【PHASE4-5】牌で繋げ、ドミノ道
――TIPS――
【PASの持続能力】
ゲーム戦士が覚醒している異能力“PAS”は発動後、ゲームが終わるまで永久に続くものではない。
各自の能力によっては持続時間にも限度があり、それを過ぎると精神・体力は著しく消耗し窮地に立たされる。
例えばヒートのPAS『サラマンダー』は強力な能力故、発動時間は最大2分まで。但し能力を鍛えれば更に持続時間を延ばすことが出来る。
――東京の流行最先端発信地・原宿へと続く果てなく長いレッドカーペットのような遊歩道に立つ、ファッションと美に生きる乙女達。原宿通いのプシーキャットの登場であります!
DDGのVRフィールドが旧渋谷川遊歩道路にて出現した事により、ゲームを挑みに集結した数十名のファッションモデル達。その中で報酬【究極の美】なるものを求めて、敢然とフィールドに立つゲーム戦士は四人。
今回のゲームは男子禁制のキャットファイト、ドミノなる牌を片手に一癖二癖も違う戦略ゲームを繰り広げようとしております。
地上モデル集団・クレオパトラ、トップ3の実力を持つ三大美女に対して、迎え討つはゲームチェイサーの紅一点・水鏡のアリス。今回が本格的なゲーム参加となりますが、果たしてこの中で一位を飾るのは誰になるのでしょうか!?
―――それでは参りましょう【ドミノ・ストリート】、ゲーム・スタート!!
〘◇GAME START◇〙
さて、今回のゲームチェイサーの対戦相手である地上のモデル集団『クレオパトラ』のゲーム戦士、門矢マリエ率いる取り巻きに二名引っ張り出して参戦してきました。
チャイナドレスに結った髪に派手なかんざし付けて登場は、アジアンビューティー代表として大人気のモデル『朱雀』。もう片方は長いサラサラ黒髪に着物で登場、和風美人の代表格『天々』。
マリエがクレオパトラなら、朱雀は楊貴妃、天々は小野小町といったところか。こんな三大美人を揃えてるのだから地底空間のアリスはおろか、他の地上のモデルちゃんまでも歯ぎしりが止まらないだろう。
そんなクレオパトラ軍団に屈しないのがゲームチェイサー・アリス。可愛い後輩の為に一肌脱げるか―――
「ちょっと! これ脱衣麻雀じゃないし公共の場で脱げないわよ!!」
いや、脱ぐってそーゆー意味じゃないです!! 助力するって意味ですから。ありゃりゃ赤面してますよアリスさん。
「やーねぇ、こんな天然ちゃんと相手するなんて」
「あらあら可愛い事」
「小学校やり直した方が良いんじゃないの〜?」
(こんのぉ〜言いたい事言ってくれちゃって、ゆ゛る゛さ゛んッッッ!!!!)
クレオパトラ軍団の煽りに怒り心頭のアリス。ならばその怒り、ドミノで晴らしてくれようぞ!
〘◇Now Lording◇〙
――ラウンド開始前に、四人の順番を決めるためにVRから出現した裏のドミノ牌が六つ、歩道の真ん中に並べられた。アリスは左から二番目、クレオパトラ出現は右から順々に選び、牌をひっくり返して出た目は〔9〕〔6〕〔5〕〔7〕と出た。
よって順番はアリス→天々→朱雀→マリエの順となった。
手のひらサイズで正方形を二つ重ねたドミノ牌が各自7枚ずつ配られます。
「ドミノはルールが複数あるけれど、先ずはオーソドックスなルールとして【セバストポリ】からスタートさせるわ。早い話が先に手札の牌を出し終わった人が残ったプレイヤーの牌の数値だけ得点になるルールよ」
はい、マリエさんが読者の皆様に分かりやすく説明した所で早速やってみましょう! ドミノのゲームを知らない皆様は是非読みながら把握してくださいね。先ずはアリスさんのターンから!
「んー、じゃ出し難そうなヤツから……」
手札7枚に隠された『ダブル・シックス』と称するドミノ牌。二つの正方形にサイコロの目のように書かれた牌が数字を意味する。
アリスは先手から取り出した牌をポイッと投げれば、手のひらサイズの牌は巨大化して歩道にフィットするような大きさになった!
「なる程、出したドミノ牌は意図通りに道になるのね。おっしゃれ〜!」
このように置いたドミノ牌は道を繋ぎ、延々と繋げた先に報酬が待っている仕組みとなっている。
アリスが出した牌は横向き、東側が〔6〕と書かれていて西側は何も書かれていない。
片方に何も描かれていない牌は〔0〕として見る。ただもう片方が〔6〕と書かれていたら、〔0-6〕として見る為、次に出す相手は片方が〔0〕か〔6〕と書かれたドミノ牌を出さなければいけない。
出せる確率的には3/7。次の番である天々は出せるでしょうか?
「バカにしないでよ、ちゃんと出せますよーだ!」
小野小町な風貌に反して精神年齢が幼い天々、東側に〔6-3〕牌を置いてこれで〔0〕と〔3〕が置けるように変化した。
続いて朱雀は西側の〔0〕と隣接して〔1-0〕をセット。更に続いてマリエは〔5-1〕と連続して西側へと牌を置く。そしてアリスの二巡目。
――おっと、これは異端な牌を出してきたぞ。目は〔5-5〕、両方同じ目の牌は特殊で横向きではなく縦向きに置いている。
「あれは“ダブル牌”っていう、目が二つとも同じな牌がそう呼ばれてる牌なの。ルールによっては結構重要な牌だけど、今のセバストポリじゃ特に意味は持たないわ。単に目が大きいから消費したかっただけ」
果たしてこの“ダブル牌”が左右するルールとは何か、それはもう暫くお待ち頂くとして、順調に牌を消費していく四人。
ルールでは盤上に置く牌が手札に無い場合は、1枚山札から引いて出すか、出せないと踏んで“パス”を選択する事が出来るが、その気配も起こらずにゲームは続く。
◎――――――――――――――――――◎
《出せる牌 〔4〕〔2〕》
・アリス 手札2枚
・天々 手札2枚
・朱雀 手札2枚
・マリエ 手札3枚
◎――――――――――――――――――◎
現在はマリエのターン、牌は出していないが平坦な展開に彼女は苛立っていた。
「何よもう、中々札に差が出ないわね……」
「私達含めてパスが一度も出てないのが奇跡ですわ」
「なんの為にクレオパトラで三人出てるのよ全く」
「……ん、そうだわ」
三人がかりでアリスを陥れられないクレオパトラ軍団がヤキモキしている所、虐めで培った悪知恵が働いたマリエがある提案を持ちかけ、取り巻き二人に耳打ちする。
「いーですねー!」
「じゃ、あのコンボで絞めましょか♪」
あれ、何か物騒な発言が聞こえたような……一体何する気!?
「こうするのよ!!」
と取り出したのはドミノ牌……じゃなくて、何かSDメモリーカードみたいなの出してきたよ!
◎――――――――――――――――――◎
・門矢マリエ
スキルチップ『スキップ・ターン』発動
◎――――――――――――――――――◎
「……?」
キョトンとするアリス、牌も出さないで何しとんのじゃと手持ちの牌を出して準備をするが……出番すっ飛ばしてターンは『朱雀』となっていた。
「ふえっ!? ちょっと何であたしのターン飛ばしてるのよ!!?」
するとそれに対してマリエ、意地悪く口語するは嫌味100%の捨て台詞だ。
「決まってるじゃなーい。――――お前のターンもう無ぇから!!!!」
マリエがドミノ牌を置くのを犠牲にして繰り出した『スキルチップ』。この新たなアイテムが、ドミノゲームを更に激化させる!!
〘◇To be continued...◇〙
※因みに【セバストポリ】のルールにドミノ牌で〔6-6〕を持った人が最初にそれを場に出すルールがあるが、構成上複雑になる為省略してゲームを勧めております。悪しからず。




