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淡々三国志  作者: ンバ
呉書第十、陳武伝
471/603

一・註一、廬江の武侠/愛妾殉死

1.

陳武字子烈,廬江松滋人。孫策在壽春,武往脩謁,時年十八,長七尺七寸,因從渡江,征討有功,拜別部司馬。策破劉勳,多得廬江人,料其精銳,乃以武爲督,所向無前。及權統事,轉督五校。仁厚好施,鄉里遠方客多依託之。尤爲權所親愛,數至其家。累有功勞,進位偏將軍。建安二十年,從擊合肥,奮命戰死。權哀之,自臨其葬。

(訳)

陳武ちんぶは字を子烈しれつ廬江ろこう松滋(しょうじ)県の人。


孫策が寿春じゅしゅんに在った際

陳武は往きて謁見した。

この時十八歳、身長は七尺七寸(185cm余)。

そこで長江の渡河に従い

征討して戦功をあげ、

別部司馬べつぶしばに拝された。


孫策は劉勲りゅうくんを破った際に

廬江ろこうの人員を多く得たため、

その精鋭を科り、かくて

陳武をその監督役としたが、

向かう所敵なしであった。


孫権が事業を統括するに及んで

督五校とくごこうに転任した。


仁義厚く、施しを好み、

郷里や遠方からの客分が

多数彼に依託していた。


尤も(最も)孫権から親愛されており

しばしば彼の家へ至っていた。


累ねて功労があり、

偏将軍の地位に昇進した。


建安二十年(215)に

合肥攻撃に従軍し、

命懸けで奮闘するも、戦死した。


孫権はこれを哀しみ

自ら彼の葬儀に臨んだ。



註1.

江表傳曰:權命以其愛妾殉葬,復客二百家。孫盛曰:昔三良從秦穆師以之不征;魏妾旣出,杜回以之僵仆。禍福之報,如此之效也。權仗計任術,以生從死,世祚之促,不亦宜乎!

(訳)

江表伝にいう、

孫権はその愛妾に殉葬を命じ、

客分二百家(の租税)を復(免除)した。



孫盛はいう、

昔、三良が秦の穆公に従い(殉死し)、

師団はこれにより征伐が出来なかった。


魏の愛妾が(未亡人となった後)出嫁すると

杜回とかいはこれにより僵仆(倒れる)してしまった。


(殉死による)禍福の報せは

かくの如くに効験があるのである。


孫権は計略に依り術策に任せて

生者を死者に追従させたが、

世祚(国家の命数)の嘲弄も

また当然の事ではないか。


(註釈)

正史だと身長7尺7寸。

演義だと身長7尺で赤目黄顔。

縮んでるケースは珍しい。脱字かな?


太史慈と諸葛恪も7尺7寸。



194年前後に18歳とすると

177年前後の生まれ。

孫策や呂蒙りょもうと同年代。


合肥の戦いで戦死してしまい(まだ30代後半の筈)

孫権は彼の愛妾に殉死を命じた。



筑摩の註によると、


「左氏伝」の文公六年に

秦のぼく公が亡くなった際に

優秀な臣下三人(三良)を殉死させたが、

人々はこれを嘆いて「黄鳥の歌」をうたった。


君子は、秦の勢いが衰えて

東方へ軍を出す事は

出来なくなるであろうと察した。


黄鳥の歌はたぶん、これの事かな↓


交交黃鳥,止于棘。

誰從穆公?子車奄息。

維此奄息,百夫之特。

臨其穴,惴惴其慄。

彼蒼者天,殲我良人!

如可贖兮,人百其身。


交交黃鳥,止于桑。

誰從穆公?子車仲行。

維此仲行,百夫之防。

臨其穴,惴惴其慄。

彼蒼者天,殲我良人!

如可贖兮,人百其身。


交交黃鳥,止于楚。

誰從穆公?子車鍼虎。

維此鍼虎,百夫之禦。

臨其穴,惴惴其慄。

彼蒼者天,殲我良人!

如可贖兮,人百其身。



宣公十五年に魏と晋が戦った際

戦場の草を結んで

秦の猛将の杜回りかいを転倒させ

魏を有利に導いた老人がいた。

その老人が夢に現れて

「私は殉死を免れた魏武子の妾の父だ」

と告げたのだという。



この世界は生者のためのものだから

死者に合わせんでいいと思うんだよね。

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