輩の海颯ちゃんが待機する表参道。北側の旧渋谷川遊歩道路・始点からスタートしたドミノ列はその道の下で表参道とクロスするようにヒート達の元まで到達していた。

 更にアリスとクレオパトラ三人衆の跡を追うクレオパトラの取り巻き集団もゾロゾロ現れてる所を見ると、ドミノの列もちょっとしたレッドカーペットに見えてくる。そんなアリス達の【ドミノ・ストリート】前半戦、リザルトはこうなった。


 ◎――――――――――――――――――◎

【ドミノ・ストリート/セバストポリ】

 ・アリス 46点

 ・天々 17点

 ・朱雀 11点

 ・マリエ 21点

 ◎――――――――――――――――――◎ 


 リードしているのはラウンド2・5で一番上がりしたアリス。その他3人も各ラウンドで勝ち取った各々得点があるが、それでも彼女には及ばない。

 その一部始終を見ていたゲームチェイサー・ヒート達はある違和感が漂っていた。


「………どう思うよ、この展開」

「正直不穏だ。ラウンド2で互いに手段を公開したっきり、それ以降全然出して来ねぇ」

「アリスもそれを理解しとるみたいやな。【フリーズ・ガンナー】の冷凍光線も有限やし、無闇に使いとうないってのがワテにも分かる」


 ゲームの玄人は、盤上の展開の髄まで分析して状況把握する力があると言います。

 ヒート・ハリアー・ツッチーの三人は、各々培ってきた推察思考と博識なゲーム知識を使って、敵の出方や味方の状況を照らして“微妙”であるの判断した。結果で見ればアリスが優勢だが、それだけで勝ちを確定するには早すぎる。それには二つの疑問点があった。


「……ヒートさん達はありさ先輩の勝ち目に疑ってるんですか……?」

 と失礼ながらゲーム素人の海颯がヒートに申すならば。


「よく考えてみ? あのクレオパトラ三人がスキルチップを使うとしても最大9枚はあり得るのに、未だ4枚しか使ってない」

「それに、マリエって女が覚醒してるPASもまだ発動していない。真の切り札を使う程追い詰められてない証拠だ」


 ヒート・ハリアーが言うには一人3回まで使えるスキルチップをまだ半分未満まで温存している事、並びにマリエのみが持っているゲーム戦士の魂スキル【PAS】を使っていない所を見るに、まだ彼女は本気になってない事が伺える。これが第一の疑問点。


「あともう一つの疑問点は……、ドミノっちゅーゲームは()()()()()()()()()()事や」


 そう、そこなんですよ最大の問題は。

 ドミノとは元々トランプのように並べたり札を出し合ったり、倒したりする等遊び方が多種多様なゲーム。

 セバストポリはそのドミノの中で最もオーソドックスな遊びなのだが、得点を100点先取するまで続けるにはあまりにも単調。読者も飽きてしまう。


「まぁ読者意識してる訳ちゃうやろうが……、おそらく次のラウンドで何かが起きる。これは賭けてもええで」

「そんな……!」


 出ました、ゲーム専売特許の急展開フラグだ!

 これには海颯の顔色も青ざめて呼吸も荒くなるが、ヒートは横から彼女の背中を撫でて落ち着かせる。


「そーゆー時こそ先輩を信じてあげるもんだ。アリスのやり方でどんなルールでも彼女は適応するさ、粋に行こうぜ粋に!」

 楽観主義のヒートのケアに強張る彼女の顔も解れ、引き続きアリス達のゲームを見守る海颯であった。


「……あ、肉巻きおにぎり御馳走様でした。美味しかったです」

「どう板橋区(いたばしく)

 ヒートさん、ここ渋谷区ですよ。


 〘◇Now Lording◇〙


 ―――さて間もなくドミノ・ストリート後半戦。ツッチーが言うには急展開が待っていると示唆されていましたが、表参道通りの原宿に位置するキャットストリートは細く猫も横切る静かな町並み。

 そんな中でドミノの新たな展開は…………的中した!!



『――――【ドミノ・ストリート】ラウンド6突入に従いまして、これより()()()()()()します!

 “セバストポリ”改め、【ファイブアップ】ルールでスタートします!!』


「ファイブアップ……!!」

(……ニヤリ)


 ルール変更に一驚する者、或いはこのルールを待ちかねた者との心理状況が伺えます。

 ドミノ・ストリート新ルール【ファイブアップ】、スタートの前にここでルール概要を説明しましょう!



 ◎――――――――――――――――――◎

【ドミノルール/ファイブアップ】

 ・ルール概要

 初期手札は5枚。セバストポリで続行したドミノ(トレイン)は継続する形でスタートして、その後は基本的なルールに従って出す。

 出せる牌がない時には、山札から1枚牌を引いていき、それでも出せなければパスとなる。誰かが上がるか、全員がパスしたら、そこでプレイが終了する。


 ・重要ポイント

【すべてのダブル牌で列の()()を行う。】

 だれかが牌を置いた時に、牌の列の端にある目の合計が5の倍数になったら、それを5で割った商がその牌を置いた者の得点になる。

 牌の端がダブル牌のときは、その両方の目を数える。


 目の合計を計算するときは、すべての分岐の端の目を加算する。ダブル牌の両側面のいずれか片方または両方が塞がっていないときは、その目の合計も加算する。


 プレイが終了したら、各プレイヤーは残った手札の目の数を合計したものを手札の値とし、

 上がった競技者または手札の値の少ない競技者が、相手の手札の値を5で割った値(余りは四捨五入する)を点数に加える。

 ◎――――――――――――――――――◎ 


 以上がファイブアップのルール。これらのルールを踏まえて次回、白熱の頭脳戦・ドミノ後半戦をお送りします!


 旧渋谷川遊歩道路に続くドミノ列・トレインの経路が、ファイブアップルールで大きく左右します!!


 〘◇To be continued...◇〙


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