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五、陳寿の擁護
5.
初,蔣琬率宿衞諸營赴難北行,行數十里,延死問至,乃旋。原延意不北降魏而南還者,但欲除殺儀等。平日諸將素不同,兾時論必當以代亮。本指如此。不便背叛。
(訳)
(魏延が殺される)以前、
蒋琬は宿衛の諸郡を率いて
危難に赴くべくして北へ向かったが
数十里進んだところで
魏延が死んだとの報せが届いたので
かくして引き返した。
魏延の意図を辿ってみると、
魏に降ろうとして北へ向かわず
南へ還ったのは、ただ楊儀らを
除き去ろうとしたのであり、
平素から諸将の同意を得られずとも、
持論がきっと諸葛亮の代役として
自身を立てることを願ったのである。
本来の指向はこの様であって
謀叛しようとしたのではない。
(註釈)
淡々と事績を書き連ねることに
終始している筈の陳寿が、珍しく
本文中で特定の人間を擁護しています。
魏延は謀叛しようとしたのではなく
政敵の楊儀を除こうとしただけなのです。




