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【PHASE2-1】“栄光の太陽”

――地底空間の若き四人のゲーム戦士が手を組み、自由を守る為に双空間ゲームに挑むチーム『ゲームチェイサー・E-FORCE』を結成。地上の者達に衝撃を走らせる程に初陣を飾りました!


……しかし、彼らの敵は傲慢な地上の人々だけではありません。同じく野望を果たすべくゲームに挑む者によって、ゲームチェイサーに危機が迫ります!


その者とはズバリ、同じ地底空間に潜む“黒い翼”!!

全てはゲームチェイサーが初陣で手に入れた黄金の欠片が鍵を握っていたのです!!



果たしてヒートら四人に待ち構える次なるゲームは、新たな敵とは誰か!? 張り切って参りましょう、ネクストフェイズ!!!

 ――ゲームに破れ、時代に淘汰された者達が追放されて行き着く地。地底空間・アンダーグラウンド。

 地上への行き来を制限されて太陽と澄んだ空気を得られない不自由な空間は、実は幾つかの()によって構成されているのです。


 例えば、ゲームチェイサーらヒート達といった一般的な人々が済む層は特に地上の者への危害は与えないものと見なされ、地底の中でも一番地上に近い層に送られるという。その層を俗に【B1層】と呼ばれています。


 つまりはそれよりも下の【B2層】、または更に地下に居る者は何れは地上の者への反逆或いは危険思想を抱いているとして、厳重な行動制限や数々の契約を結んだ上で追放されている危ないゲーム戦士達が潜んでいるのです。それらは最大でB7層まで存在し、マントルより層が深ければ深いほど凶暴な者が居ると見做しても良いでしょう。



 そしてここにも、地底の深い闇から這い上がった一人の男が、野望を抱きつつ徐々に地上の光を指す方へ突き進んでいく。その男の異名は……



 ――――“悪魔の翼を持つ男”。



 〘◇Now Lording◇〙


 舞台変わってアンダーグラウンド・B1層。近くによって遮断された上には、石灰の白色な尖った鍾乳洞。その下は一変してクリアーなブルーで覆われた世界。


 鍾乳洞によって清き湖となり、地上の者には全く知られないであろう地底湖の秘境が、アンダーグラウンドの者によって開拓されていた。それを証拠に湖の近くには一軒の家。

 傾斜地に建てられた家は右上に傾いた屋根になっており、外装はモダンナチュラルで鐘乳石にリンクした白。横幅に富んだ形状は家と言うよりは()()に近い。


 そんな別荘に暖かな光。そして中には何と(ほむら )陽唯斗(ひいと)、別名『灼熱のヒート』が呑気に料理していた!!


「………なぁヒート、まだ料理出来ねぇのか?」

「うるせぇなハリアー。美味いもんを作るにゃ手間暇は掛かるもんなんだよ」


 大広間なリビングに横広いキッチン、強火の炎でフライパンひとつ繊細に操って料理するはヒート。意外にも彼自らがグルメと自称してる事もあって、料理に凝り性なタイプ。しかも手間を掛ける割には味の方は“並より上”らしい。


「この分じゃまだアリスとツッチーを呼べねぇな。あーあ腹減った!!」


 ハリアーはヒートの料理が出来ないものかと待ち惚け。因みにアリスは一階の奥にあるシャワールームで入浴中、ツッチーは地底湖の辺りで何やら機械をセッティングしている様子だった。何を作ってるんでしょうね?


 料理の方もやっと肉の力強く美味しそうな匂いがリビングに立ち籠もる中で、ハリアーはある話題を出した。


「……ヒート、この前のDDGで俺達が手に入れた()()()()()、絶対ヤバいモンだと思うぜ俺は」

「…………あぁ」


 ヒートもこれに関しては空返事で返す。おそらく彼も正体不明の欠片には物凄いオーラが感じると察したのだろう。


「――――大体、あん時の周りの反応も宜しく無かった」


 ハリアーの脳裏に引っ掛かる瞬間。それは前回のPHASE1のゲーム終了時に遡る……。


 〘◇Play Back◇〙


 ―――それは、DDG・エクストリーム・ラリーVXにヒートらゲームチェイサーが勝利し、小金井の数々の悪事が暴露されての警察によるご連行、情け無用の成敗を果たした後の事だった。


 ◇――――――――――――――――――◇

【エクストリーム・ラリーVX】勝利!

 ・勝利金額1000万円獲得!!

 ◇――――――――――――――――――◇


 プレイギアから通知されたゲーム結果のメールを一読したヒートはガッツポーズ。


「よっしゃ! これで蛍原の仕返しも済んだな」


 掛け金の500万円も倍に増え、小金井の策略により全財産を奪われた蛍原の仇も取る事が出来て万々歳。

 ヒートは早速に消滅したVRフィールドから出現した宙に浮かぶ球体を発見し、それを手に触れると分厚い札束が。1000万円が現金で返ってきた。()()()()も……


「ん? 何だこのキンキラキンな欠片……?」


 片手に大金、もう片手に黄金の輝きをした扇形の欠片を手に取って欠片の方を見つめるヒート。何気に危なかしい。


「どうしたヒート?」

「あぁハリアー、金取りに来たら変な欠片が。サブ報酬にしちゃ豪華過ぎるぜ」


 跡から駆け寄り合流したハリアー、アリス、ツッチーの三人。ヒートほ一旦大金はハリアーに渡し、プレイギアで再び結果通知のメールを確認した。


 ◇――――――――――――――――――◇

 ・レア報酬【栄光の太陽の欠片】獲得!!

 ◇――――――――――――――――――◇


「「「【栄光の太陽】……???」」」


(―――!!)


 益々不審に思う男勢三人に対し、アリスだけ何やら察し付いた様子。そんな時更に過剰に反応したのは意外にも小金井だった。


「あぁ!? あれは、私が長年追い求めていた()()()()!! 何でお前ら如きが【栄光の太陽】を……くそぉぉおおお〜〜!!!」


 小金井は必死に抗おうとしたが、既にパトカーに連行される直前であった。しかし彼らの耳にはしっかりと“幻の秘宝”というワードが記憶されていた。


「……そんなに凄いものなのかコレ?」

「俺には見当も付かないな」

「ワテも情報通やが、これに関しちゃサッパリやがな。アリスはんは知っとるん?」


「……え!? あ、いや、私は全然……」


 無知な男性陣に対し、活発的なアリスはその性格とは裏腹にしどろもどろな返答を返す。


「そ、そんな事よりも! 早くその1000万円をジョーカーさんの所に振り込みましょうよ! それにせっかく地上に来たんだし、朝の太陽を拝むまでここに居ようよ。ね、ね?」

「……ま、それもそうだな。このまま地底に帰るのも何か寂しいや。ちょっくら遊んでこーぜ」


 ヒートはさり気なくアリスの提案に乗り、他の二人は渋々ながらに朝まで地上に居ることを決めたのだった。



 〘◇Return Back◇〙


 それから三日が経ち、特に何事も起こらずゲームチェイサー四人はジョーカーらと解散し、この別荘で四人同居で自立した生活を過ごしていた。


「―――結局1000万はジョーカーさんに渡したっきり、欠片の事は言わず終いだったじゃんか。……アリスの奴、何か俺達に隠し事でもしてんじゃないのか?」

「気にするこたねぇよ。アリスはお前も含めて20年も一緒に過ごした仲だ。ダチの事は俺に任しときゃ良いんだよ」


(だから心配なんだよ……)


 ハリアーの不安は益々増すばかりだった。

 更には“栄光の太陽”と呼ばれる黄金の欠片は、シャワールームと同接された洗面所のケースに置かれていた。鼻唄とシャワーの湯気で隠したアリスのシルエットを残しながら……。



 そして四人しか居ない筈の地底湖付近にて、ヒタヒタと不吉な音を立てながら()()が迫ろうとしていた。




 ―――――“悪魔の翼を持つ男”が、ゲームチェイサーに迫る。



 〘◇To be continued...◇〙


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