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淡々三国志  作者: ンバ
蜀書第十、魏延伝
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まとめ

魏延伝は以上です。

例によって年表にして

彼の事績を振り返ります。




・???年

私兵を率いて劉備軍に加わる。



・212〜214年

私兵を率いて入蜀で戦功を立て

牙門将軍となる。



・219年

劉備が漢中王に即位し

督漢中・鎮遠ちんえん将軍・領漢中太守となる。



・221年

劉備が皇帝に即位し

鎮北将軍となる。



・223年

劉備が崩御し劉禅が即位すると

都亭侯とていこうに封じられる。



・227年

諸葛亮しょかつりょうが漢中に進駐すると

改めて督前部とくぜんぶ丞相じょうしょう司馬しば

涼州りょうしゅう刺史ししとなる。



・230年

西方のきょうに赴き

魏の後将軍の費瑤ひよう雍州ようしゅう刺史の郭淮かくわいと、

陽谿ようけいで戦い、これを大破。


昇進して前軍師・征西せいせい大将軍・仮節かせつとなり

南鄭侯なんていこうに封じられる。



・234年

諸葛亮が北谷口ほっこくこうに出征、先鋒を担う。


諸葛亮の軍営から十里の処で

頭に角が生える凶夢を見る。


諸葛亮が病となり、楊儀・費禕・姜維らに

自身が死んだ後に軍を撤退させる

命令書を作らせ、魏延を後詰めに。


諸葛亮の死後、楊儀が費禕に命じて

魏延の意向を探らせるも、

魏延は全く楊儀に従う意思を見せず、

撤退せずに抗戦を続けようとした魏延は

軍内で完全に孤立してしまう。


魏延は楊儀を除こうと先回りし

行く先々で橋を焼き、

お互いを謀反人と見做して

楊儀との上奏合戦に発展。


魏延は南谷口で楊儀を迎撃に出たが

前衛の何平に大喝され軍は四散、

魏延は数名の子とともに漢中へ逃げるが

楊儀は馬岱を遣って魏延を斬る。


楊儀は魏延の首が届けられると

これを踏みつけて罵り、

かくて三族皆殺しの憂き目に遭う。






最後に、ンバの個人的な魏延評価です。



・戦闘★★★★★★★7

安定した戦果を叩き出せる猛将で

劉備から特に目を掛けられ

諸葛亮政権下に於いては武官の筆頭です。

郭淮に勝っているあたりは流石で、

派手な敗戦の記述も特にないです。


悲惨な最期を迎えていなければ

趙雲に代わって蜀書第六に

名前が載っていたかもしれません。




・戦略★★★★4

魏略に載っている長安強襲策は

興味深い内容だとは思いますが……


輿論が自身を支持すると思っていた

見通しの甘さ、自尊心の強さがあり

自らを客観的に見る力に欠けていそうです。

仮に敵を知っていても、自身を知らねば

魏に勝つなど、夢のまた夢でしょう。




・内政★★★★★★6

蜀の北の玄関口である

漢中の太守を長年務めています。


244年の興勢山の戦いに於いて

蜀が漢中を防衛できたのも

魏延の構築していたシステムが

優秀だったからでは?などと

考えてしまうのは

魏延オタクの視点でしょうか。




・人格★★★3

士卒の育成は上手ですが、

誇り高い性格で人との折り合いに欠けます。

楊儀との上奏合戦になった時

誰も魏延の味方をしてくれなかった辺り

人望のなさが透けてしまっています。

後世のイメージも非常に悪いです。


劉備や諸葛亮といった

彼を御する存在なくして

魏延もまた存在できないのです。




とにかく後世のイメージが最悪に近い魏延。

擁護しようにもほぼ自業自得ですが

他国に走りながら、麋芳や黄権の親族が

お咎めなしだったのに対して

魏延は三族皆殺しに遭っているのが

可哀想で可哀想でなりません。


魏を倒す事にこだわり過ぎて

自身の命を縮めてしまった魏延伝でした。

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